むし歯は遺伝する?その理由について

こんにちは。渋谷道玄坂の歯医者、アンデルト歯科・矯正歯科 渋谷 道玄坂通の歯科医師、若松怜子です。

歯の強さや虫歯になりやすさには、確かに遺伝的な要素が影響を及ぼすことがありますが、それだけが全てではありません。
むし歯は、歯の硬組織が細菌の代謝産物によって破壊される病態を指し、多くの要因が絡み合って発生します。
今回は、遺伝の影響とそれ以外の要因について詳しく説明し、虫歯になりやすい人となりにくい人の違いを探りましょう。

歯の強さと遺伝の関係

歯の強さ、特にエナメル質(歯の最も外側にある硬い層)の質や厚さは遺伝によって左右されることがあります。
エナメル質が厚くて硬い人は、物理的な刺激や酸の侵攻に強く、虫歯になりにくいとされています。
また、歯の形状や並び、唾液(つば)量や質も遺伝的要因に影響されることがあります。
唾液は口内の自浄作用を助け、酸を中和する重要な役割を果たすので、唾液の分泌量が多く、質が良い人は虫歯になりにくい傾向にあります。

虫歯の主要因

  1. 食生活の影響: 食べ物や飲み物に含まれる糖類は、虫歯の最大のリスクファクターです。
    糖類は口内の細菌によって代謝され、その過程で酸が生成されます。
    この酸がエナメル質を徐々に溶かし、虫歯を引き起こします。頻繁に糖分を摂取する習慣がある人は、特に虫歯になりやすいと言えます。
  2. 口内環境: 唾液の量が少ない人(乾燥症状を持つ人など)や、歯の清掃が不十分な場合、虫歯のリスクは高まります。
    また、特定の細菌多く存在する環境は、虫歯の発生を促進します。
  3. 生活習慣の影響: 歯磨きの頻度や方法、フロスの使用、定期的な歯科検診の有無なども虫歯リスクに大きく影響します。
    適切なオーラルケアを怠ると、汚れが蓄積しやすくなり、それが虫歯や歯周病の原因となります。

虫歯になりやすい人とそうでない人の違い

虫歯になりやすい人とそうでない人の違いは、上述の要因が複合的に作用する結果です。
遺伝的に歯の強さが劣る、または唾液の分泌量が少ない人は、同じ環境でも虫歯になりやすくなることがあります。しかし、それ以上に重要なのが生活習慣の差です。
以下に、虫歯予防に効果的な生活習慣をいくつか挙げます

  • 定期的な歯磨きとフロス使用1日2回以上の歯磨きと、食後のフロス使用はプラークの蓄積を防ぎます。
  • 糖分の摂取を控える:食間の糖分摂取を避け、食後すぐに口をすすぐ習慣をつける。
  • 定期的な歯科検診:3~6カ月に一度の歯科検診を受けることで、初期の虫歯を発見しやすくなります。

まとめ

虫歯になりやすいかどうかは、遺伝的要素と環境的要素が共に影響を及ぼしています。
遺伝による影響を完全にコントロールすることはできませんが、適切な食生活、口内ケア、定期的な歯科診察によって、虫歯のリスクを大幅に減らすことが可能です。
したがって、虫歯予防には日々の生活習慣の見直しが非常に重要となります。
むし歯になりやすいからといって諦めず、適切なケアを続けていきましょう。

歯科医院・カフェ・ジムの共同施設「アンデルト」。心身ともに健康になること(Wellness)を目的とした施設です。 口腔環境を整え、体に良いものを食べ、適切な運動を行う。個別の目標に合わせたアプローチとコンディショニングを通して、一人ひとりの「なりたい自分」へ。自分らしく前向きに、自信をつけるサポートを行います。