歯の番号の読み方と一覧|名称・乳歯・検診の数字の意味まで解説

「右上の6番に虫歯があります」「左下の4番を治療しましょう」――歯科検診や治療の説明でこうした言葉を耳にしたとき、どの歯のことを指しているのかすぐにわかりましたか?

歯科医院では、口の中の歯一本一本に「番号」が割り振られており、永久歯は1〜8番、乳歯はA〜Eのアルファベットで管理されています

この番号を「歯式(しき)」と呼び、歯の住所のような役割を果たすもので、カルテへの記録から検診の説明まで、日常的に使われている歯科の共通言語です。

ただし、歯の番号には日本でよく使われる方式と、国際的に使われるFDI方式(2桁数字)の2種類があり、検診の場で飛び交う「C1」「3mm」といった数字は歯の番号とは別に虫歯の進行度や歯周病の状態を表すものです。

それぞれの意味を混同してしまうと歯科医師の説明が理解しにくくなるため、体系的に整理しておくことが大切です。

この記事では、歯の番号の基本的な仕組み・永久歯と乳歯それぞれの番号と名称・歯科検診で飛び交う数字や記号の意味について、一般の方にわかりやすくまとめています。

ぜひ最後まで読んで、次回の歯科受診に役立ててください。

歯の番号(歯式)とは何か

歯科医院で「右上6番」「左下4番」という言葉が飛び交うとき、その数字がどんな意味を持つのか、疑問に感じた経験がある方も少なくないでしょう。

歯の番号とは、口の中にある歯それぞれの位置を正確に伝えるために使われる「歯の住所」のようなものです。

歯科医師や歯科衛生士は、この番号を使って治療する歯の場所をカルテに記録したり、患者さんへの説明に活用したりしています。

番号の仕組みを理解しておくと、歯科での説明がぐっとわかりやすくなるため、ここで基本を整理しておきましょう。

歯の番号の基本的な仕組み(上下左右4区分+1〜8番)

歯の番号は、口の中を「上下」「左右」の4つのエリアに分けた上で、それぞれのエリアで前歯から奥歯に向かって1番から8番まで順番に割り振る仕組みになっています[1]。

4つのエリアは「右上・左上・左下・右下」で、それぞれに1〜8番の歯が存在します。

「右上6番」と言えば「右上のエリアの前から6番目の歯」を指し、「左下3番」と言えば「左下エリアの前から3番目の歯」を指します。

ここで注意が必要なのが「右・左」の基準です。

歯科での「右・左」は、鏡で自分の歯を見たときの向きではなく、患者さん本人にとっての右・左を基準としています[1]。

歯科医師が正面から口を覗いて記録する際、患者さんの右側は歯科医師からみると左に見えますが、カルテ上は患者さんにとっての右として記録されます

「右と左が混乱しやすい」と感じる方は、「自分の右手側の歯が右上・右下」と覚えておくと判断しやすくなるでしょう。

歯の番号と歯の名称の対応一覧

1〜8番の番号にはそれぞれ正式な歯の名称があり、名称を知っておくと歯科医師の説明をより深く理解できます[1]。

下の表で番号と名称の対応を確認してください。

番号正式名称一般的な呼び名
1番中切歯(ちゅうせっし)前歯・真ん中の歯
2番側切歯(そくせっし)前歯・2本目
3番犬歯(けんし)糸切り歯・八重歯
4番第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)奥歯の入り口
5番第二小臼歯(だいにしょうきゅうし)奥歯の入り口2本目
6番第一大臼歯(だいいちだいきゅうし)6歳臼歯
7番第二大臼歯(だいにだいきゅうし)奥歯
8番第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)親知らず

1〜3番が「前歯」、4番・5番が「小臼歯(奥歯の手前)」、6番〜8番が「大臼歯(奥歯)」という大きな分類になっています[2]。

歯の形も番号によって大きく異なり、1番・2番は食べ物を噛み切るための薄くて平たい形、6番・7番は食べ物をすり潰すための広くて平らな面を持つ形をしています。

番号と名称の対応を覚えておくことで、歯科医師から「犬歯(3番)の隣の歯が…」といった説明を受けた際にも、口の中のどのあたりのことか即座にイメージできるようになるでしょう。

永久歯の番号と各歯の役割

1番から8番まで割り振られた永久歯は、それぞれ形も大きさも異なり、食事・発音・見た目といった異なる役割を分担しています

番号を覚えるだけでなく、それぞれの歯がどんな役割を持っているかを知っておくと、虫歯や歯周病で「その歯を失うとどんな影響が出るか」をイメージしやすくなります。

歯科医師から治療の必要性を伝えられた際に、重要度を正しく判断するためにも、各番号の歯の特徴を確認しておきましょう

ここでは、1番から8番まで順番に、各歯の名称・特徴・役割を解説します。

1番・2番(中切歯・側切歯)

1番(中切歯)と2番(側切歯)は、口の正面中央に並ぶいわゆる「前歯」で、上下合わせて8本あります。

形は薄くシャベルのように平たく、食べ物を噛み切る役割(切断機能)を主に担っています

発音への関与も大きく、特に上の1番・2番は「さ行」「た行」「な行」などの発音時に舌が当たる重要な位置にあります[2]。

口元の印象を左右する審美的な役割も大きく、歯の色・形・並びが気になる方の多くが1番・2番の見た目を意識しています。

上の1番は顔の印象に最も直結する歯のため、着色や欠けが生じると見た目への影響が大きく、早めの対処が望ましいです。

1番・2番は歯ブラシが届きやすい位置にある一方で、歯の間(隣接面)は磨き残しが生じやすいため、デンタルフロスを活用した丁寧なケアが大切です。

3番(犬歯・糸切り歯)

3番は「犬歯(けんし)」または「糸切り歯」とも呼ばれる歯で、上下左右に1本ずつ、合計4本あります。

先端が尖った形をしており、食べ物を引きちぎる・噛み切るといった機能を担います。

「八重歯(やえば)」として知られる歯もこの3番にあたることが多く、歯並びの乱れが生じやすい位置でもあります[2]。

3番は永久歯の中でも歯根(歯の根っこ)が最も長い歯とされており、歯を支える力が強く、抜けにくい構造を持っています。

噛み合わせの安定に深く関わる歯でもあり、歯科治療の分野では「犬歯誘導」と呼ばれる噛み合わせのガイド役として重要視されています[2]。

3番は形が独特なため磨き方に工夫が必要で、歯ブラシを縦に当てて丁寧に磨くことが虫歯・歯周病予防につながるでしょう。

4番・5番(小臼歯)

4番(第一小臼歯)と5番(第二小臼歯)は、犬歯(3番)と奥歯(6番)の間に位置する歯で、「小臼歯(しょうきゅうし)」と呼ばれます。

上下左右に2本ずつで合計8本あり、前歯と奥歯の中間的な形をしています。

食べ物を噛み砕く機能と、食べ物を細かくする機能の両方を担う橋渡しのような存在です[2]。

4番・5番は歯列矯正(ワイヤー矯正)の際に抜歯の対象になることがある歯としても知られており、歯並びを整えるためのスペースを作る目的で選ばれるケースがあります。

ただし、抜歯が必要かどうかはお口の状態や矯正の方針によって異なるため、自己判断せずに歯科医師の診断を受けることが大切です。

小臼歯は溝の形が複雑なため汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすい位置でもあるため、ブラッシング時に意識して磨くことが望ましいでしょう。

6番・7番(大臼歯・6歳臼歯)

6番(第一大臼歯)と7番(第二大臼歯)は「大臼歯(だいきゅうし)」と呼ばれる奥歯で、噛む力が最も強くかかる歯です。

広く平らな噛み合わせ面を持ち、食べ物をすり潰して消化しやすい状態にする役割を主に担っています[1]。

特に6番は「6歳臼歯」とも呼ばれ、永久歯の中で最も早く生えてくる歯です。

6歳頃に乳歯の後ろに新しく生えてくるため「生え変わりではなく新しく生える歯」であることに気づかれないケースが多く、生えたてで歯が薄いうちに虫歯になりやすい歯として知られています[2]。

6番は上下の噛み合わせの中心となる基準の歯であり、この歯を失うと全体の噛み合わせに大きな影響が出る可能性があるため、永久歯の中でも特に大切に守るべき歯のひとつです。

6番・7番は最も奥に位置する歯のためブラッシングが難しく、歯ブラシを小刻みに動かしながら奥まで丁寧に当てることが虫歯予防の基本となります。

8番(親知らず・第三大臼歯)

8番は「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」が正式名称ですが、「親知らず」という名称の方が一般的に広く知られています

18〜25歳頃に生えてくることが多く、親が知らないうちに生えてくる歯であることが「親知らず」という名称の由来とされています[2]。

上下左右に最大4本生える可能性がありますが、生えない方・一部だけ生える方・歯茎の中に埋まったまま(埋伏歯)の方など、個人差が非常に大きい歯です。

現代人は顎が小さくなる傾向があるため、生えるスペースが足りずに斜めに生えたり、隣の7番を圧迫したりするケースも多く報告されています[2]。

斜めに生えた親知らずは歯磨きが難しく虫歯・歯周病のリスクが高まるため、痛みや腫れが出る前に歯科医師に相談しておくことをおすすめします。

親知らずは必ずしも抜歯が必要なわけではなく、正常に生えていて噛み合わせに問題がない場合はそのまま保存できる可能性があるため、不安な場合は歯科医師に診断を受けることが大切です。

乳歯の番号(アルファベットA〜E)と永久歯との対応

お子さんが歯科検診を受けた際に、「右上のBに虫歯があります」「左下のDを確認しましょう」といった言葉を耳にして、どの歯のことかわからなかったという経験がある保護者の方も多いのではないでしょうか。

乳歯には永久歯の1〜8番とは異なり、A〜Eのアルファベットで番号が割り振られています

永久歯と同じく「右上・左上・左下・右下」の4エリアに分け、それぞれのエリアで前歯から奥歯に向かってA・B・C・D・Eと順番に呼びます[1]。

乳歯は全部で20本(上下左右各5本)あり、Aが最も前の歯でEが最も奥の歯にあたります。

乳歯のアルファベットと名称の対応は下の表を参考にしてください。

アルファベット正式名称一般的な呼び名
A乳中切歯(にゅうちゅうせっし)前歯・真ん中の歯
B乳側切歯(にゅうそくせっし)前歯・2本目
C乳犬歯(にゅうけんし)糸切り歯
D第一乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)奥歯1本目
E第二乳臼歯(だいににゅうきゅうし)奥歯2本目

A〜Cが「乳前歯」、D・Eが「乳臼歯」という大きな分類になっています[2]。

乳歯は永久歯と1対1の対応関係があり、生え変わりの際にそれぞれ対応する永久歯に置き換わります

乳歯と永久歯の対応関係は下の表の通りです。

乳歯生え変わり後の永久歯
A(乳中切歯)1番(中切歯)
B(乳側切歯)2番(側切歯)
C(乳犬歯)3番(犬歯)
D(第一乳臼歯)4番(第一小臼歯)
E(第二乳臼歯)5番(第二小臼歯)

一方、永久歯の6番(第一大臼歯)・7番(第二大臼歯)・8番(親知らず)には対応する乳歯が存在せず、乳歯のない位置に新たに生えてくる歯です[2]。

特に6番は乳歯の後ろに新しく生えてくるため、保護者の方が「乳歯がまだ抜けていないのに新しい歯が生えてきた」と驚かれるケースがあります。

これは生え変わりではなく追加で生えてくる歯のため、乳歯が抜けるのを待つ必要はなく、生えてきた時点から虫歯予防のケアを始めることが大切です。

乳歯は「どうせ生え変わるから」と軽視されがちですが、乳歯の虫歯を放置すると下で準備している永久歯の成長に悪影響を与える可能性があります[1]。

乳歯の段階から適切なケアと定期検診を続けることが、永久歯が健康に生え揃うための土台づくりにつながるでしょう。

FDI方式(2桁番号)の読み方

歯科医院によっては、「11番」「36番」「47番」といった2桁の数字で歯を呼ぶ場面があり、先述の1〜8番とは異なる番号体系に戸惑った経験がある方もいるかもしれません。

この2桁の番号は「FDI方式(エフディーアイほうしき)」と呼ばれ、国際歯科連盟(FDI)が定めた世界共通の歯の番号体系です[1]。

国際的な学術論文や医療機関間の情報共有で広く使われており、日本国内でもこの方式を採用している歯科医院が多くあります

FDI方式では、口の中を4つのエリアに分けて「十の位」で区別し、「一の位」で前から何番目かを表します

十の位の数字の意味は下の表の通りです。

十の位の数字エリア
1右上
2左上
3左下
4右下

十の位が1〜4まで時計回りに割り振られている点がFDI方式の特徴で、右上から始まって左上・左下・右下の順になっています[1]。

一の位は1〜8番と同じく、前歯(真ん中)から奥歯に向かって1〜8の数字が割り振られます。

したがって、「16番」であれば「十の位が1=右上エリア、一の位が6=前から6番目の歯」つまり「右上の第一大臼歯(6歳臼歯)」を指します。

全エリアの番号一覧は下の表を参考にしてください。

エリアFDI番号の範囲
右上(1)11・12・13・14・15・16・17・18
左上(2)21・22・23・24・25・26・27・28
左下(3)31・32・33・34・35・36・37・38
右下(4)41・42・43・44・45・46・47・48

読み方のコツは「十の位でエリアを確認し、一の位で何番目かを確認する」という2ステップです。

「上の歯は十の位が1か2、下の歯は3か4」「右側は1か4、左側は2か3」というルールを覚えておくと、初めて見た番号でもすぐに読み解けるようになります[1]。

乳歯にもFDI方式の番号があり、十の位は5〜8(右上が5・左上が6・左下が7・右下が8)、一の位はA〜EをそれぞれAが1・Bが2・・・Eが5として表記します。

FDI方式は最初は複雑に感じるかもしれませんが、「十の位がエリア、一の位が前から何番目」というルール1つで全ての番号が読み解けるため、仕組みを理解してしまえば難しくありません

歯科医師からFDI方式の番号で説明を受けた際にも、ぜひ今回の表を参考に確認してみてください。

歯科検診で飛び交う数字と記号の意味

歯科検診を受けると、歯科医師や歯科衛生士が「右上6番C2」「左下4番3mm」といった暗号のような言葉を次々と読み上げる場面があります。

これらは歯の番号とは別に、虫歯の進行度や歯周病の状態を記録するための記号・数字で、それぞれ異なる意味を持っています。

「何か悪いことを言われているのでは」と不安になる方もいますが、記号の意味を知っておくだけで検診中の会話を冷静に理解できるようになります

ここでは、歯科検診でよく使われる「虫歯の記号(C)」と「歯周ポケットの数字」の2つについて、それぞれわかりやすく解説します。

虫歯の進行度(CO・C1〜C4)

歯科検診で「C(シー)」という記号が使われる場合、それは虫歯(英語でCaries=カリエス)の状態を示しています[1]。

Cの後ろにつくアルファベットや数字によって、虫歯の進行度合いが5段階で表されます。

各段階の意味は下の表を参考にしてください。

記号読み方状態治療の目安
COシーオー虫歯になりかけの状態(要観察歯)経過観察・フッ素塗布
C1シーワン歯の表面(エナメル質)に小さな穴経過観察または小範囲の処置
C2シーツー歯の内側(象牙質)まで進行削って詰め物・被せ物
C3シースリー歯の神経(歯髄)まで到達根管治療(神経の処置)
C4シーフォー歯の根だけが残った状態抜歯の可能性あり

COは「虫歯になりかけ」の状態で、まだ穴は開いていませんが放置すると虫歯に進行するリスクがある段階です[1]。

この段階では歯を削らずに、フッ素塗布や丁寧なブラッシングによって健康な歯に戻せる可能性があります。

C1はエナメル質に小さな穴が開いた状態ですが、エナメル質には知覚(痛みを感じる神経)がないため、自覚症状がほとんどありません。

痛みがないからといって放置してしまうと、次のC2段階に進行するため、早期発見・早期対処が重要です[2]。

C2になると虫歯が象牙質まで達するため、冷たいものや甘いものがしみるといった自覚症状が現れ始めることがあります。

詰め物や被せ物による治療が必要になるため、治療期間と費用が大きくなります。

C3は神経まで虫歯が到達した状態で、激しい痛みを伴うケースが多く、神経を除去する根管治療(こんかんちりょう)が必要になります[2]。

根管治療は複数回の通院が必要になることが多く、治療の負担が大きくなります。

C4は歯の大部分が溶けてしまい、歯の根だけが残った状態です。

この段階では抜歯が必要になるケースが多く、その後の治療としてインプラント・入れ歯・ブリッジのいずれかを選択することになります[1]。

COやC1の段階で発見できれば、歯への負担が少ない治療で済む可能性が高いため、痛みがなくても定期的な歯科検診を受けることが虫歯予防の基本です。

健康な状態を示す「/(スラッシュ)」や、治療済みであることを示す「○(まる)」も検診時に使われる記号のため、「/」や「○」を読み上げられた場合は問題がない・または治療済みの歯であることを示しています[1]。

歯周ポケットの数字(1〜6mm以上)

歯科検診で「2mm」「4mm」「6mm」といった数字が読み上げられる場合、それは「歯周ポケット」の深さを測定した結果を示しています。

歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目にある溝のことで、この溝の深さが歯周病の進行度を判断するための重要な指標になります[1]。

専用の細い器具を歯と歯茎の間に挿し込んで深さを測定しており、数値が大きいほど歯周病が進行していることを示します。

各数値の目安は下の表を参考にしてください。

深さの目安歯茎の状態対処の目安
1〜3mm健康な歯茎現状維持・セルフケア継続
4〜5mm歯周病の初期〜中等度歯科医院でのクリーニング・指導
6mm以上歯周病の中等度〜重度専門的な歯周病治療が必要

健康な歯茎の歯周ポケットは1〜3mm程度とされており、この範囲であれば通常のブラッシングとデンタルフロスで対応できる状態です[1]。

4〜5mmになると歯周病が進行し始めているサインで、歯を支える骨(歯槽骨)の破壊が始まっている可能性があります。

この段階では歯科医院でのスケーリング(歯石除去)やブラッシング指導を受けることで、進行を食い止められる可能性があります[2]。

6mm以上になると歯周病が中等度から重度に進行している状態で、歯がぐらつく・膿が出るといった症状が現れるケースがあります。

この段階では専門的な歯周病治療が必要になり、場合によっては外科処置が検討されることもあります[2]。

歯周病は痛みなく進行することが多く、気づいた時には重症化しているケースも少なくないため、数値が少し高くなった段階で歯科医師に相談しておくことをおすすめします。

検診の場で数値を読み上げられた際は、「自分の歯茎は今どのくらいの状態なのか」を担当の歯科医師や歯科衛生士に確認しておくと、その後のセルフケアの参考にできるでしょう。

歯の番号を知っておくと役立つ場面

歯の番号や検診記号の意味は、一見して歯科関係者向けの専門知識のように思えますが、一般の方にとっても実生活で役立つ場面が複数あります

歯科医師の説明を正確に理解できるようになるだけでなく、自分の口腔内の健康状態を主体的に管理する意識につながる知識です。

ここでは、歯の番号を知っておくと具体的に役立つ4つの場面を整理します。

歯科医師の説明を正確に理解できる

歯の番号を知っていると、「右上6番にC2の虫歯があります」「左下7番の歯周ポケットが5mmです」といった説明を聞いた際に、どの歯のどんな状態なのかを即座に理解できるようになります[1]。

治療の必要性や緊急度を自分で判断できるようになることで、治療の意思決定をより主体的に行いやすくなります

複数の歯科医院を受診する際の情報共有に役立つ

引っ越しや転院などで歯科医院が変わる場合、前の歯科医院での治療内容を伝える際に番号を把握しておくと正確に説明できます

「右上の前から6番目の歯を治療しました」と伝えることで、新しい担当医が過去の治療歴をカルテに正確に記録しやすくなります[2]。

子どもの歯科検診の結果を正しく受け取れる

お子さんの歯科検診結果に「右上BにCO」などの記載がある場合、乳歯のアルファベットと虫歯記号の意味を理解していれば、どの歯がどんな状態なのかを把握した上で適切なケアを始められます

「CO(要観察歯)なのでフッ素入り歯磨き粉を使って丁寧に磨く」といった具体的な対処につなげやすくなります[1]。

緊急時に痛みの場所を正確に伝えられる

突然の歯の痛みで歯科医院を受診する際、「右下の奥から2番目の歯が痛い」と伝えるより「右下7番あたりが痛い」と伝える方が、歯科医師がすぐに対象の歯を特定しやすくなります

痛みの場所を正確に伝えることで診察がスムーズになり、治療までの時間短縮にもつながるでしょう。

歯の番号は暗記する必要はありませんが、大まかな仕組みを理解しておくことで歯科受診のたびに「どの歯のこと?」と戸惑う場面を大きく減らすことができます

不安な点や疑問があれば、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士に確認することをおすすめします。

よくある質問

Q:歯の番号の「右・左」は、自分から見た向きと同じですか?

歯科での「右・左」は、鏡で自分の歯を見たときの向きではなく、患者さん本人にとっての右・左が基準です[1]。

歯科医師が正面から口を覗いて診察する際、患者さんの右側は歯科医師からは左に見えますが、カルテや説明では必ず患者さんにとっての右・左で表記されます。

混乱しやすい場合は「自分の右手側の歯が右上・右下」と覚えておくと判断しやすくなるでしょう。

Q:歯科検診で「CO(シーオー)」と言われましたが、すぐに治療が必要ですか?

COは虫歯になりかけの「要観察歯」を示す記号で、まだ穴が開いていない状態のため、すぐに削る治療が必要なケースは少ないとされています[1]。

フッ素入り歯磨き粉の活用や丁寧なブラッシングで進行を防ぎ、健康な状態に戻せる可能性があるため、歯科医師の指示に従ってセルフケアを続けることが大切です。

ただし放置すると虫歯(C1以上)に進行するリスクがあるため、定期的に経過を確認してもらうことをおすすめします。

Q:6番の歯が特に大切と聞いたのですが、なぜですか?

6番(第一大臼歯)は上下の噛み合わせの中心となる歯で、噛む力が最も強くかかる位置にあるため、永久歯の中でも特に重要な歯とされています[2]。

6歳頃に乳歯の後ろに新しく生えてくる歯のため「6歳臼歯」とも呼ばれますが、生え変わりと気づかれないまま虫歯になりやすい歯でもあります。

この歯を失うと全体の噛み合わせに大きな影響が出る可能性があるため、生えてきた段階からシーラント(歯の溝を埋める予防処置)やフッ素塗布などの予防ケアを歯科医師に相談しておくとよいでしょう。

Q:乳歯の虫歯は永久歯に影響しますか?

乳歯の虫歯を放置すると、その下で育っている永久歯の成長に悪影響を与える可能性があります[1]。

乳歯の根の下には次に生えてくる永久歯が準備されており、乳歯の虫歯が進行して根まで感染が広がると、永久歯の形や色・生え方に影響が出るケースが報告されています。

「どうせ生え変わるから」と乳歯の虫歯を軽視せず、永久歯が健康に生え揃うための土台を守るという意識で、乳歯の段階から定期的な歯科検診とケアを続けることが大切です。

まとめ

歯の番号は口の中を「右上・左上・左下・右下」の4エリアに分け、それぞれのエリアで前歯から奥歯に向かって1〜8番を割り振る仕組みになっています。

1〜3番が前歯、4番・5番が小臼歯、6番〜8番が大臼歯という大きな分類で、中でも6番(第一大臼歯)は噛み合わせの中心となる特に重要な歯です。

乳歯は永久歯の1〜8番とは異なりA〜Eのアルファベットで管理されており、A〜Cが乳前歯、D・Eが乳臼歯にあたります。

国際的に使われるFDI方式では2桁の数字で歯を表し、十の位がエリア(右上1・左上2・左下3・右下4)、一の位が前から何番目かを示しています

歯科検診で聞こえる「C1」「C2」などの記号は虫歯の進行度を、「3mm」「5mm」などの数字は歯周ポケットの深さをそれぞれ示しており、いずれも早い段階で対処するほど治療の負担が少なく済みます

歯の番号と検診記号の意味を理解しておくと、歯科医師の説明を正確に把握でき、自分の口腔内の状態を主体的に管理しやすくなります。

歯に関する不安や疑問がある場合は自己判断せず、歯科医師に相談することをおすすめします。

参考文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://kennet.mhlw.go.jp/

[2] 公益社団法人 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.jda.or.jp/park/

[3] 厚生労働省「歯科口腔保健の推進について」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika/index.html

[4] 公益財団法人 8020推進財団「8020運動について」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.8020zaidan.or.jp/

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。