親知らず抜歯の費用相場|難易度別の保険適用料金と総額シミュレーション

「親知らずを抜きたいけど、費用がいくらかかるか不安…」と感じていませんか?

親知らず抜歯の費用は、保険適用(3割負担)の場合、まっすぐ生えた親知らずなら2,000〜3,500円、一部埋まった親知らずなら5,000〜10,000円、横向きや完全埋伏歯では15,000〜25,000円程度(2026年5月時点)が一般的な相場として知られています[1]。

ただし、これは抜歯処置そのものの費用であり、初診料・レントゲン・CT撮影・薬代・抜糸代などの追加費用も総額に加わるため、トータルでいくらかかるかを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

この記事では、親知らず抜歯の保険診療と自費診療の違い、難易度別の費用相場、追加で必要な費用項目、大学病院での費用、費用を抑える方法、よくある質問まで整理してお伝えしますので、抜歯費用が気になる方はぜひ最後までご覧ください。

親知らず抜歯の費用相場|2026年5月時点の目安

親知らず抜歯の費用は、抜歯の難易度や医療機関によって幅広く変動します。

2026年5月時点の一般的な相場として、保険適用(3割負担)の場合、まっすぐ生えた親知らずなら2,000〜3,500円、横向きや完全埋伏歯では15,000〜25,000円程度が目安です[1]。

これに加えて、レントゲン撮影・CT撮影・薬代・抜糸などの追加費用が必要になり、総額は症例によって5,000円〜30,000円程度の幅があります。

加えて、紹介状なしで大学病院を受診すると特定療養費(5,000〜7,000円)が加算され、全身麻酔や入院が必要なケースでは7万〜13万円程度の総額になることもあります。

下の表で、難易度別の費用相場と総額の目安を確認してください。

難易度手術代(3割負担)総額の目安
まっすぐ生えた親知らず約800円2,000〜3,500円
一部埋まった親知らず1,400〜2,100円5,000〜10,000円
完全埋伏歯・水平埋伏智歯3,300〜3,520円15,000〜25,000円
4本まとめて抜歯(保険上限)約24,630円が頭打ち
全身麻酔・入院あり7万〜13万円

ここからは、保険診療と自費診療の違い、難易度別の費用、追加費用、大学病院での費用、費用を抑える方法を順番にお伝えします。

親知らず抜歯の費用は保険適用?保険診療と自費診療の違い

親知らず抜歯は多くのケースで健康保険が適用されますが、状況によっては自費診療となる場合もあります。

「保険適用となる条件」「自費診療となるケース」「保険診療・自費診療の見分け方」の3つを理解しておくと、抜歯前に費用の見通しを立てやすくなります[1]。

保険診療か自費診療かによって費用は大きく変わるため、抜歯前のカウンセリングで歯科医師に確認することが大切です。

加えて、保険適用の場合でも、特殊な麻酔(静脈内鎮静法など)や審美的な要素を追加すると自費分が発生する可能性があるため、見積もりを取っておくのが安心です。

ここからは、3つのポイントを順番に整理してお伝えします。

保険適用となる5つの条件

親知らず抜歯が保険適用となるのは、「治療目的」と認められるケースが中心です。

具体的に保険適用となる条件は、「痛みや腫れがある」「虫歯・歯周病になっている」「周囲の歯を圧迫している」「嚢胞(のうほう)が形成されている」「将来的に重大な病気につながる可能性がある予防的抜歯」の5つに整理できます[1]。

最も典型的なのは、智歯周囲炎(親知らず周辺の歯ぐきの炎症)を繰り返している、虫歯が進行している、隣の歯に悪影響を与えているなど、明らかな症状や問題がある場合です。

加えて、レントゲンやCTで「親知らずが横向きに生えて隣の歯を押している」「歯根吸収が起こりそうな状態」と診断された場合も、予防的に抜歯する必要があれば保険適用となります。

矯正治療のために親知らずを抜く場合は、ケースバイケースで保険適用となることもあり、その判断は歯科医師の診断書や説明によって変わります。

特に、抜歯と歯列矯正の両方を別々に行う場合は、抜歯部分のみ保険適用となり、矯正治療は自費となるパターンが一般的です。

保険適用の場合は3割負担で抜歯処置を受けられるため、まっすぐ生えた親知らずなら手術代800円程度、難抜歯でも3,520円程度(2026年5月時点)と、想像より低コストで済むことが多い傾向です。

ただし、抜歯処置料以外に初診料・再診料・レントゲン・CT・薬代などの費用が別途必要になるため、総額は処置料の数倍程度になります。

「自分の親知らずは保険適用になるか」を確認するためには、抜歯前に歯科医院でカウンセリングを受け、症状・状態・抜歯の目的を歯科医師に伝えることが大切です。

健康保険証を必ず持参して、保険診療として治療を受けられるようにしましょう。

自費診療となるケース|予防的抜歯・審美目的

一方、親知らず抜歯が自費診療となるケースもあります。

代表的なのは、「完全に無症状で予防的に抜きたい」「審美目的のみで抜歯を希望する」「一部の矯正治療目的の抜歯」「静脈内鎮静法を希望する」「全身麻酔下での抜歯を希望する」などのケースです[1]。

完全に無症状で、レントゲンでも周囲への影響が見られない親知らずを「念のために抜きたい」という場合は、保険適用外となる可能性があります。

歯科医師の判断で「現時点では治療の必要性が認められない」とされた場合、保険診療として抜歯を行うことは難しい状況になります。

審美的な理由のみ(フェイスラインを整えたい・小顔効果を期待など)で親知らずを抜く場合も、自費診療となるケースが多い傾向です。

矯正治療目的の抜歯は判断が分かれるところで、矯正治療自体が自費の場合は親知らず抜歯も自費扱いとなり、1本5,000〜15,000円程度の費用が発生することがあります。

加えて、抜歯時の痛みや恐怖感を軽減する「静脈内鎮静法」を希望する場合、保険適用外の処置となり、追加で30,000〜100,000円程度の自費費用がかかります。

全身麻酔下での抜歯は、入院費用も含めて7万〜13万円程度の総額になることが一般的です(2026年5月時点)。

自費診療の費用は歯科医院ごとに自由に設定されているため、抜歯前に詳しい見積もりをもらい、納得した上で治療を進めることが大切です。

「保険診療できないと言われたけど納得できない」という場合は、別の歯科医院でセカンドオピニオンを取ることで、保険適用の可能性を確認できることもあります。

自費診療を選ぶ場合は、医療費控除の対象にもなるため、領収書を保管しておきましょう[2]。

保険診療・自費診療の見分け方

保険診療と自費診療の見分け方は、抜歯の「目的」と「症状の有無」がポイントになります。

最もシンプルな見分け方は、「症状があるか」「医学的な必要性があるか」の2点で判断することです[1]。

痛み・腫れ・炎症・虫歯・歯周病・隣の歯への影響など、何らかの症状や問題がある場合は、治療目的として保険適用となるケースが多い傾向です。

一方、完全に無症状で、レントゲンでも周囲への影響がない場合は、自費診療となる可能性が高くなります。

ただし、「症状がない=自費」と単純に判断できるわけではなく、レントゲンやCTで「将来的にトラブルが起きそう」と判断される場合は、予防的抜歯として保険適用になるケースもあります。

歯科医師の診断によって判断が異なるため、まずカウンセリングで歯科医師に「保険適用になるか」を確認するのが現実的な進め方です。

加えて、抜歯の処置内容が「単純抜歯」「難抜歯」「埋伏歯抜歯」のどれに該当するかも、保険点数(費用)に影響します。

健康保険証を提示しないと、自費(10割負担)の扱いになるため、必ず持参するようにしましょう。

抜歯前に「見積書」をもらえる歯科医院も多く、保険診療か自費診療か、総額はいくらかを書面で確認できるため安心です。

「保険診療できると思っていたのに自費請求された」というトラブルを避けるためにも、事前の確認が大切な準備になります。

セカンドオピニオンを活用して、複数の歯科医院で判断を仰ぐことも、自分の費用負担を適正にする一つの方法です。

公的医療保険の制度は変更されることがあるため、最新の情報は厚生労働省や歯科医師会の公式情報を確認しましょう。

親知らず抜歯の難易度別費用相場|3割負担の場合

親知らず抜歯の費用は、抜歯の難易度によって大きく変動します。

「まっすぐ生えた親知らず(単純抜歯)」「一部埋まった親知らず(埋伏歯)」「完全埋伏歯・水平埋伏智歯(難抜歯)」の3つの難易度に応じて、保険点数と費用が変わる仕組みです[1]。

難易度が高いほど、骨を削ったり歯を分割したりする処置が必要になり、保険点数も高く設定されています。

加えて、難易度が高い症例ではCT撮影が必要になることが多く、検査費用も追加で発生する傾向です。

ここからは、3つの難易度別の費用相場を順番に整理してお伝えします。

まっすぐ生えた親知らず|2,000〜3,500円

まっすぐ生えた親知らずの抜歯は、保険診療の中で最も費用が抑えられる治療内容です。

保険点数は270点(手術代約800円)で、3割負担の場合は約800円が手術代の目安になります[1]。

これに初診料・再診料(500〜1,500円程度)、パノラマレントゲン撮影代(800〜1,500円程度)、麻酔代、抗生物質・痛み止めなどの薬代が加わり、合計で2,000〜3,500円程度が総額の目安です(2026年5月時点)。

抜歯処置にかかる時間は10〜15分程度で、骨を削る必要がなく、ペンチのような器具で歯を掴んで脱臼させる方法で抜けるケースが中心になります。

縫合が必要なケースでは1週間後に抜糸(200〜600円程度)が必要になりますが、まっすぐ生えた親知らずでは縫合しないケースも多く、追加の費用が少なく済む対応です。

抜歯後の痛み・腫れも比較的軽く、回復期間が短いため、仕事や学校を1日休む程度で日常生活に戻れる傾向があります。

「親知らずが普通に生えているけど将来の不安から抜きたい」というケースで、最も負担の少ない費用と回復期間で対応できる治療パターンです。

ただし、保険適用は痛みや炎症など医学的な必要性が認められる場合が中心で、予防的な抜歯を希望する場合は自費診療となる歯科医院もあるため、事前に確認しましょう。

加えて、上顎の親知らずはまっすぐ生えていることが多く、下顎の親知らずよりも費用が抑えられる傾向にあります。

まっすぐ生えた親知らずの抜歯は、費用面でも体への負担面でも取り組みやすい治療内容と言えるでしょう。

一部埋まった親知らず|5,000〜10,000円

歯ぐきから一部だけ出ていて、一部が埋まっている親知らずの抜歯は、中程度の難易度の治療です。

保険点数では「埋伏歯(一部埋伏)」に該当し、保険点数470点(手術代約1,400円)または難抜歯加算(+230点・約700円)が適用されるケースが多く、3割負担で手術代1,400〜2,100円程度が目安になります[1]。

これに初診料・再診料、パノラマレントゲン、必要に応じてCT撮影(3,000〜5,000円程度)、麻酔代、薬代、消毒代、抜糸代などが加わり、総額5,000〜10,000円程度が一般的な相場です(2026年5月時点)。

CT撮影は親知らずの根の形や神経との位置関係を確認するために必要なケースが多く、特に下顎の親知らずでは安全な抜歯のために事前検査として行われる流れになります。

抜歯処置の時間は20〜40分程度で、歯ぐきを切開して埋まった部分を露出させ、必要に応じて歯を分割して取り出す方法が使われる対応です。

縫合が必要なケースが多く、1週間後の抜糸で通院することが一般的な経過になります。

抜歯後の痛みは2〜3日ピークで、腫れも頬まで及ぶことが多いため、仕事や学校を2〜3日休む計画を立てるのが現実的でしょう。

「親知らずが半分だけ出ている」「歯ぐきに食い込んでいて掃除しにくい」というケースで、抜歯が現実的な対応になる治療内容として知られています。

加えて、智歯周囲炎を繰り返している方は、炎症を抗生物質で抑えた後に抜歯を計画するため、抗生物質代も初回診察時に発生することがあります。

一部埋まった親知らずは、難易度がやや高い分、費用と回復期間も多めに見積もる必要があります。

完全埋伏歯・水平埋伏智歯|15,000〜25,000円

完全に骨の中に埋まった親知らずや、横向きに生えた水平埋伏智歯の抜歯は、最も難易度が高い治療内容です。

保険点数では「完全埋伏歯(骨性)」「水平埋伏智歯」に該当し、保険点数1,080点(手術代約3,300円)または1,174点(約3,520円)が適用され、3割負担で手術代3,300〜3,520円程度が目安です[1]。

これに初診料・再診料、パノラマレントゲン、CT撮影(必要不可欠)、麻酔代、薬代、消毒代、抜糸代などが加わり、総額15,000〜25,000円程度が一般的な相場になります(2026年5月時点)。

加えて、下顎完全埋伏智歯(骨性)または下顎水平埋伏智歯に該当する場合は、+130点(約400円)の加算があるケースもあります[1]。

抜歯処置の時間は40〜60分以上かかることが多く、歯ぐきを大きく切開し、骨を削って親知らずを露出させ、歯を複数に分割して取り出す高度な技術が必要です。

CT撮影で下歯槽神経(下顎の中を走る大きな神経)との位置関係を慎重に確認した上で、神経損傷を避けながら抜歯する判断が大切なポイントになります。

抜歯後の痛み・腫れは大きく、頬まで腫れて口が開けにくくなり、痛みのピークは2〜3日続いて1週間程度で落ち着く経過です。

仕事や学校は3日〜1週間程度休む計画が現実的で、特に下顎の水平埋伏智歯では1週間ほど影響が残るケースもあります。

歯科口腔外科専門医や大学病院での抜歯が推奨されるケースが多く、安全性を重視した治療体制での対応が安心です。

費用面では、4本まとめて抜歯した場合の保険点数には上限があり、概算約24,630円(3割負担)で頭打ちになるため、複数本ある場合はまとめて抜くと総額を抑えられる場合もあります。

完全埋伏歯・横向きの親知らずは、高度な技術と慎重な判断が求められる治療内容で、費用も最も大きくなります。

抜歯費用に追加で必要な3つの費用項目

親知らず抜歯の総額には、抜歯処置料以外にも複数の費用項目が加わります。

「初診料・再診料」「レントゲン・CT撮影費用」「麻酔代・薬代・抜糸代」が、抜歯費用の総額を構成する主な追加費用項目です[1]。

これらは抜歯当日だけでなく、抜歯前のカウンセリングや抜歯後の通院でも発生するため、トータルの費用感を把握するためには事前に把握しておくことが大切です。

加えて、追加費用は症例や処置内容によって変動するため、抜歯前に歯科医院で見積もりを取っておくと安心です。

ここからは、3つの追加費用項目を順番に整理してお伝えします。

初診料・再診料|500〜1,500円

抜歯費用の総額に必ず加わるのが、初診料と再診料です。

初診料は、初めてその歯科医院を受診する時に発生する費用で、保険3割負担で約900〜1,500円程度が目安になります(2026年5月時点)[1]。

再診料は、2回目以降の受診時に発生する費用で、保険3割負担で約400〜600円程度が一般的な金額です。

親知らず抜歯では、初診時のカウンセリング・診断、抜歯日、抜歯後の経過観察・消毒、抜糸の少なくとも3〜4回の通院が必要なため、再診料が複数回発生する流れになります。

加えて、2023年4月からマイナンバーカードを利用したオンライン資格確認システムが導入されており、システムが導入されているクリニックとそうでないクリニックでは初診・再診料がわずかに異なる場合があります。

「同じ歯科医院に過去3か月以内に通院していた」場合は再診料、それ以上の期間が空いていると初診料が再度発生することがあるため、通院の間隔も費用に影響します。

抜歯後、合併症(ドライソケット・術後感染など)が起こって追加の通院が必要になった場合、その都度再診料が発生します。

紹介状を持って大学病院や歯科口腔外科専門医のいる医療機関を受診する場合は、紹介元の歯科医院で紹介状代(1,000〜2,000円程度)が別途必要になることもあります。

加えて、紹介状なしで大学病院を受診すると、特定療養費(5,000〜7,000円程度)が初診料に加算されるため、紹介状を持参するほうが費用を抑えられる傾向です。

初診料と再診料は1回1回は少額ですが、複数回の通院で積み重なるため、総額の中で意外と大きな割合を占める費用項目です。

歯科医院の選定時には、診察料の体系も含めて比較することで、トータルの費用を抑えやすくなります。

レントゲン・CT撮影費用|800〜5,000円

抜歯前の検査として、レントゲン撮影とCT撮影の費用が加わります。

パノラマレントゲン撮影は、口の中全体を1枚の画像で確認できる基本的な検査で、保険3割負担で約800〜1,500円程度が目安になります[1]。

親知らずの位置・向き・隣の歯との関係・骨の状態などをパノラマレントゲンで確認することで、抜歯計画を立てる際の基礎的な情報を得られます。

ただし、パノラマレントゲンは2次元画像のため、親知らずと下歯槽神経の正確な位置関係や、骨の厚みなどを立体的に確認することができません。

そこで、難症例(横向き・水平埋伏智歯・神経に近接した親知らず)の場合は、CT撮影が追加で行われます。

CT撮影は3次元画像で親知らずの位置を正確に把握できる検査で、保険3割負担で約3,000〜5,000円程度の費用が発生します。

CT撮影は、神経損傷のリスクを抑え、安全な抜歯計画を立てるために必要な検査として位置づけられているため、難症例では不可欠な検査です。

「CTは保険適用されるのか」と心配する方もいますが、抜歯の難易度やリスク回避のために必要と判断されれば保険適用が可能です。

不要な自費請求を避けるため、CT撮影が必要とされる理由を歯科医師に確認することが大切です。

加えて、CT完備のクリニックでは設備使用料が含まれるため、CTのない一般歯科で抜歯を予定して、検査のためだけに別の医療機関に行く場合は、追加で初診料が発生することもあります。

「CTが必要だがクリニックにない」と言われた場合は、紹介状を書いてもらってCT完備の医療機関で検査だけ受けるか、抜歯ごと専門医療機関で受ける選択肢があります。

レントゲン・CT撮影は、抜歯の安全性を確保するために欠かせない費用で、特に難症例では総額の中で大きな比率を占める項目です。

麻酔代・薬代・抜糸代|200〜1,500円

抜歯当日と抜歯後にかかる、麻酔代・薬代・抜糸代も追加費用に含まれます。

通常の局所麻酔は抜歯処置料に含まれていることが多いため、別途請求されないケースが一般的です[1]。

ただし、特殊な麻酔(静脈内鎮静法・全身麻酔)を希望する場合は、自費で追加費用が発生します。

静脈内鎮静法は、点滴で軽い眠気を伴う状態にする麻酔法で、自費で30,000〜100,000円程度が一般的な相場です(2026年5月時点)。

全身麻酔は完全に意識をなくす麻酔法で、大学病院や口腔外科で行われ、入院費を含めて7万〜13万円程度の費用がかかるケースが多い傾向です。

抜歯後に処方される薬代も総額に含まれる費用項目で、痛み止め(ロキソプロフェン・アセトアミノフェンなど)と抗生物質(セフェム系・ペニシリン系など)が処方されるのが一般的です。

薬代は処方される薬の種類や日数によって変動しますが、3割負担で500〜1,500円程度が目安になります。

加えて、抜歯後に消毒のために通院した際の消毒費用が400〜500円程度発生することがあります。

縫合した場合は、抜歯後7〜10日に抜糸が必要になり、抜糸代は3割負担で200〜600円程度が一般的です。

「吸収性縫合糸(溶ける糸)」を使用した場合は抜糸不要で、自然に糸が分解されるため、追加の費用が発生しません。

加えて、痛みや腫れがひどい場合に追加で薬を処方される、合併症で追加治療が必要になるなど、想定外の追加費用が発生する可能性もあります。

抜歯前のカウンセリングで「総額の見積もり」をもらうことで、追加費用も含めたトータル費用をイメージしやすくなります。

麻酔代・薬代・抜糸代は1つ1つは少額でも積み重なると意外と大きくなるため、事前に把握しておくと安心です。

大学病院での親知らず抜歯費用と一般歯科との違い

親知らず抜歯は一般歯科でも大学病院でも受けられますが、費用と治療体制に違いがあります。

「大学病院で抜歯するケース」「紹介状の必要性と特定療養費」「大学病院での費用相場と入院費」の3つを理解しておくと、自分に適した医療機関を選びやすくなります[1]。

難症例や全身麻酔を希望する場合は大学病院での抜歯が必要になることもあり、費用が一般歯科より高くなる可能性があります。

加えて、大学病院での抜歯は予約待ちが長くなることもあるため、時間的な余裕も考慮した医療機関選びが大切です。

ここからは、3つのポイントを順番に整理してお伝えします。

大学病院で抜歯するケース|難症例・全身麻酔希望

大学病院で親知らず抜歯を受けるケースには、いくつかの典型的なパターンがあります。

最も多いのは、一般歯科で抜歯が困難と判断された難症例で、紹介状を持って大学病院の歯科口腔外科を受診するケースです[1]。

具体的には、「親知らずが下歯槽神経に非常に近接している」「水平埋伏智歯で骨を大きく削る必要がある」「上顎洞穿孔のリスクが高い」「複雑な根の形をしている」などの症例が該当します。

加えて、抜歯時の不安や恐怖感が強い方は、静脈内鎮静法や全身麻酔を希望して大学病院を選ぶケースも見られます。

複数本を1日でまとめて抜歯したい方や、過去に抜歯トラブルを経験した方も、安全性を重視して大学病院を選ぶ傾向です。

加えて、糖尿病・心疾患・抗血栓薬服用中など、全身管理が必要な持病がある方も、大学病院での抜歯が推奨される対象になります。

大学病院では、口腔外科専門医・麻酔科専門医・看護師などのチーム医療体制が整っているため、難症例でも安全に対応できる点が大きなメリットです。

加えて、CT撮影・マイクロスコープ・手術室など最新設備が完備されており、複雑な症例にも対応できる環境が整っています。

ただし、大学病院は予約待ちが長くなることが多く、初診から抜歯日まで数週間〜数か月かかるケースも珍しくありません。

緊急性が高い場合は、口腔外科専門医が在籍する一般の歯科クリニックを検討するのも一つの選び方です。

一般歯科のかかりつけ医に相談すると、自分の症例に適した医療機関を紹介してもらえる流れになります。

「自分の親知らずが大学病院での抜歯が必要かどうか」を判断するには、まず一般歯科でレントゲンやCT検査を受けて、歯科医師の見解を聞くのが現実的なステップです。

紹介状の必要性と特定療養費

大学病院での親知らず抜歯では、紹介状の有無が費用に大きく影響します。

紹介状なしで大学病院を初診で受診すると、「初診時特定療養費(選定療養費)」として5,000〜7,000円程度の自費費用が加算されます[1]。

これは2024年10月以降、200床以上の地域医療支援病院や紹介受診重点医療機関で義務化された制度で、初診時のみ徴収される費用です。

紹介状を持参すれば特定療養費は不要となり、通常の初診料のみで受診できるため、費用を抑えるためには紹介状を取得しておくのが望ましい流れです。

紹介状は、かかりつけの一般歯科や近所の歯科医院で発行してもらえます。

紹介状の発行費用は3割負担で約750円程度(2026年5月時点)と特定療養費よりはるかに安いため、紹介状を経由することで数千円の節約になります。

加えて、紹介状にはこれまでの治療経過・レントゲン情報・抜歯の必要性などが記載されているため、大学病院での診察がスムーズに進む利点もあります。

「どうしても紹介状なしで受診したい」という場合は、特定療養費が発生することを理解した上で受診しましょう。

ただし、緊急性が高い場合(急性炎症・激しい痛み・大きな腫れなど)は、紹介状なしでも特定療養費が免除されるケースもあるため、症状を伝えて相談することが大切です。

大学病院から一般歯科に「逆紹介」となるケースもあり、抜歯後の経過観察は元のかかりつけ歯科で続けるパターンが一般的です。

加えて、再診時にも紹介状なしの場合は再診時特定療養費(2,500円程度)が発生する医療機関もあるため、初診時だけでなく継続受診の費用も確認しておきましょう。

紹介状システムを上手に活用することで、安全な治療を受けながら費用も抑えられます。

大学病院での費用相場と入院費

大学病院での親知らず抜歯費用は、抜歯方法や麻酔の種類によって幅広く変動します。

通常の局所麻酔下での抜歯は、一般歯科と同じく保険診療が適用され、3割負担で難症例の場合15,000〜25,000円程度(2026年5月時点)が目安になります[1]。

ただし、紹介状なしで受診すると特定療養費が加算され、CT撮影や追加検査が必要な場合は別途費用が発生する流れです。

静脈内鎮静法を使用する場合は、保険適用外の処置として30,000〜100,000円程度の自費が追加されます。

全身麻酔下での抜歯は、最も費用がかかる選択で、保険3割負担で約24,000円程度(血液検査料込)の麻酔費用が発生します[1]。

これに加えて、抜歯処置代・入院費・薬剤費などが必要になり、入院日数によって総額が変わります。

入院費用は1泊あたり1万〜2万円程度が一般的で、術後の経過観察のため1〜3日入院するケースが多い傾向です。

全身麻酔下での親知らず抜歯の総額は、入院日数によって7万〜13万円前後となるケースが報告されています。

加えて、術前の血液検査・心電図・呼吸機能検査などの全身管理に関わる検査費用も加算されます。

「4本同日抜歯を全身麻酔で行う」という方は、ライフプラン的に時間と費用を確保できるタイミングを選ぶことが大切です。

加えて、大学病院での治療費は領収書を保管しておくと、医療費控除の対象となるため、年末調整や確定申告で活用できます[2]。

健康保険組合によっては「高額療養費制度」が適用される可能性もあり、1か月の医療費が一定額(自己負担限度額)を超えた場合は還付されます。

大学病院での抜歯は費用が高めになる傾向ですが、難症例の安全性を考えると現実的な選択肢の一つです。

親知らず抜歯の費用を抑える3つの方法

親知らず抜歯は基本的に保険適用される治療ですが、追加費用や合併症のリスクで予想以上の出費になることもあります。

「医療費控除を活用する」「複数本まとめて抜歯する」「デンタルローン・分割払いを利用する」の3つが、抜歯費用の負担を抑える主な方法です[2]。

これらは特別な手続きや費用が必要ない実用的な節約方法で、抜歯を検討し始めた段階から意識すると効果的です。

加えて、合併症(ドライソケット・術後感染など)を防ぐことで再治療費を抑えられるため、抜歯後のケアを徹底することも費用節約につながります。

ここからは、3つの方法を順番に整理してお伝えします。

医療費控除を活用する

抜歯費用の負担を抑える最も基本的な方法は、医療費控除を活用することです。

医療費控除は、1月1日〜12月31日の1年間に支払った医療費が10万円(または所得の5%)を超えた場合に、確定申告で税金の一部が還付される制度です[2]。

親知らず抜歯費用は、保険診療・自費診療を問わず治療目的であれば医療費控除の対象となるため、抜歯費用が高額になった場合に活用できる制度になります。

医療費控除の対象には、抜歯処置料・CT撮影費用・薬代・通院交通費(公共交通機関利用時)・診断書代などが含まれます。

加えて、生計を一にする家族(配偶者・子ども・親)の医療費もまとめて合算できるため、世帯全体で医療費を集計することで控除額を増やせる仕組みです。

例えば、年収500万円(所得税率20%)の方が、家族全体で年間30万円の医療費を支払った場合、約4万円(30万円−10万円=20万円×20%)の還付が期待できる試算になります。

矯正目的の親知らず抜歯(自費診療)も、機能回復を目的とした治療と認められれば医療費控除の対象となります。

ただし、美容目的のみの治療は対象外となるため、抜歯の目的を明確にしておくことが大切です。

確定申告は治療を受けた年の翌年2〜3月に行うため、領収書・医療費通知などを年間を通じて保管する習慣をつけましょう。

近年は国税庁の「e-Tax」を使えばスマホからでも申告でき、自宅で確定申告を完了させられる便利な仕組みが整っています。

加えて、医療費控除の集計には、健康保険組合から送られてくる「医療費のお知らせ」を活用すると、領収書の整理が楽になります。

医療費控除を活用することで、実質的な抜歯費用の負担を軽減できる実用的な方法です。

複数本まとめて抜歯する|保険点数の上限

費用を抑える二つ目の方法は、複数本の親知らずを同時に抜歯することです。

保険診療の親知らず抜歯には、1日あたりの保険点数に上限が設けられており、4本まとめて抜歯した場合の概算が約24,630円(3割負担)で頭打ちになる仕組みです[1]。

これは、1本ずつ複数日に分けて抜くより、まとめて処置したほうが総額を抑えられる場合もある制度設計と言えます。

加えて、初診料・再診料・レントゲン・CT撮影料なども、1日にまとめて行うことで重複費用を抑えられる可能性があります。

ただし、すべての症例で複数本同時抜歯が適しているわけではなく、抜歯難易度・体への負担・回復期間を考慮した上で歯科医師と相談する必要があります。

2本同時抜歯は左右1本ずつや上下1本ずつで可能なケースが多く、片側の上下を同時に抜くと食事や生活への影響が片側で済む利点もあります。

4本同時抜歯は体への負担が大きいため、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用するケースが多く、その場合は別途自費費用が発生します。

「1本ずつ抜くか、まとめて抜くか」の判断は、抜歯難易度・本人の体力・スケジュール・予算を総合的に考えて決めましょう。

時間的余裕がある方は、1本ずつ慎重に抜くほうが体への負担が少ない選択になります。

時間的制約がある方や、すべての親知らずを早く片付けたい方は、まとめて抜歯することで通院回数と総合的な費用を抑えられる流れです。

加えて、同時抜歯することで、抜歯後の合併症リスクが両側に及ぶ可能性もあるため、術後ケアを十分に整えてから処置を受けることが大切です。

歯科医院によって複数本同時抜歯に対応していない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

デンタルローン・分割払いを利用する

費用を抑える三つ目の方法は、デンタルローンや分割払いを利用して月々の負担を軽減することです。

デンタルローンは歯科治療向けの分割払い制度で、信販会社(オリエントコーポレーション、ジャックス、アプラスなど)が歯科医院と提携して提供している金融サービスです[1]。

保険診療の親知らず抜歯費用は1〜3万円程度のため、デンタルローンを使うほどではない金額ですが、静脈内鎮静法(30,000〜100,000円)や全身麻酔下での抜歯(7万〜13万円)の場合は、分割払いが有効な手段になります。

加えて、矯正治療と組み合わせた親知らず抜歯では、矯正費用と合わせて総額が大きくなるため、分割払いの活用で月々の負担を抑えられます。

金利は信販会社や歯科医院との提携内容によって異なりますが、年率4%〜10%程度が一般的で、銀行のフリーローン(年率5〜15%)と比べると低めの設定が多い傾向です。

クレジットカードの分割払い・リボ払いも一つの選択肢で、ポイント還元の特典を活かせる利点がある一方、リボ払いは金利が高め(年率15%前後)になる点に注意が必要です。

歯科医院によっては独自の分割払い制度(金利なしの院内分割)を設けているところもあり、初診時に支払い方法をカウンセラーに確認しましょう。

例えば自費10万円の親知らず抜歯を12回払いで利用する場合、月々の負担は約9,000円程度(金利含む)に抑えられ、家計への影響を最小限にする工夫が可能です。

ローンを組む際は、総支払額(元金+金利)を確認し、無理のない返済計画を立てることが大切です。

加えて、健康保険組合によっては「医療費の付加給付」制度を設けており、自己負担分の一部が払い戻される場合があるため、加入している組合に確認するのも一つの方法です。

デンタルローンや分割払いを上手に活用することで、抜歯のハードルを下げて取り入れやすくする現実的な方法になります。

親知らず抜歯費用に関するよくある質問

Q:4本まとめて抜歯するといくら?

4本まとめて抜歯した場合の費用は、保険適用(3割負担)で概算約24,630円が頭打ちの目安です[1]。

これは保険診療の点数に上限が設けられているためで、1本ずつ複数日に分けて抜くより総額を抑えられる場合があります。

ただし、4本同時抜歯は体への負担が大きいため、静脈内鎮静法(自費30,000〜100,000円)や全身麻酔(自費70,000〜130,000円)の併用が一般的で、合計すると10万〜15万円程度の総額になることもあります。

抜歯難易度や麻酔の種類によって変動するため、抜歯前に歯科医院で見積もりを取って確認しましょう。

Q:矯正目的の抜歯は保険適用?

矯正治療目的の親知らず抜歯は、ケースによって保険適用と自費の判断が分かれます[1]。

矯正治療そのものが自費の場合、親知らず抜歯も自費扱いとなることが多く、1本5,000〜15,000円程度の費用が発生する傾向です。

ただし、虫歯や歯周病など医学的な理由が併存している場合は、抜歯部分のみ保険適用となるケースもあります。

矯正歯科と一般歯科が連携している医療機関では、抜歯のみ別の保険診療として行うパターンもあるため、事前に確認するのが望ましいでしょう。

Q:保険証なしでもいいですか?

健康保険証なしでも抜歯は受けられますが、費用は全額自己負担(10割負担)となります[1]。

保険3割負担で約3,520円の手術代が、保険証なしでは約11,740円となり、追加費用も全て10割で支払う必要があります。

総額では、保険適用時の3倍以上の費用がかかるため、健康保険証は必ず持参しましょう。

転職や引っ越しで保険証が手元にない場合は、職場や市区町村役場で再発行の手続きを進め、保険証が手に入ってから抜歯日を予約するのが現実的な選択です。

Q:医療費控除はいくら戻ってくる?

医療費控除の還付金額は、年間の医療費総額と所得税率によって変わります[2]。

例えば年収500万円(所得税率20%)の方が、家族全体で年間30万円の医療費を支払った場合、約4万円(30万円−10万円=20万円×20%)の還付が期待できる試算です。

抜歯費用・CT撮影・薬代・通院交通費(公共交通機関)も合算できるため、領収書を保管しておきましょう。

確定申告は治療を受けた年の翌年2〜3月に行い、e-Taxを使えばスマホからでも申告できる便利な仕組みが整っています。

まとめ|親知らず抜歯費用は難易度と追加費用で総額が決まる

親知らず抜歯の費用は、抜歯難易度・保険診療か自費診療か・追加費用の有無によって、総額が大きく変動する治療です。

保険適用(3割負担)の場合、まっすぐ生えた親知らずなら2,000〜3,500円、一部埋まった親知らずなら5,000〜10,000円、完全埋伏歯・水平埋伏智歯では15,000〜25,000円程度(2026年5月時点)が一般的な相場として知られています[1]。

抜歯処置料以外に「初診料・再診料(500〜1,500円)」「レントゲン・CT撮影費用(800〜5,000円)」「麻酔代・薬代・抜糸代(200〜1,500円)」が追加で必要となるため、トータル費用を事前にシミュレーションしておきましょう。

大学病院での抜歯は、紹介状なしで受診すると特定療養費(5,000〜7,000円)が加算され、全身麻酔・入院を伴う場合は7万〜13万円程度の総額になることもあります。

費用を抑える3つの方法は「医療費控除を活用する」「複数本まとめて抜歯する」「デンタルローン・分割払いを利用する」で、これらを組み合わせることで負担を軽減できます[2]。

加えて、合併症(ドライソケット・術後感染など)を防ぐことで再治療費を抑えられるため、抜歯後のケアを徹底することも長期的な費用節約につながります[3]。

親知らず抜歯費用は事前の情報収集と適切な医療機関選びで予算内に収められるため、信頼できる歯科医師と相談しながら、納得のいく治療を進めていきましょう。

参考文献

[1] 公益社団法人日本口腔外科学会「親知らず」(最終閲覧日:2026年5月23日)

https://www.jsoms.or.jp/public/disease/oyashirazu/

[2] 厚生労働省「医療費控除について」(最終閲覧日:2026年5月23日)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhi_kojo.html

[3] 公益社団法人神奈川県歯科医師会「親知らずは必ず抜かなきゃダメ? 抜歯したほうがよい場合とその理由」(最終閲覧日:2026年5月23日)

https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/29827/

※本記事の内容は2026年5月時点の情報を基にした一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

※費用情報・治療内容・保険適用条件は2026年5月時点のものであり、医療機関や症例によって異なる場合があります。最新情報は各医療機関に直接ご確認ください。

※保険診療の点数は2年に1度改定があり、負担額が変わることがあります。

※自己判断は避け、親知らずの抜歯を検討する際は、歯科医院や歯科口腔外科などの医療機関でご相談ください。