歯ぎしりの原因とは?ストレスや噛み合わせなど主な要因を解説

おしゃぶりを使っていると、赤ちゃんの歯並びは悪くなってしまうのでしょうか。
おしゃぶりは、2歳前後までにやめられれば歯並びへの影響は出にくく、多くの場合は成長とともに改善しやすいと考えられています。
一方で、2歳を過ぎても長い時間・長い期間使い続けると、出っ歯や開咬といったかみ合わせの変化が起こりやすくなる点には注意が必要です。
この記事では、おしゃぶりが歯並びに与える影響、やめる時期の目安、影響を抑える選び方、無理のないやめさせ方まで、公的機関の情報をもとにやさしく整理します。
おしゃぶりは歯並びに影響する?
おしゃぶりが歯並びに影響するかどうかは、使う時期と期間によって変わります。
赤ちゃんのうちに短い時間だけ使う場合は、歯並びへの影響はほとんど心配いりません。
影響が出やすくなるのは、乳歯がそろってくる2歳前後から長く使い続けたときです。
「このまま使い続けて大丈夫かな」と不安になる保護者の方も多いはずです。
まずは、時期ごとの影響の出やすさから確認していきましょう。
赤ちゃんのうちは歯並びへの影響が出にくい
0歳から1歳前半の赤ちゃんがおしゃぶりを使っても、歯並びへの影響はほとんど出ません。
この時期はまだ乳歯が生えそろっておらず、吸う動作の力が歯並びに残りにくいためです。
赤ちゃんにとって「吸う」ことは、母乳やミルクを飲むための自然な動きでもあります。
上下の前歯が生えそろう前の時期であれば、短い時間の使用でかみ合わせが変わってしまうケースはまれだと考えられています。
寝つくときや外出先でぐずったときに使う程度なら、過度に心配しなくてよい時期といえます。
赤ちゃんのうちは、おしゃぶりを使うこと自体に神経質になりすぎなくても大丈夫だと感じられるでしょう。
2歳以降も続けると影響が出やすくなる
2歳を過ぎてもおしゃぶりを長く使い続けると、歯並びやかみ合わせに影響が出やすくなります。
乳歯の奥歯がかみ合ってくる2歳前後から、吸う力による変化が少しずつあらわれてくるためです[1]。
具体的には、上の前歯が前に傾く出っ歯(上顎前突)や、奥歯を噛み合わせても上下の前歯の間にすき間が残る開咬といった状態が見られることがあります。
使う時間が長い子ほど、こうした変化が強くなりやすい傾向も指摘されています。
特に、日中も長い時間くわえたままにしている場合は、影響が出やすいと考えられています。
2歳を過ぎたあたりを一つの区切りとして、使う頻度や時間を少しずつ見直しておくと安心につながるでしょう。
使用の期間と時間が長いほど影響が強まりやすい
おしゃぶりの影響は、使い始めた月齢よりも「どれだけ長く使ったか」で大きく変わります。
歯は小さな力でも長い時間くり返し加わると、少しずつ動いてしまう性質があるためです。
一日中くわえている状態が続くほど、前歯や上あごにかかる力の合計が増えていきます。
寝るときだけ短時間使う子と、日中もずっとくわえている子では、歯並びへの影響の出方に差が出やすいといえます。
同じ月齢でも、使い方しだいで影響が変わってくるということです。
使う時間と場面を意識して減らしていけば、影響のリスクは抑えやすくなると考えられます。
おしゃぶりで起こりやすい歯並び・かみ合わせの変化
おしゃぶりの長い使用で気になるのが、歯並びやかみ合わせの変化です。
代表的なものには、出っ歯や開咬、交叉咬合といった状態があります[1]。
どれも「不正咬合」と呼ばれる、かみ合わせのずれの一種です。
言葉だけ見ると不安に感じるかもしれませんが、早めに気づいて対応すれば心配しすぎる必要はありません。
ここからは、それぞれがどのような状態なのかを見ていきましょう。
出っ歯(上顎前突)
おしゃぶりの影響でまず起こりやすいのが、上の前歯が前に出る「出っ歯(上顎前突)」です。
おしゃぶりを吸うとき、上の前歯には前へ押し出す力が、下の前歯には内側へ倒す力が加わるためです。
前歯が前方に傾くと、口を閉じにくくなったり、笑ったときに前歯が目立ちやすくなったりします。
上下の前歯のすき間が大きくなると、上顎前突と呼ばれる状態に近づきます。
見た目だけでなく、前歯で食べ物をかみ切りにくいと感じる場面が出てくることもあります。
前歯の傾きが気になり始めたら、早めに歯科医院で相談しておくと安心して見守れるでしょう。
開咬(かいこう)
おしゃぶりの使用で特に見られやすいのが、奥歯を噛み合わせても前歯がかみ合わない「開咬」です。
くわえたおしゃぶりが上下の前歯の間にとどまり、前歯がそろってかみ合いにくくなるためです。
開咬になると、前歯で麺やハンバーガーなどをかみ切りづらくなります。
サ行やタ行の発音が不明瞭になり、話しづらさを感じるケースもあります。
前歯のすき間に舌を入れる癖がつくと、開咬が続きやすくなることもあります。
前歯のすき間に気づくと心配になりますが、乳歯の時期であれば改善しやすいと考えて大丈夫です。
交叉咬合(こうさこうごう)
おしゃぶりを片側で吸う癖があると、上下の奥歯が横にずれる「交叉咬合」が起こることがあります。
吸う力で歯並びの横幅が狭くなったり、あごの位置が左右にずれたりするためです。
片側だけでおしゃぶりをくわえる習慣があると、より起こりやすいと考えられています。
交叉咬合になると、かむたびにあごの関節へ負担がかかりやすくなります。
左右のバランスがずれることで、上あごの歯並びが狭くなる歯列狭窄につながることもあります。
奥歯のかみ合わせのずれは気づきにくいため、乳幼児健診などで相談しておくとよいでしょう。
歯列の幅が狭くなる歯列狭窄
おしゃぶりを強い力で長く吸い続けると、上あごの歯並びの幅が狭くなる「歯列狭窄」が起こることがあります。
吸うときに頬が内側へ歯並びを押し、上あごのアーチが狭まりやすくなるためです。
上あごは成長の途中でやわらかく、外からの力の影響を受けやすい時期でもあります。
歯並びの幅が狭くなると、永久歯が生えるスペースが足りなくなることがあります。
その結果、永久歯がデコボコに並ぶ叢生(そうせい)につながる場合もみられます。
乳歯のうちにおしゃぶりを卒業できれば、こうした影響は抑えやすいと考えられます。
おしゃぶりが歯並びに影響する仕組み
おしゃぶりが歯並びを動かすのは、口の中で小さな力がくり返しかかるためです。
歯やあごの骨は、成長の途中でやわらかく、外からの力に反応しやすい状態にあります。
「ただくわえているだけで歯が動くの」と不思議に思う保護者の方もいるでしょう。
弱い力でも長い時間続くと、歯並びは少しずつ変わっていきます。
ここでは、その仕組みを2つの視点から見ていきましょう。
前歯や上あごに吸う力が加わるため
おしゃぶりが歯並びに影響する一番の理由は、吸う動作で前歯や上あごに力が加わるためです。
おしゃぶりをくわえると、乳首の部分が上の前歯や上あごの裏に当たり、そこに前へ押し出す力がかかります。
同時に、吸うときには頬が内側へ縮み、歯並びの横幅を狭める方向にも力がはたらきます。
一回ごとの力は弱くても、一日に何度もくり返されると、その積み重ねが歯を動かしていきます。
前歯が前に傾いたり、上あごのアーチが狭くなったりするのは、この力が長く続いた結果と考えられます。
歯にかかる力を減らすには、くわえている時間そのものを短くしていくことが大切だといえます。
口が開いて口呼吸につながることもある
おしゃぶりを長く使う習慣は、口が開いたままになる口呼吸につながることがあります。
くわえている間は舌が下がりやすく、口を閉じる筋肉が育ちにくくなるためです。
口が開いた状態が続くと、上の前歯が前に出やすくなり、かみ合わせにも影響しやすくなります。
口で息をする癖がつくと、口の中が乾いてむし歯や歯ぐきのトラブルが起きやすいとも指摘されています。
日中は鼻で呼吸できているか、口がぽかんと開いていないかを、ときどき見てあげると安心です。
口を閉じて過ごせる時間を増やすことが、歯並びと口の健康の両方を守ることにつながるでしょう。
おしゃぶりは何歳・いつまでにやめるべき?
おしゃぶりをいつまで使ってよいかは、多くの保護者の方が気になるところです。
歯並びへの影響を抑えるには、乳歯が生えそろう2歳前後を一つの目安に卒業を考えるとよいとされています。
「まだ手放せないけれど大丈夫かな」と焦ってしまうこともありますよね。
急にやめさせる必要はなく、少しずつ回数を減らしていく進め方が現実的です。
ここからは、やめる時期の目安と、無理のない減らし方を整理します。
乳歯が生えそろう2歳前後が一つの目安
おしゃぶりは、乳歯が生えそろってくる2歳前後を目安に卒業を目指すと安心です。
このころから奥歯がかみ合い始め、吸う力の影響が歯並びにあらわれやすくなるためです。
1歳半ごろになると奥歯が生えてきて、口の動きは「吸う」から「かむ」へと移っていきます。
かむ動きが増える時期に入ったら、おしゃぶりの出番を少しずつ減らしていくのが一つの流れです。
遅くとも2歳半ごろまでに手放せると、歯並びへの影響は残りにくいと考えられています。
まずは「2歳ごろに向けて減らしていく」と決めておくと、進め方の見通しが立てやすいでしょう。
早めにやめれば歯並びは改善しやすい
おしゃぶりの影響で歯並びが変わっても、早い時期にやめれば自然に戻りやすいと考えられています。
乳歯の時期は歯やあごが成長を続けているため、力がかからなくなれば元の位置に戻ろうとするためです。
1歳半や2歳の時点で少し前歯のすき間が見られても、卒業後に改善していくケースは少なくありません。
反対に、永久歯が生え始める時期まで使い続けると、影響が残りやすくなるとされています[1]。
大切なのは、気づいた時点で使う時間を減らし、卒業に向けて動き出すことです。
「もう遅いかも」と思ったときでも、今から減らすことで改善が期待できると考えて大丈夫です。
1歳半ごろから少しずつ減らしていく
おしゃぶりの卒業は、1歳半ごろから少しずつ使う時間を減らしていく進め方が無理をしにくい方法です。
急に取り上げると赤ちゃんが不安になり、かえって指しゃぶりへ移ってしまうことがあるためです。
まずは日中の使用から減らし、寝るときだけに絞っていくと、変化をゆるやかにできます。
外遊びや絵本の読み聞かせでおしゃぶり以外に興味を向けると、自然と回数が減っていくこともあります。
数分でも使わずに過ごせたら、その都度ほめてあげることが次につながります。
焦らず段階を踏んでいけば、親子ともに負担の少ない形で卒業に近づけるでしょう。
おしゃぶりと指しゃぶり、歯並びへの影響はどう違う?
おしゃぶりと指しゃぶりは、どちらも「吸う」動作によって歯並びへ影響することがある点で共通しています。
一方で、歯やあごを押す力の強さや、癖として残りやすいかどうかには、はっきりとした違いがみられます。
我が子が両方ともしていると、「結局どちらのほうが歯並びに良くないのだろう」と迷ってしまう保護者の方も多いはずです。
この違いを知っておくと、無理にどちらもやめさせようと焦らずに、赤ちゃんに合った向き合い方を選びやすくなります。
まずは、力のかかり方の違いから順番に整理していきましょう。
指しゃぶりのほうが力が強く癖が残りやすい
歯並びへの影響という点では、おしゃぶりよりも指しゃぶりのほうが強く出やすいと考えられています。
指はおしゃぶりのゴムやシリコンよりも硬く、前歯や上あごを直接押すため、加わる力が大きくなりやすいためです。
しかも指しゃぶりは、眠るときや不安なときに無意識であらわれる行動として、本人も気づかないまま長く続きやすい特徴があります。
3歳や4歳を過ぎても指しゃぶりが残ると、上の前歯が前に傾いたまま固定され、出っ歯や前歯のすき間が目立ちやすくなるとされています。
一日のうち吸っている時間が長い子ほど、こうした変化がはっきりあらわれる傾向もみられます。
指しゃぶりが長引いて歯並びが気になるときは、早めに歯科医院へ相談しておくと、対応の見通しが立って安心につながるでしょう。
おしゃぶりは卒業させやすい面がある
おしゃぶりには、指しゃぶりよりも卒業させやすいという心強い利点があります。
おしゃぶりは道具であるため、使う場面や時間、置き場所までを大人が調整できるためです。
指しゃぶりは体の一部が対象となり、取り上げたり隠したりすること自体ができません。
その点おしゃぶりなら、ホルダーから外して見えない場所に片づけたり、使う時間帯を少しずつずらしたりと、無理のない形で手放す工夫を重ねられます。
指しゃぶりを防ぐためにおしゃぶりを選ぶ保護者の方もいますが、その場合も「いつごろ卒業するか」をあらかじめ決めておくことが安心につながります。
大人が調整しやすいという特徴を活かせば、赤ちゃんに強い我慢をさせずに卒業へ進みやすいといえるでしょう。
デメリットだけじゃない|おしゃぶりのメリット
おしゃぶりには歯並びへの心配がある一方で、赤ちゃんと保護者の毎日を支えてくれる役割もあります。
デメリットばかりに目が向きがちですが、使い方さえ工夫すれば頼りになる道具です。
「歯並びに影響するなら、使わないほうがいいのかな」と、使うこと自体に迷いを感じる方もいますよね。
良い面も知っておくと、必要以上に不安をためこまずに、落ち着いて付き合えるようになります。
ここでは、おしゃぶりが持つ具体的なメリットを見ていきましょう。
赤ちゃんが安心し寝つきやすくなる
おしゃぶりの大きなメリットは、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせ、寝つきをうながしてくれることです。
赤ちゃんには、口に含んだものを吸うと安心する「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」という生まれつきの働きがあり、おしゃぶりがその欲求を満たすためです。
夜泣きでなかなか泣きやまないときや、布団に入ってもぐずって眠れないときにくわえさせると、すっと力が抜けて眠りに入る赤ちゃんも少なくありません。
外出先や乗り物の中など、静かに過ごしてほしい場面で気持ちを切り替える助けになることもあります。
寝かしつけがスムーズになると保護者の方の疲れもやわらぐため、赤ちゃんにとっても心強い存在といえるでしょう。
育児の負担をやわらげてくれる
おしゃぶりは、赤ちゃんを落ち着かせることで、保護者の育児負担を軽くしてくれる道具でもあります。
赤ちゃんが泣きやんで穏やかに過ごす時間が増えると、その分だけ保護者の方が一息つける余裕が生まれるためです。
夜泣きが続いて寝不足のときや、料理や上の子の世話で手が離せないときに、短い時間だけおしゃぶりに頼れると気持ちに余裕が戻ります。
母乳やミルクをすぐに用意できない外出先でも、赤ちゃんの気持ちを一時的に落ち着ける手段のひとつになります。
育児の張りつめた気持ちがゆるむことは、赤ちゃんと笑顔で向き合う時間にもつながると考えられます。
歯並びへの影響を抑えるおしゃぶりの選び方・使い方
おしゃぶりは、選び方とふだんの使い方を少し工夫するだけで、歯並びへの影響を抑えやすくなります。
やめる時期を意識することはもちろん大切ですが、毎日の使い方も同じくらい大きな意味を持ちます。
「どんなおしゃぶりを、どのくらい使わせればいいの」と、具体的な部分で迷う保護者の方も多いでしょう。
無理なく続けられて卒業もしやすいコツをつかんでおくと、日々の使用に安心感が生まれます。
ここでは、選び方と使い方のポイントを順に見ていきます。
月齢・サイズに合ったものを選ぶ
おしゃぶりは、赤ちゃんの月齢と口の大きさに合ったサイズを選ぶことが、影響を抑える第一歩です。
口に対して大きすぎたり小さすぎたりするおしゃぶりは、前歯やあごに余計な力が集中しやすくなるためです。
多くの製品には「0か月から」「6か月から」といった月齢の目安が表示されており、まずはその表示を確認して選ぶと安心です。
成長に合わせて半年ごとにサイズを見直すと、口にほどよくフィットし、歯並びへの負担も抑えやすくなります。
口の発達に配慮した形の製品もありますが、どのタイプであっても卒業の時期を意識して使うことが、歯並びを守るうえで欠かせないといえるでしょう。
使う時間と場面を決めておく
おしゃぶりは、「使う時間」と「使う場面」をあらかじめ決めておくことで、歯並びへの影響をぐっと抑えやすくなります。
一日中くわえたままにしていると、弱い力でも積み重なって、前歯や上あごにかかる負担の合計が大きくなってしまうためです。
「寝つくときだけ」「外でぐずったときだけ」と場面を絞り、落ち着いたら口からそっと外す習慣をつけると、常用の状態を防ぎやすくなります。
気づくと長い時間くわえていることもあるため、日中にときどき口元を見て、外すきっかけをつくってあげると安心です。
必要な場面に絞って使う習慣そのものが、歯並びを守りながら卒業へ近づいていく確かな近道といえるでしょう。
おしゃぶりを無理なくやめさせる方法
おしゃぶりの卒業は、ある日を境にきっぱりやめさせるよりも、少しずつ段階を踏んで進めるほうがうまくいきやすいものです。
急に取り上げると赤ちゃんが強い不安を感じ、かえって寝つきが悪くなったり、指しゃぶりへ移ってしまったりすることがあるためです。
「そろそろやめさせたいけれど、大泣きされそうで踏み出せない」と感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。
やめさせ方にはいくつかの工夫があり、赤ちゃんの性格や生活リズムに合わせて選べば、親子ともに負担を減らせます。
ここでは、無理なく卒業へ近づくための具体的な進め方を紹介します。
日中の使用から少しずつ減らす
おしゃぶりをやめさせるときは、まず日中の使用から少しずつ減らしていくのが取り組みやすい方法です。
寝つきに直結する就寝時よりも、起きている時間帯のほうが赤ちゃんの気持ちをそらしやすく、外しても落ち着いていられるためです。
たとえば機嫌よく遊んでいるときや、家族と過ごしているときは、おしゃぶりを渡さずに様子を見ると、意外と欲しがらないことに気づく場面もあります。
日中に使わない時間を少しずつ延ばし、最終的に「寝るときだけ」に絞っていくと、卒業までの変化をゆるやかにできます。
数分でもおしゃぶりなしで過ごせたら、そのたびに笑顔でほめてあげることが、次のステップへの後押しになります。
段階を追って減らしていけば、赤ちゃんも急な変化に戸惑わずに、自然と手放す準備が整っていくでしょう。
遊びやスキンシップで気をそらす
おしゃぶりを欲しがる場面では、遊びやスキンシップで気持ちを別のところへ向けてあげると効果的です。
赤ちゃんがおしゃぶりを求めるのは、退屈なときや不安なときが多く、その気持ちが満たされれば自然と必要としなくなるためです。
手を使う遊びや外遊びに誘って夢中にさせると、口元への意識が薄れ、おしゃぶりを忘れて過ごせる時間が増えていきます。
ぐずったときには、抱っこして話しかけたり、一緒に絵本を読んだりと、ふれあいで安心感を届けてあげるとよいでしょう。
「おしゃぶりの代わりに、抱っこや遊びで気持ちが落ち着く」という経験を重ねることが、卒業への大きな支えになります。
叱って取り上げるのではなく、安心できる時間で満たしてあげる姿勢が、赤ちゃんの負担を和らげると考えられます。
やめられないときは小児歯科に相談する
工夫を重ねてもなかなかやめられないときは、一人で抱え込まずに小児歯科へ相談するのが安心です。
歯やあごの成長を専門的に診る医師なら、赤ちゃんの状態に合わせた卒業の進め方や、歯並びへの影響の有無を確認できるためです。
家庭でのやめさせ方に迷ったときには、その子の性格や癖に合わせた具体的な助言をもらえることもあります。
すでに前歯のすき間や傾きが気になっている場合でも、専門家に診てもらうことで、今後の見通しがわかり不安が和らぎます。
「相談してよかった」と感じられる場面は多く、通うことでむし歯予防のケアも受けられます。
うまくいかないと感じたら、早めに専門家の力を借りることも、卒業に向けた前向きな一歩といえるでしょう。
すでに歯並びが気になる場合の対処法
おしゃぶりの影響で前歯のすき間や傾きが見え始めると、「もう手遅れではないか」と心配になるものです。
けれども乳歯の時期であれば、卒業をきっかけに自然と整っていくことも多く、過度に落ち込む必要はありません。
「早くやめさせなかったせいかもしれない」と、自分を責めてしまう保護者の方もいますよね。
大切なのは、今の歯並びをどう受け止め、どのタイミングで専門家に相談するかを知っておくことです。
ここでは、気になったときの考え方と相談の目安を整理します。
乳歯の時期は経過を見ることが多い
おしゃぶりの影響で歯並びが気になっても、乳歯の時期は積極的な治療をせず、経過を見守ることが多くあります。
この年齢は歯やあごが成長を続けている途中で、おしゃぶりを卒業して力がかからなくなれば、自然に整っていくことが期待できるためです。
2歳前後で前歯に軽いすき間が見られても、卒業後の成長とともに目立たなくなっていくケースは少なくありません。
多くの場合、永久歯に生えかわる5歳から6歳ごろまでは、あわてて矯正を始めずに様子を見ながら見守っていきます。
その間に気になる変化があれば、乳幼児健診や歯科医院で相談し、必要かどうかを確かめておくと安心です。
まずは卒業を優先し、歯並びの回復を焦らずに見守っていく姿勢で大丈夫だと考えられます。
気になるときは小児歯科・矯正歯科へ
前歯のすき間や傾きが続いて気になるときは、小児歯科や矯正歯科で一度診てもらうと安心につながります。
同じ歯並びの乱れでも、様子を見てよいものと、早めの対応が向くものがあり、その見極めには専門的な診察が欠かせないためです。
診察を受けておくと、今すぐ治療が必要なのか、生えかわりを待ってよいのかがはっきりし、見通しを持って向き合えます。
乳歯が生えている5歳ごろから始められる方法もあり、その子に合った時期を医師と相談しながら決めていけます。
自己判断で焦って動くよりも、専門家の意見を聞いたうえで方針を選ぶほうが、納得して進めやすいでしょう。
気になる気持ちを一人で抱えず、専門家に頼ることで、落ち着いてお子さんの歯並びと向き合えるようになります。
おしゃぶりと歯並びに関するよくある質問
おしゃぶりと歯並びについては、細かな疑問が次々とわいてくるものです。
ここまでの内容と重なる部分もありますが、特に相談の多い質問にまとめて答えていきます。
気になっていた点があれば、この項目で解消しておきましょう。
Q:おしゃぶりで歯並びに影響が出るのはいつからですか?
A:影響が出やすくなるのは、乳歯の奥歯がかみ合ってくる2歳前後からです。
0歳から1歳前半のうちは、短い時間の使用であれば歯並びへの影響はほとんど心配いりません。
2歳を過ぎても長く使い続ける場合に注意し、少しずつ卒業を意識していくと安心です。
Q:おしゃぶりと指しゃぶり、歯並びに悪いのはどちらですか?
A:歯並びへの影響は、指しゃぶりのほうが強く出やすいと考えられています。
指は硬く前歯を直接押すうえ、無意識の癖として長く残りやすいためです。
おしゃぶりは大人が使う時間を調整でき、卒業させやすい点が違いといえます。
Q:もう出っ歯になってしまったら、治りませんか?
A:乳歯の時期であれば、おしゃぶりの卒業とともに自然に改善していくことが多いです。
歯やあごが成長を続けているため、力がかからなくなれば整いやすくなります。
気になるときは小児歯科で診てもらうと、今後の見通しがわかり安心につながります。
Q:歯並びが良くなるおしゃぶりはありますか?
A:歯並びを良くする効果がはっきり確かめられたおしゃぶりは、現時点ではありません。
口の発達に配慮した形の製品はありますが、どれも卒業の時期を意識して使うことが前提です。
歯並びを守るうえで大切なのは、製品選びよりも使う時間と卒業の時期だと考えられます。
まとめ
おしゃぶりが歯並びに与える影響は、使う時期と期間によって大きく変わります。
赤ちゃんのうちに短い時間だけ使う分には、歯並びへの影響はほとんど心配いりません。
影響が出やすくなるのは2歳前後からで、長く使い続けると出っ歯や開咬などが起こりやすくなります。
歯並びを守るには、乳歯が生えそろう2歳前後を目安に、少しずつ卒業を進めていくことが大切です。
たとえ前歯にすき間や傾きが見られても、乳歯の時期に卒業できれば改善しやすいため、過度に心配する必要はありません。
やめさせるときは日中の使用から減らし、遊びやスキンシップで気持ちを満たしながら、焦らず進めていきましょう。
気になることがあれば一人で抱え込まず、小児歯科や乳幼児健診で相談しながら、お子さんの歯並びと向き合っていきましょう。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合」(最終閲覧日:2026年7月6日)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-019.html
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合の治療法の概要」(最終閲覧日:2026年7月6日)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-06-002.html
[3] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯科健診(検診)」(乳幼児歯科健康診査:1歳6か月・3歳)(最終閲覧日:2026年7月6日)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/teeth/yh-039.html
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
おしゃぶりの使用や歯並びに関しては必ず医師にご相談ください。
※影響の現れ方には個人差がございます。
※医師の判断により対応が異なる場合があります。