不正咬合とは?種類・原因・デメリットと矯正治療をやさしく解説

歯科で「不正咬合」という言葉を聞いて、「不正咬合とは、いったいどんな状態のことなのだろう」と気になっていませんか?

不正咬合とは、歯並びや上下の噛み合わせが、正常な状態から外れているものを総称した言葉です。

出っ歯や受け口、すきっ歯なども不正咬合のひとつで、見た目だけでなく、噛む・話すといった機能にも関わることがあります

この記事では、不正咬合の種類や原因、放置したときのデメリット、矯正治療や保険の考え方までを、一般の方にもわかりやすく解説していきます。

不正咬合とは?まず知っておきたい基本

「不正咬合」という言葉は、歯科でなければあまり耳にする機会がなく、聞き慣れない方も多いのではないでしょうか

まずは、不正咬合とはどういう状態を指すのか、その基本から知っておくと、あとの種類や治療の話も理解しやすくなります

言葉の意味を正しく知ることが、自分やお子さんの歯並びを考える第一歩になります。

ここでは、不正咬合の基本から確認していきましょう。

歯並び・噛み合わせが正常から外れた状態の総称

不正咬合(ふせいこうごう)とは、歯並びや上下の噛み合わせが、正常な状態から外れたものをまとめて指す言葉です。

つまり、ひとつの特定の歯並びを指すのではなく、さまざまな噛み合わせの乱れを総称した言葉だといえます。

たとえば、出っ歯や受け口、歯がデコボコに並んだ状態、すきっ歯なども、すべて不正咬合に含まれます。

正常な噛み合わせでは、上下の歯が適切に接触し、上の前歯が下の前歯を少しだけ覆うような状態になっています。

この理想的な状態から外れているものが、不正咬合と呼ばれるわけです。

まずは、不正咬合とは特定の歯並びではなく、噛み合わせの乱れ全体を指す言葉なのだと知っておくとよいでしょう。

見た目だけでなく機能や健康にも関わる

不正咬合というと、「見た目の問題」というイメージを持つ方も多いかもしれません

しかし、不正咬合は見た目だけでなく、噛む・話すといった機能や、お口の健康にも関わることがあります

たとえば、噛み合わせが乱れていると、食べ物をうまく噛めなかったり、発音に影響が出たりすることがあります。

また、歯並びが悪いと、歯みがきがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることも知られています。

このように、不正咬合は審美的な面だけでなく、機能面や健康面にも影響しうるものなのです。

見た目が気になる場合はもちろん、機能や健康の面からも、気になるときは一度相談してみるとよいでしょう。

不正咬合の主な種類

ひとくちに不正咬合といっても、じつはいくつかの種類があります

自分やお子さんの歯並びがどのタイプに近いかを知っておくと、状態を理解しやすくなります

ここでは、代表的な不正咬合の種類を、一覧で確認したうえで、ひとつずつ見ていきましょう。

まずは、主な種類を表で整理してみます。

種類(正式名称)一般的な呼び方どんな状態か
叢生(そうせい)乱杭歯・八重歯歯がデコボコに並んでいる
上顎前突(じょうがくぜんとつ)出っ歯上の前歯や上顎が前に出ている
下顎前突(かがくぜんとつ)受け口・反対咬合下の歯や下顎が前に出ている
開咬(かいこう)オープンバイト奥歯を噛んでも前歯が噛み合わない
過蓋咬合(かがいこうごう)ディープバイト上の前歯が下の前歯を深く覆う
交叉咬合(こうさこうごう)クロスバイト上下の歯が横方向にずれて噛む
空隙歯列(くうげきしれつ)すきっ歯歯と歯のあいだに隙間がある

※この表は代表的な種類をまとめたものです。実際には複数のタイプが組み合わさっていることもあります。

それでは、それぞれの種類について、もう少しくわしく見ていきましょう。

叢生(そうせい/乱杭歯・八重歯)

叢生(そうせい)は、歯がデコボコに並んだり、重なり合ったりしている状態です。

乱杭歯(らんぐいば)とも呼ばれ、八重歯もこの叢生の一種にあたります

主な原因は、あごの大きさに対して歯が大きく、歯がきれいに並びきらないことにあるとされています。

厚生労働省の歯科疾患実態調査では、日本人にみられる不正咬合のなかでも、この叢生の割合が高いことが報告されています[1]。

歯が重なっている部分は歯みがきがしにくく、汚れがたまりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まりやすい傾向があります。

そのため、見た目だけでなく、お口の健康の面からも気にかけておきたい歯並びだといえます。

上顎前突(出っ歯)

上顎前突(じょうがくぜんとつ)は、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態です。

上の前歯が前方に傾いていたり、上顎全体が前に出ていたりする状態を指します

上顎が前に出ている場合だけでなく、下顎の成長が不足していることで、相対的に上の歯が前に見えることもあります。

口を閉じにくく、口元が前に出て見えることから、見た目が気になる方も多い歯並びです。

また、前歯で噛みにくかったり、口が開いた状態が続いて口呼吸になりやすかったりすることもあります。

指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などが原因のひとつになることもあるとされています。

下顎前突(受け口・反対咬合)

下顎前突(かがくぜんとつ)は、「受け口」や「反対咬合」とも呼ばれる状態です。

下の前歯や下顎全体が、上の歯よりも前に出ている歯並びを指します

正常な噛み合わせとは上下が逆になっているため、前歯で食べ物を噛み切りにくいことがあります。

また、横顔で下顎が前に出て見えたり、発音、とくにサ行やタ行が不明瞭になったりすることもあるとされています。

受け口には、遺伝的な要因が関わっていることが多いといわれており、あわせて舌で下の歯を押す癖などの後天的な要因が関係することもあります。

不正咬合のなかでも治療や管理が難しいとされることがあり、気になる場合は早めに相談することがすすめられます。

開咬(オープンバイト)

開咬(かいこう)は、「オープンバイト」とも呼ばれる状態です。

奥歯をしっかり噛み合わせているにもかかわらず、上下の前歯のあいだに隙間ができてしまう歯並びを指します

前歯が噛み合わないため、前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなります。

その結果、奥歯に負担が集中しやすくなり、口の中が乾きやすい、滑舌に影響が出るといったこともあります。

原因としては、指しゃぶりや、舌を前に突き出す癖などが関係することがあるとされています。

開咬は日常生活への影響が出やすいこともあり、気になるときは歯科で相談しておくと安心です。

過蓋咬合(ディープバイト)

過蓋咬合(かがいこうごう)は、「ディープバイト」とも呼ばれる状態です。

上の前歯が下の前歯を、通常よりも深く覆いすぎている噛み合わせを指します

正常な場合、上の前歯は下の前歯を少しだけ覆う程度ですが、過蓋咬合ではその覆いが深く、下の前歯がほとんど見えなくなることもあります。

噛み合わせが深いことで、前歯や歯ぐきに負担がかかりやすく、歯の摩耗や、顎関節への負担につながることがあるとされています。

見た目だけでは気づきにくいこともあり、自分では正常だと思っていても、じつは過蓋咬合というケースもあります。

上下のあごの大きさのバランスなどが原因になることがあり、気になるときは一度チェックしてもらうとよいでしょう。

交叉咬合(クロスバイト)

交叉咬合(こうさこうごう)は、「クロスバイト」とも呼ばれる状態です。

上下の歯を噛み合わせたときに、歯列が左右方向にずれて、部分的に上下が逆に噛んでしまう状態を指します

奥歯の噛み合わせがずれている場合や、前歯の一部が逆に噛んでいる場合など、さまざまなパターンがあります。

噛むたびにあごや歯に負担がかかりやすく、あごがずれて見えたり、顔のゆがみにつながったりすることもあるとされています。

上下のあごの大きさのバランスの違いや、片側だけで噛む癖などが原因になることがあります。

あごへの負担が大きくなりやすい歯並びのため、気になるときは早めに相談することがすすめられます。

空隙歯列(すきっ歯)・正中離開

空隙歯列(くうげきしれつ)は、いわゆる「すきっ歯」と呼ばれる、歯と歯のあいだに隙間がある状態です。

とくに、上の前歯の真ん中に隙間がある状態は、正中離開(せいちゅうりかい)と呼ばれます

あごの大きさに対して歯が小さい場合や、歯の本数が足りない場合などに起こることがあるとされています。

隙間に食べ物が挟まりやすい、発音のときに息が漏れて滑舌に影響するといったことがあります。

また、隙間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクにつながることもあります。

見た目が気になる方も多い歯並びで、状態によっては部分的な矯正で改善できることもあります。

不正咬合の原因|先天的なものと後天的なもの

不正咬合は、なぜ起こるのか気になる方も多いでしょう

その原因は、生まれつきのものと、生活のなかで生じるものとに大きく分けられます

原因を知っておくと、とくに後天的なものについては、予防や改善のヒントにもなります。

ここでは、不正咬合の原因を、先天的なものと後天的なものに分けて見ていきましょう。

先天的な原因(遺伝・歯や顎の大きさ・過剰歯や欠如など)

不正咬合の原因のひとつが、生まれつきの先天的なものです。

まず、歯並びやあごの形は、遺伝的な要因が関わることが多いとされています

とくに受け口(下顎前突)などは、遺伝的な要因が関係していることが多いといわれています。

また、あごの大きさと歯の大きさのバランスが合わないことも、歯並びの乱れにつながります。

あごに対して歯が大きければ歯が並びきらずにデコボコになり、逆に歯が小さかったり本数が足りなかったりすると隙間ができやすくなります。

さらに、通常より多い歯(過剰歯)や、生まれつき足りない歯(先天欠如)、上唇の裏のスジ(上唇小帯)の異常なども、不正咬合の原因になることがあります。

後天的な原因(口呼吸・指しゃぶり・舌癖などの癖)

不正咬合には、生活のなかで生じる後天的な原因も関わっています

代表的なのが、日常の何気ない癖です

たとえば、長期間の指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖、爪を噛む癖、頬杖をつく癖などが、歯並びに影響することがあるとされています。

また、口呼吸も不正咬合と関わりが深いとされています。

口が開いた状態が続くと、口の周りの筋肉のバランスが崩れたり、舌の位置が下がったりして、歯並びに影響することがあるためです。

さらに、乳歯が虫歯などで早く抜けてしまうと、永久歯の生えるスペースがずれて、歯並びが乱れる原因になることもあります。

こうした後天的な原因のなかには、癖の改善によって予防や軽減が期待できるものもあるため、早めに気づくことが大切です。

不正咬合を放置するデメリット

不正咬合は、「見た目が気にならなければそのままでもよいのでは」と考える方もいるかもしれません

しかし、不正咬合を放置することには、見た目以外にもいくつかのデメリットがあります

デメリットを知っておくと、治療を考えるかどうかの判断に役立ちます。

ここでは、不正咬合を放置したときに起こりうることを整理していきます。

虫歯・歯周病になりやすい

不正咬合のデメリットとして、まず挙げられるのが、虫歯や歯周病になりやすいことです。

歯並びが乱れていると、歯が重なった部分やすき間に歯ブラシが届きにくくなります

その結果、汚れが残りやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まりやすいとされています。

とくに、歯が重なり合った叢生や、すき間のある空隙歯列では、汚れがたまりやすい傾向があります。

毎日ていねいに歯みがきをしていても、どうしても磨きにくい部分が出てしまうのです。

歯の健康を長く保つという意味でも、不正咬合は気にかけておきたいものだといえます。

噛む・飲み込む・発音への影響

不正咬合は、噛む・飲み込む・話すといった、お口の機能にも影響することがあります

たとえば、開咬や受け口では、前歯で食べ物をうまく噛み切れないことがあります

前歯で噛み切れないと、食べ物を十分に噛み砕けず、飲み込みや消化に影響することもあります。

また、噛み合わせの乱れは、発音にも影響することがあります。

とくに、すき間のある歯並びや受け口では、サ行やタ行などの発音が不明瞭になることがあるとされています。

このように、不正咬合は日常生活の基本的な動作にも関わることがあるのです。

顎関節症・歯の負担・見た目への影響

不正咬合は、あごや歯そのものへの負担にもつながることがあります

噛み合わせが乱れていると、噛む力が一部の歯に偏ってかかり、その歯が摩耗したり、欠けたりしやすくなることがあります

また、あごの位置や動きに不自然な負担がかかることで、あごの関節や筋肉に痛みが出る顎関節症のリスクが高まることもあるとされています。

さらに、噛み合わせの乱れは、見た目やコンプレックスに関わることもあります。

出っ歯や受け口、すきっ歯などは、口元の印象に影響し、人によっては気持ちの面での負担になることもあります。

こうしたさまざまな影響があるからこそ、不正咬合は放置せず、気になるときは相談してみることが大切だといえます。

不正咬合の治療|矯正の考え方

不正咬合が気になったとき、どんな治療があるのかを知っておくと、相談の際に理解しやすくなります

不正咬合の治療は、主に歯並びや噛み合わせを整える矯正治療が中心になります

治療の方法は、年齢や歯並びの状態、原因によって変わってきます。

ここでは、不正咬合の治療について、その考え方を整理していきます。

子どもの矯正(成長を利用・癖の改善)

子どもの矯正は、あごの成長を利用できるという特徴があります

成長期の子どもは、あごが発達していく途中のため、その成長をいかしながら歯並びや噛み合わせを整えていくことができます

そのため、時期によっては、あごのバランスを整えるような治療が行いやすいことがあります。

また、指しゃぶりや口呼吸、舌の癖といった、不正咬合の原因になりうる癖の改善も、子どもの時期には大切になります。

こうした癖を早めに見直すことで、歯並びへの影響をやわらげられることがあります。

どの時期にどんな治療が向いているかは一人ひとり異なるため、気になる場合は早めに歯科で相談しておくと安心です。

大人の矯正(ワイヤー・マウスピースなど)

大人になってからでも、不正咬合の矯正治療を受けることはできます

大人の矯正では、歯に装置をつけて少しずつ歯を動かしていく方法が一般的です

代表的なものに、歯にワイヤーの装置をつける方法や、透明なマウスピースを使う方法などがあります。

それぞれに特徴があり、歯並びの状態やライフスタイルによって、向き不向きがあります。

大人の場合はあごの成長が終わっているため、歯を動かして整えていくことが治療の中心になります。

どの方法が合うかは歯並びの状態によって異なるため、矯正歯科で相談して決めていくことになります。

骨格が原因の場合(外科的な治療が必要なことも)

不正咬合のなかには、歯並びだけでなく、あごの骨格そのもののずれが大きく関わっているケースもあります

こうした骨格的な要因が強い場合は、歯を動かす矯正だけでは改善が難しいことがあります

そのようなときには、矯正治療とあわせて、あごの骨に対する外科的な治療が必要になることもあります。

とくに、あごの変形が大きい場合などには、こうした治療が検討されることがあります。

どの程度骨格が関わっているかは、検査をしてみないと分からないことも多いものです。

自分がどのタイプにあたるのかも含めて、まずは歯科・矯正歯科で相談してみることが大切です。

不正咬合の矯正に保険は使える?

不正咬合の矯正治療を考えるとき、「保険は使えるのだろうか」という費用面の疑問を持つ方は多いものです

保険が使えるかどうかは、治療を検討するうえで大切なポイントになります

ここでは、不正咬合の矯正と保険の関係について整理していきます。

まず知っておきたいのは、一般的な歯並びを整えるための矯正治療は、多くの場合、保険がきかない自費診療になるという点です。

見た目の改善を主な目的とした矯正は、原則として公的医療保険の対象外とされています。

そのため、通常の矯正治療にかかる費用は、全額が自己負担になるのが一般的です。

一方で、一定の条件にあてはまる場合には、保険が適用されることがあります。

たとえば、あごの骨格に大きなずれがあり、外科的な手術を必要とするような「顎変形症(がくへんけいしょう)」の治療は、保険の対象となる場合があります。

また、生まれつきの疾患である唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)など、国が定める特定の病気にともなう不正咬合の治療も、保険が適用されることがあります。

ただし、これらの保険適用には、決められた条件や、指定された医療機関で受ける必要があるなどの要件があります。

自分のケースが保険の対象になるかどうかは、個別の状態によって異なるため、自己判断せず、歯科・矯正歯科で確認することが大切です。

費用の面で不安があるときは、保険が使えるかどうかもあわせて、受診の際に相談してみるとよいでしょう。

気になったら歯科・矯正歯科へ|早期発見のすすめ

不正咬合は、自分やお子さんの歯並びを見て「もしかして」と気づくこともあれば、歯科健診などで指摘されて知ることもあります

気になったときにどう動けばよいかを知っておくと、落ち着いて対応できます

ここでは、不正咬合が気になったときの受診について整理していきます。

まず大切なのは、不正咬合の多くは、放っておいて自然に治るものばかりではない、という点です。

「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに、状態が変わらなかったり、進んでしまったりすることもあります。

とくに子どもの場合は、あごの成長の時期をいかせるかどうかで、治療の進め方が変わることがあります。

そのため、気になる歯並びや噛み合わせがあるときは、早めに歯科・矯正歯科で相談しておくことがすすめられます。

子どもについては、3歳ごろのお口のチェックや、乳幼児健診、学校の歯科健診などが、気づくきっかけになることもあります。

早い段階で相談しておくと、いますぐ治療が必要かどうか、いつごろ始めるのがよいかといった見通しを立てやすくなります。

もちろん、大人になってから不正咬合が気になった場合でも、相談するのに遅すぎるということはありません。

まずは一度、専門の歯科・矯正歯科で自分やお子さんの状態を見てもらい、必要に応じて治療を検討していくとよいでしょう。

気になる歯並びや噛み合わせがあるときは、一人で悩まず、専門家に相談することが、安心への第一歩になります。

不正咬合に関するよくある質問

Q:不正咬合とは何ですか?

不正咬合とは、歯並びや上下の噛み合わせが、正常な状態から外れているものを総称した言葉です

出っ歯や受け口、歯がデコボコに並んだ状態、すきっ歯なども、すべて不正咬合に含まれます。

見た目だけでなく、噛む・話すといった機能や、お口の健康にも関わることがあります。

Q:不正咬合は自然に治りますか?

不正咬合の多くは、放っておいて自然に治るものばかりではありません

「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに、状態が変わらなかったり、進んでしまったりすることもあります。

気になる歯並びや噛み合わせがあるときは、自己判断せず、歯科・矯正歯科で相談することがすすめられます。

Q:不正咬合の矯正に保険は使えますか?

見た目の改善を主な目的とした一般的な矯正治療は、多くの場合、保険がきかない自費診療になります

一方で、外科手術を必要とする顎変形症や、唇顎口蓋裂など国が定める特定の疾患にともなう場合は、保険が適用されることがあります。

保険の対象になるかは個別の状態や条件によって異なるため、歯科・矯正歯科で確認しましょう。

Q:不正咬合は何歳から治療できますか?

不正咬合の治療は、子どもから大人まで、幅広い年齢で受けることができます

子どもの場合は、あごの成長をいかせる時期があり、癖の改善もあわせて行えることがあります。

大人になってからでも治療は可能なため、気になる時期に一度、専門の歯科・矯正歯科で相談するとよいでしょう。

まとめ

不正咬合とは、歯並びや上下の噛み合わせが正常から外れているものを総称した言葉で、出っ歯や受け口なども含まれます

主な種類には、叢生(乱杭歯)、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬、過蓋咬合、交叉咬合、空隙歯列(すきっ歯)などがあります。

なかでも、歯がデコボコに並ぶ叢生は、日本人にみられる不正咬合のなかでも割合が高いことが報告されています[1]。

原因は、遺伝や歯とあごの大きさのバランスといった先天的なものと、口呼吸や指しゃぶり、舌の癖などの後天的なものに分けられます。

不正咬合を放置すると、虫歯や歯周病になりやすい、噛む・話す機能への影響、あごや歯への負担といったデメリットが生じることがあります。

治療は矯正が中心で、子どもは成長や癖の改善をいかし、大人はワイヤーやマウスピースなどで歯を動かし、骨格が原因の場合は外科的な治療が必要になることもあります。

不正咬合の多くは自然には治りにくいため、気になる歯並びや噛み合わせがあるときは、早めに歯科・矯正歯科で相談していきましょう。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療や特定の医療機関・治療法を推奨するものではありません。

不正咬合の種類や治療方法、保険適用の可否は、実際に診察してみないと判断できません。

気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科・矯正歯科などの医療機関にご相談ください。

参考文献

[1] 厚生労働省「歯科疾患実態調査(歯列・咬合の状況に関する結果)」(最終閲覧日:2026年7月6日)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17.html

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康(歯並び・噛み合わせに関する情報)」(最終閲覧日:2026年7月6日)

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/