顎関節症の症状は?初期症状・セルフチェックと受診の目安を解説

「顎が痛い、口を開けると音が鳴る…これって顎関節症の症状なのかな?」と気になっていませんか?
顎関節症の代表的な症状は、顎の痛み・顎を動かしたときの音・口の開けにくさの3つで、いずれか一つでも当てはまると顎関節症の可能性があります[1]。
ただし、これらの症状は別の病気でもみられることがあるため、自己判断せず、気になるときは歯科や口腔外科で確認すると安心です。
この記事では、顎関節症の主な症状やセルフチェック、初期症状や関連症状、受診の目安までやさしく整理しますので、症状が気になる方はぜひ参考にしてください。
顎関節症とは?どんな症状が出る病気か
顎関節症は、顎の関節や顎を動かす筋肉に不調が生じ、痛みや音、口の開けにくさが現れる病気です[1]。
顎の痛みや音が気になると、「これは何の症状なのだろう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
むし歯や歯周病と並んで身近な症状とされ、幅広い年代でみられます。
症状の程度は人によって異なり、軽い違和感から日常生活に支障が出るものまでさまざまです。
ここでは、顎関節症の代表的な症状と、気づくきっかけから整理していきます。
顎関節症の3つの代表的な症状
顎関節症の代表的な症状は、顎の痛み・顎を動かしたときの音・口の開けにくさの3つです[1]。
これらは顎関節や、顎を動かす筋肉に負担がかかることで現れやすいためです。
いずれか一つでも当てはまり、ほかの病気が見当たらない場合に顎関節症と診断されることがあります。
口を開け閉めすると顎や耳の前が痛む、カクッと音がする、大きく口を開けにくい、という状態が代表的です。
3つすべてがそろう方もいれば、一つだけ当てはまる方もいます。
まずはこの3つを目安に、自分の症状を照らし合わせてみると良いでしょう。
「顎関節症かも」と気づくきっかけ
顎関節症は、日常のふとした場面で気づくことが多い症状です。
顎の不調は食事や会話など毎日の動作に関わるため、違和感を感じ取りやすいためです。
硬いものを噛んだときに顎が痛む、あくびで大きく口を開けたときに引っかかる、朝起きたときに顎がだるい、という場面で気づく方もいます。
家族に「口を開けると音がするよ」と指摘されて気づくこともあるようです。
「もしかして顎関節症かも」と感じた時点で、自分の状態に目を向けられているといえます。
顎関節症の主な症状を詳しく知る
顎関節症の症状は、痛み・音・開口障害の3つに大きく分けられます[1]。
「自分の症状はどれに当てはまるのだろう」と気になる方も多いのではないでしょうか。
それぞれ現れ方が異なり、複数が重なることもあります。
症状の特徴を知っておくと、受診時に自分の状態を伝えやすくなります。
ここでは、3つの症状を順に詳しく見ていきます。
顎の痛み(顎・こめかみ・耳の前)
顎関節症の痛みは、顎の関節だけでなく、こめかみや耳の前に感じることもあります[1]。
顎を動かす筋肉はこめかみや頬にも広がっているため、痛みが周辺に感じられることがあるためです。
口を開け閉めするときや、硬いものを噛むときにズキッと痛む、こめかみが重く感じる、という方もいます。
多くの場合、じっとしているときの痛みは強くなく、顎を動かしたときに痛みが出やすい傾向があります。
痛む場所や状況を覚えておくと、受診の際に状態を伝えやすくなり、安心して相談できます。
顎を動かすと音が鳴る(関節の音)
顎を動かしたときに「カクッ」「ジャリッ」といった音が鳴るのも、顎関節症の代表的な症状です[1]。
顎関節の中でクッションの役割を果たす部分の動きが乱れると、音が生じることがあるためです。
口を開け閉めするたびにカクカクと音がする、ジャリジャリとこすれるような音を感じる、という方もいます。
音だけで痛みがない場合は経過を見ることもありますが、気になるときは相談すると安心です。
音があること自体に過度な不安を感じる必要はなく、変化に気をつけながら見ていくと良いでしょう。
口が開けにくい・開かない(開口障害)
口が開けにくい、大きく開かないという症状は、顎関節症の中でも注意したいサインです[1]。
顎関節や筋肉の不調が進むと、口を開ける動きが制限されることがあるためです。
指を縦に3本入れられないほど口が開きにくい、開けようとすると痛みや引っかかりがある、という状態がみられます。
急に口が開かなくなった、食事や会話がつらい、という場合は早めの受診が望ましいです。
開けにくさが続くときは自己判断で様子を見すぎず、歯科や口腔外科に相談しておくと安心です。
顎関節症のセルフチェック
顎関節症のセルフチェックは、自分の症状の傾向を知るための目安として役立ちます[1]。
「病院に行く前に、自分で確かめる方法はないの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
当てはまる項目が多いほど、顎に負担がかかっているサインと考えられます。
ただしチェックはあくまで気づきのきっかけであり、診断そのものではありません。
ここでは、確認したいチェック項目と、チェックを行う際の注意点を整理していきます。
当てはまるか確認したいチェック項目
まずは、次のような項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
顎関節症は痛み・音・開口障害を中心に、日常の動作の中でサインが現れやすいためです。
具体的には、口を開け閉めすると顎やこめかみ、耳の前が痛む、顎を動かすとカクッと音がする、指を縦に3本入れられないほど口が開きにくい、硬いものを噛むと顎がつらい、朝起きたときに頬やこめかみが張っている、といった項目が挙げられます。
こうした項目に複数当てはまる場合は、顎に負担がかかっている可能性があります。
気になる項目があれば、一度歯科で相談する目安として活用してみてください。
チェックはあくまで目安|自己診断はしない
セルフチェックの結果は目安であり、自己診断で終わらせないことが大切です。
顎関節症と似た症状は別の病気でもみられることがあり、チェックだけで判断するのは難しいためです。
思い込みで放置したり、逆に不安になりすぎたりすると、適切な対処が遅れることもあります。
項目に当てはまっても軽い一時的な不調のこともあれば、当てはまりが少なくても受診が必要なこともあります。
チェックで気になる結果が出たときは、自分で結論を出さず歯科や口腔外科で確認すると安心です。
セルフチェックは受診のきっかけづくりと考えて、上手に活用していくと良いでしょう。
顎関節症の初期症状と重症度の目安
顎関節症は、軽い違和感から日常生活に支障が出る状態まで、症状の程度に幅があります[1]。
「今の自分の症状は軽いのか、重いのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
初期のサインに気づいて早めに対処すると、悪化を防ぎやすくなります。
一方で、症状が強い場合は自然に治りにくく、受診が優先されます。
ここでは、見逃しやすい初期症状と、重症度の目安を整理していきます。
見逃しやすい初期症状
顎関節症の初期には、見逃しやすい軽い症状が現れることがあります。
初期は痛みが弱く、一時的な違和感として受け流してしまいやすいためです。
放置するうちに症状が進むこともあるため、早めの気づきが大切です。
口を開けるときに軽い引っかかりを感じる、小さな音がする、朝に顎がだるい、といったサインが初期にみられることがあります。
こうした症状は自然に落ち着くこともありますが、繰り返す場合は注意が必要です。
軽いうちに顎をいたわり、変化があれば相談できるよう意識しておくと安心です。
軽度から重度まで|症状のレベルの目安
顎関節症の症状は、軽度から重度まで段階的に捉えると分かりやすくなります。
症状の程度によって、経過を見てよい場合と受診が必要な場合が変わってくるためです。
自分の状態がどのあたりかを知っておくと、対処の判断に役立ちます。
軽度では軽い違和感や音が中心で、日常生活に大きな支障はありません。
一方、口が大きく開かない、強い痛みが続く、食事や会話がつらいといった状態は重度の目安となり、早めの受診が望ましいです。
自分だけで重症度を決めつけず、つらさが続くときは専門家に確認してもらうと安心です。
顎関節症で起こることのある関連症状(耳・頭痛など)
顎関節症では、顎の周りの筋肉の緊張を通じて、頭痛や耳の違和感などを感じることがあります。
顎の症状だけでなく、「頭痛や耳の不調も顎関節症と関係あるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
ただし、これらの不調は別の原因で起こることも多く、顎関節症が原因と決めつけないことが大切です。
関連症状を知っておくと、思い当たる不調を受診時に伝えやすくなります。
ここでは、顎関節症と関わることのある症状を整理していきます。
頭痛・肩こり・首のこり
顎関節症では、頭痛や肩こり、首のこりをあわせて感じることがあります。
顎を動かす筋肉は、こめかみや首、肩の筋肉とつながっており、緊張が広がることがあるためです。
食いしばりで筋肉が張ると、その影響が周辺に及ぶことがあります。
こめかみの重い痛みや、後頭部から首にかけてのこわばりを感じる方もいるようです。
こうした不調は顎の負担と関わっていることもあれば、別の原因のこともあります。
気になる場合は、顎の症状とあわせて歯科で相談すると、原因の整理に役立ちます。
耳の症状・めまいなど
顎関節症では、耳の周りの違和感や、めまいのような症状を感じることもあります。
顎関節は耳のすぐ前にあり、周囲の筋肉や関節の状態が耳の感覚に影響することがあるためです。
そのため、耳の病気と間違えやすい面もあります。
耳の前の痛み、耳がつまった感じ、耳鳴りのような症状を感じる方もいます。
ただし、耳の強い痛みやめまいがある場合は、耳の病気の可能性もあるため耳鼻咽喉科への受診が安心です。
自己判断で顎関節症と決めつけず、症状に応じて適切な診療科に相談することが大切です。
顎関節症と似た症状に注意|自己判断が危険なケース
顎関節症と似た症状は、ほかのさまざまな病気でもみられることがあります[2]。
「顎が痛い=顎関節症」と思い込んでしまってよいのか、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
中には早急な受診が必要な病気が隠れていることもあり、自己判断は避けたほうが安心です。
危険なサインを知っておくと、受診の判断に役立ちます。
ここでは、顎関節症ではない可能性がある症状と、すぐに受診したいサインを整理していきます。
顎関節症ではない可能性がある症状
顎の痛みや口の開けにくさは、顎関節症以外の病気でも起こることがあります[2]。
顔や顎の周りには、歯や耳、神経など多くの器官があり、それぞれの病気が似た症状を起こすことがあるためです。
顎関節症と思い込んで放置すると、別の病気の発見が遅れる心配もあります。
歯や歯ぐきの炎症、耳の病気、神経の痛み、頭痛の一種などが、顎関節症と似た症状としてあらわれることがあります。
顎を動かしていないのに常に強く痛む場合は、顎関節症とは異なる原因が考えられます[2]。
思い当たる症状があるときは、自己判断せず医療機関で確認することが大切です。
すぐに受診したいサイン
次のようなサインがあるときは、自然に治るのを待たず、早めに受診してください[2]。
これらは顎関節症以外の病気の可能性があり、早い対応が必要なことがあるためです。
見逃さずに対処することで、適切な診断につながります。
安静にしていても強い痛みが続く、手で助けても口がほとんど開かない、顎を動かしていないのに腫れや発熱がある、といった状態は注意が必要です。
突然の激しい頭痛や、手足のしびれ・動かしにくさを伴う場合は、顎とは別の病気が疑われるため速やかな受診が求められます[2]。
迷ったときは我慢せず、歯科や口腔外科、必要に応じて他の診療科へ相談することが安心につながります。
顎関節症の症状に気づいたら|受診と対処
顎関節症が疑われるときは、歯科や口腔外科を受診し、正しい診断を受けることが大切です。
症状に気づいても、「どこに行けばいいのか」「まず何をすればいいのか」で迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
受診までの間も、顎に負担をかけない工夫で症状をやわらげられることがあります。
ただしセルフケアは自己判断で無理に行わず、内容を歯科医師に確認すると安心です。
ここでは、受診する診療科と、受診までにできる対処を整理していきます。
何科を受診する?(歯科・口腔外科)
顎関節症が疑われるときは、歯科や口腔外科を受診するのが基本です。
顎の関節や筋肉、噛み合わせに直接対応できるのが、これらの診療科であるためです。
どこに行けばよいか迷ったときの目安になります。
顎関節症を扱う歯科医院や、口腔外科のある病院で相談できます。
耳の強い痛みやめまいが中心の場合は耳鼻咽喉科、突然の激しい頭痛やしびれを伴う場合は別の診療科が適することもあります。
症状に合った窓口が分からないときは、まず歯科で相談し、必要に応じて紹介を受けると安心です。
受診までにできるセルフケア(自己判断は避ける)
受診までの間は、顎に負担をかけない過ごし方を心がけると症状がやわらぐことがあります。
顎関節症は、硬いものを噛む、大きく口を開けるといった動作で悪化することがあるためです。
顎を休めることで、痛みが落ち着く場合もあります。
やわらかい食事を選ぶ、あくびのときに口を開けすぎない、頬杖や食いしばりの癖を意識する、といった工夫が役立ちます。
マウスピースによる治療やセルフケアの詳しい方法は、別の記事でも整理しています。
自己流のケアがかえって負担になることもあるため、続ける前に歯科医師へ相談しておくと安心です。
顎関節症の症状に関するよくある質問
Q:顎関節症の代表的な症状は何ですか?
A:顎関節症の代表的な症状は、顎の痛み・顎を動かしたときの音・口の開けにくさの3つです[1]。
いずれか一つでも当てはまり、ほかの病気が見当たらない場合に顎関節症と診断されることがあります。
3つすべてがそろう方もいれば、一つだけの方もいるため、気になる症状があれば歯科で相談すると安心です。
Q:セルフチェックで当てはまったら受診すべきですか?
A:セルフチェックで当てはまる項目があるときは、目安として歯科での相談を検討すると良いでしょう。
チェックはあくまで気づきのきっかけであり、診断そのものではないためです。
自己判断で放置せず、気になる結果が出たら専門家に確認してもらうことをおすすめします。
Q:耳の痛みや頭痛も顎関節症の症状ですか?
A:顎関節症では、耳の周りの違和感や頭痛をあわせて感じることがあります。
顎の筋肉が耳や頭の周りとつながっており、緊張が広がることがあるためです。
ただし別の病気の可能性もあるため、耳の強い痛みやめまいがあるときは耳鼻咽喉科への受診が安心です。
Q:初期症状のうちに受診したほうがいいですか?
A:初期症状のうちに受診しておくと、悪化を防ぎやすくなるため安心です。
顎関節症は軽いうちに顎への負担を減らすことで、症状が落ち着きやすいとされているためです。
軽い違和感や音でも繰り返し続く場合は、早めに歯科で相談しておくと良いでしょう。
顎関節症で受診するときに伝えたいこと
受診の際は、症状がいつから・どんなときに出るのかを整理して伝えることが大切です。
いざ受診しようと思っても、「何を伝えればいいのか分からない」と迷う方も多いのではないでしょうか。
情報が具体的だと、歯科医師が状態を把握しやすくなります。
事前に症状をメモしておくと、限られた診察時間を有効に使えます。
ここでは、受診時に伝えたいポイントを整理していきます。
症状の経過や出るタイミングを伝える
受診の際は、症状がいつ始まり、どんなときに出るのかを整理して伝えましょう。
経過が分かると、歯科医師が状態や原因を判断しやすくなるためです。
具体的に伝えることで、適切な対処につながりやすくなります。
「1ヶ月前から口を開けると痛む」「食事のときにカクッと音がする」など、時期と場面を伝えると分かりやすくなります。
痛みの強さや、どの動作でつらくなるかもあわせて伝えると役立ちます。
事前にメモを用意しておくと、伝え忘れを防ぎやすくなります。
生活習慣や気になる癖もあわせて伝える
顎に負担をかけている生活習慣や癖も、あわせて伝えることが大切です。
食いしばりや頬杖、睡眠の状態などが、症状の背景に関わっていることがあるためです。
こうした情報は、原因を探るうえで手がかりになります。
「日中に歯を食いしばる癖がある」「うつぶせで寝ることが多い」といった点も、遠慮なく伝えてみましょう。
疲れやストレスがたまっている時期であれば、その点も共有しておくと役立ちます。
気になることを伝えておくことで、自分に合ったアドバイスを受けやすくなります。
まとめ
顎関節症の代表的な症状は、顎の痛み・顎を動かしたときの音・口の開けにくさの3つです。
いずれか一つでも当てはまり、ほかの病気が見当たらない場合に顎関節症と診断されることがあります。
セルフチェックは症状の傾向を知る目安になりますが、自己診断で終わらせず受診のきっかけとして活用することが大切です。
頭痛や肩こり、耳の違和感などをあわせて感じることもありますが、別の病気の可能性もあるため決めつけは禁物です。
安静時の強い痛みや、口がほとんど開かない、突然の激しい頭痛といったサインがあるときは、早めの受診が求められます。
顎関節症が疑われるときは歯科や口腔外科を受診し、受診までは顎に負担をかけない工夫を心がけると安心です。
つらい症状を我慢せず、気になる点があれば早めに専門家へ相談し、自分に合った対処を選んでみてください。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
治療に関しては必ず歯科医師にご相談ください。
※症状の現れ方や経過には個人差がございます。
※歯科医師の判断により治療をお受けいただけない場合があります。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「顎関節症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-004.html
[2] 兵庫県立尼崎総合医療センター 歯科口腔外科「顎関節症について」
https://agmc.hyogo.jp/sys/assets/img/department/33oral/pdf/gakukansetsusyo_v4.pdf