マウスピース矯正のアタッチメントとは?必要な理由と目立ちやすさ

マウスピース矯正のカウンセリングでアタッチメントと言われ、それが何なのか分からず不安になっていませんか。

アタッチメントとは、歯の表面に付ける米粒ほどの小さな突起で、マウスピースだけでは足りない力を補うための装置です。

歯と同じような色の樹脂でできているため近くで見なければ気づかれにくいものの、付ける位置や数は歯並びによって変わります

この記事では、アタッチメントが必要な理由から見た目の実際、装着する期間、取れたときの対処までを整理しましたので、治療を始める前の判断材料としてお役立てください。

マウスピース矯正のアタッチメントとは

アタッチメントは、マウスピース矯正を計画どおりに進めるために歯の表面へ取り付ける小さな突起です。

目立たない治療を選んだつもりが、歯に何かを付けると聞いて戸惑った方もいるのではないでしょうか。

装置そのものは非常に小さく、歯に近い色の材料が使われるため、ワイヤー矯正の金属装置とは見え方が異なります。

治療中ずっと付けたままになる装置であるため、素材や仕組みを知っておくと不安が和らぎます。

まずはアタッチメントがどのようなものなのか、形と役割の面から確認していきましょう。

アタッチメントの素材と大きさ

アタッチメントは、歯科用の白い樹脂でできた小さな突起です。

歯の詰め物にも用いられるコンポジットレジンという材料が使われ、歯に近い色合いに調整されているためです。

大きさの目安は縦2〜3mm、横3〜5mm程度で、米粒よりやや小さいサイズと考えると想像しやすくなります

形は四角いもの、丸みを帯びたもの、斜めに角度がついたものなどがあり、目的に応じて使い分けられます。

歯の表面に接着剤で固定し、光を当てて硬める方法で取り付けるため、自分で外れることは基本的にありません。

金属の装置を想像していた方にとっては、思っていたより小さく控えめな装置だと感じられるでしょう。

マウスピースとかみ合う仕組み

アタッチメントは、マウスピース側のくぼみとかみ合うことで働きます

歯に付けた突起と、その形に合わせて作られたマウスピースのくぼみが組み合わさる構造になっているためです。

凸と凹がかみ合うことで、マウスピースが歯から滑らずにしっかりと固定されます。

固定されることで力が歯の根元まで伝わり、狙った方向へ動かしやすくなる仕組みです。

アタッチメントの位置は治療計画に沿って設計され、装着するマウスピースの形とセットで決められています。

装置の形が自分の歯に合わせて作られていると知ると、ひとつひとつに意味があることが見えてきます。

ワイヤー矯正のブラケットとの違い

アタッチメントは、ワイヤー矯正で使うブラケットとは役割が異なります

ブラケットはワイヤーを固定して力を伝える装置であるのに対し、アタッチメントはマウスピースをつかむための取っ手にあたるためです。

ワイヤー矯正では、歯面に3mm角程度のブラケットを接着し、細いワイヤーを通して歯並びを整えていきます[1]。

ブラケットには金属製のものが多く用いられ、装置とワイヤーが常に外から見える状態になります。

アタッチメントは歯と同じような色の樹脂であり、その上をマウスピースが覆うため、装置が直接目に触れる場面は限られます。

見た目の負担を抑えながら歯を動かす仕組みだと理解しておけば、装置が増えることへの抵抗も少なくなるはずです。

アタッチメントが必要とされる理由

「目立たないはずなのに、なぜ付ける必要があるのか」と感じた方は少なくありません

説明を受けても納得しきれないまま治療に進むのは、気持ちのよいものではありませんよね。

アタッチメントは装置の性能を高めるための飾りではなく、治療結果を左右する要素として組み込まれています。

マウスピースという装置の構造上、どうしても補わなければならない部分があるためです。

必要とされる3つの理由を、順に確認していきます。

マウスピースだけでは足りない力を補う

マウスピース単体では、歯を動かすのに十分な力を加えきれない場面があります

薄い樹脂で歯全体を包み込む構造のため、力が歯の表面をなでるように逃げてしまうことがあるためです。

歯は目に見える部分だけでなく、骨の中に埋まった根の部分まで含めて動かす必要があります

根元まで力を届けるには、マウスピースが歯をしっかりつかんでいる状態を作らなければなりません。

アタッチメントは、その「つかむ場所」を歯の表面に作る役割を担っています

装置の力を確実に伝えるための土台だと考えると、必要とされる理由が見えてくるでしょう。

マウスピースが苦手な歯の動きに対応する

歯の動きには、マウスピースが得意なものと苦手なものがあります

歯を横に傾ける動きは比較的進めやすい一方、歯を沈めたり引き出したりねじれを戻したりする動きは力の方向が複雑になるためです。

歯ぐき側へ押し下げる動き、逆に引き出す動き、ねじれた歯を回転させて向きを直す動きなどが代表的な例になります

こうした動きに対しては、狙った位置に突起を置いて力の向きをコントロールする必要があります。

厚生労働省の情報サイトでも、透明な樹脂でできた取り外し式の矯正装置についてはマルチブラケット装置の治療効果には劣るものの効果があると報告されており、ある種の不正咬合に効果を発揮すると位置づけられています[1]。

苦手な動きを補う工夫が組み込まれていると知れば、装置の必要性に納得しやすくなります。

装置の浮きを防いで密着させる

アタッチメントには、マウスピースの浮きを防ぐ役割もあります

丸みのある歯や背の低い歯はマウスピースが滑りやすく、歯との間にすき間ができてしまうためです。

装置が浮いた状態では計画どおりの力がかからず、歯が動かないまま次の装置に進むことになります。

浮きが続くと治療全体がずれ、装置を作り直す事態につながることもあります。

歯の表面に突起があることでマウスピースが引っかかり、装着したときの密着度が保たれます。

装置がぴたりと収まる感覚は装着の目安にもなりますので、日々の確認にも役立つでしょう。

アタッチメントを付ける流れとタイミング

アタッチメントをいつ、どのように付けるのかが分からないままだと、通院日が近づくほど不安になります

歯を削るのか、痛みはあるのか、その日はどのくらい時間がかかるのか、気になる点は多いですよね。

装着は歯科医院で行われる短時間の処置であり、麻酔を必要とする内容ではありません。

治療計画に沿って位置と数があらかじめ決まっているため、その場で急に増えることも基本的にはありません。

装着までの流れと、当日に行われる処置の内容を確認していきましょう。

治療のどの段階で付けるのか

アタッチメントは、治療が始まって間もない時期に取り付けられます

最初の数枚のマウスピースで歯の動きを確認したうえで、本格的に力をかける段階へ進むためです。

治療開始から1か月前後、2枚目や3枚目のマウスピースに移るタイミングで装着するケースが多くみられます

最初の1枚目から付ける場合もあり、歯並びの状態と治療計画によって時期は前後します。

矯正治療では検査によって不正咬合の成り立ちが明らかにされ、そのうえで治療方針が決まる流れが基本とされています[1]。

いつ付けるのかは計画の一部として決まっていますので、相談の段階で確認しておくと予定を立てやすくなります。

付けるときに行われる処置

装着の処置では、歯を削ることはありません

歯の表面に樹脂を接着する方法で取り付けるため、歯を形づくり直す必要がないためです。

まず歯の表面の汚れを落とし、接着しやすい状態に整えたうえで水洗と乾燥を行います

続いて、アタッチメントの形が刻まれた専用のマウスピースに樹脂を流し込み、それを歯にかぶせて光を当てて硬めます

その後にマウスピースを外すと、歯の表面に突起だけが残る仕組みです。

麻酔を使わずに済み、1回の通院で完了する処置ですので、身構えすぎる必要はないでしょう。

数や位置が人によって違う理由

付けるアタッチメントの数は、数個で済む方から10個以上になる方まで幅があります

動かしたい歯と動かす方向が一人ひとり違い、必要な突起の位置もそれに応じて変わるためです。

大きく動かす予定の歯や、ねじれを直す必要のある歯には、優先して取り付けられる傾向があります

奥歯を土台として使う治療では、動かさない歯にも支えの役割として付けられることがあります。

矯正治療では、骨格・歯槽・機能のどこに問題があるのかを検査で明らかにしたうえで方針が決まります[1]。

数が多いと言われても治療が難しいという意味ではありませんので、目的をたずねてみると納得しやすくなります。

アタッチメントはいつまで付けるのか

治療中ずっと付けたままなのか、途中で外せるのかは、多くの方が気にする点です。

大切な行事の予定があると、その日だけでも外したいと考えてしまいますよね。

アタッチメントは歯を動かすための装置であるため、装着する期間は治療の進行と結びついています。

自己判断で外すことはできず、着脱はすべて歯科医院で行われます。

装着期間の考え方と、外すときの流れを整理していきます。

装着している期間の目安

アタッチメントは、歯を動かす期間が終わるまで付けたままになります

歯に力を伝える役割を担っている以上、途中で外すと計画どおりに動かなくなるためです。

矯正治療には歯を動かす期間と、動かした位置を保つ保定期間があり、アタッチメントが必要なのは前者にあたります。

部分的に整える治療では半年から1年程度、歯列全体を動かす治療では1年半から3年程度が期間の目安になります

結婚式や成人式など特別な予定がある場合、事前に相談すれば時期を調整できることもあります。

長く付き合う装置ではあるものの、治療が終われば外れるものだと分かっていれば気持ちの持ちようが変わります。

治療の途中で位置や数が変わることがある

アタッチメントは、治療の途中で付け替えられる場合があります

歯が動くにつれて必要な力の向きが変わり、それに合わせて突起の位置も見直されるためです。

前半で必要だった突起が後半では不要になり、外したまま治療を続けることもあります

反対に、動きが計画から遅れている歯に対して新しく追加されるケースもみられます。

治療計画を作り直す際には、装置全体の設計とあわせて位置が組み替えられます。

付け替えは治療が進んでいる証でもありますので、増減があっても不安になりすぎる必要はありません。

外すときの処置と外したあとの感覚

アタッチメントを外す処置も、歯科医院で行われます

歯の表面に接着した樹脂を専用の器具で削り取り、表面をなめらかに磨き上げる作業になるためです。

処置そのものは短時間で終わり、麻酔を使うことはほとんどありません

外した直後は歯の表面にざらつきや違和感が残ることがありますが、多くの場合は数日で気にならなくなります

樹脂を落としたあとに歯の色の差が気になる場合は、清掃や研磨で対応できることもあります。

違和感が長く続くようであれば我慢せずに伝えておくと、早い段階で対応してもらえます。

見た目はどのくらい目立つのか

マウスピース矯正を選んだ理由が見た目である方にとって、アタッチメントの存在は気がかりです。

歯の表面に何かを付けると聞いて、話が違うと感じた方もいるのではないでしょうか。

実際の見え方は装置の色と位置によって変わり、まったく分からないわけでも、はっきり見えるわけでもありません。

写真を撮る仕事や人前に立つ機会が多い方ほど、事前に把握しておきたい部分です。

目立ちやすさの実際と、気になるときの相談の仕方を確認していきます。

色と素材による目立ちにくさ

アタッチメントは、歯に近い色の樹脂でできているため目立ちにくい装置です。

歯の詰め物と同じ材料が使われ、歯の色に合わせて選ばれているためです。

会話をする程度の距離では、突起が付いていることに気づかれないケースがほとんどです

一方で光の当たり方や角度によっては、歯の表面に凹凸があることが分かる場面もあります。

治療中はマウスピースがその上を覆っているため、装置が直接見えるのは食事や歯磨きで外している時間に限られます

金属の装置とは見え方がまったく違いますので、想像していたほど気にならないと感じる方も多いようです。

前歯に付いた場合の見え方

前歯にアタッチメントが付くと、奥歯の場合より視線に入りやすくなります

会話や笑ったときに見える位置であり、光を受けやすい面でもあるためです。

前歯のねじれを直す治療や、前歯を引き出す動きが必要な治療では、この位置に付けられることがあります

歯の表面のどのあたりに置くかによっても見え方は変わり、歯ぐきに近い位置であれば目立ちにくくなります。

上の前歯は唇の動きで隠れる時間も長く、常にはっきり見えているわけではありません。

どの歯に付くのかは治療計画の段階で決まっていますので、事前に確認しておけば心の準備ができます。

見た目が気になるときの相談の仕方

見た目の不安がある場合は、治療を始める前に伝えておくことをおすすめします

装置の位置や形には設計上の選択肢があり、目的を保ちながら調整できる場合があるためです。

伝えるときは「目立たせたくない」だけでなく、いつ、どの場面で気になるのかまで具体的に話すと検討しやすくなります

人前に立つ予定が決まっている場合は、その時期を伝えておくと計画に反映されることもあります。

ただし見た目を優先して必要な装置を減らすと、歯が計画どおりに動かず治療が長引く可能性があります。

希望と治療結果の両方を天秤にかけたうえで、納得できる落としどころを一緒に探る姿勢が役立ちます。

日常生活で気をつけたいこと

アタッチメントが付くと、これまでの生活が大きく変わるわけではありません

とはいえ、知らずに続けていると装置を傷めてしまう習慣もあります。

装置は歯の表面に接着されているだけのため、力のかかり方によっては外れることがあります。

樹脂という材料の性質上、着色にも注意が必要です。

食事、歯磨き、着色の3つの場面に分けて、押さえておきたい点を整理します。

食事のときの注意点

食事の際は、必ずマウスピースを外してから食べます

装着したまま噛むと装置に強い力がかかり、マウスピースの破損やアタッチメントの脱落につながるためです。

硬い食べ物を前歯で噛み切る動作は、アタッチメントに直接力が加わりやすい場面になります。

おせんべいやフランスパン、氷などは、装置が付いている歯を避けて噛むといった工夫が役立ちます

キャラメルやガムのように粘着性のある食品は、装置を引っ張って外す原因になることがあります。

食べられないものが増えるわけではありませんので、噛み方を少し意識するところから始めてみてください。

歯磨きとお手入れの方法

アタッチメントの周りは、意識して磨く必要があります

歯の表面に凹凸ができることで、その境目に汚れがたまりやすくなるためです。

プラークは粘着力があり水に溶けないため、うがいだけでは取り除けず、歯ブラシで機械的に落とすことが基本とされています[2]。

歯と歯の間のプラークはブラッシングだけでは落としにくく、歯間ブラシやデンタルフロスの併用がすすめられています[2]。

強くこすりすぎると装置に負担がかかるため、毛先を当てて小刻みに動かす磨き方が向いています。

食後にマウスピースを戻す前のひと手間が、治療中の虫歯を防ぐ確実な方法になります。

着色してしまったときの対応

アタッチメントは、色の濃い飲食物によって着色することがあります

歯科用の樹脂は歯そのものより色素を吸着しやすく、時間とともに変色が目立つようになるためです。

コーヒー、紅茶、カレー、赤ワインなどは、着色の原因になりやすい代表的な飲食物です。

飲食のあとに歯磨きやうがいをしておくだけでも、色素が留まる時間を短くできます。

自分で削ったり漂白剤を使ったりすると装置を傷めるため、気になる場合は歯科医院に相談してください

着色は治療の効果に直接影響するものではありませんので、必要以上に気に病まなくても大丈夫です。

アタッチメントが取れたときの対処

治療中にアタッチメントが取れることは、決して珍しい出来事ではありません

食事の最中に何かが外れた感覚があると、それだけで焦ってしまいますよね。

外れたこと自体は治療の失敗ではなく、対応の仕方さえ知っていれば落ち着いて処理できます。

一方で、放置してよいものでもないため、気づいた時点での行動が大切になります。

気づいたときの対処と、放置した場合に起こることを整理していきます。

取れたことに気づいたらすること

アタッチメントが取れていることに気づいたら、まず歯科医院へ連絡します

外れた状態のまま治療を続けると、その歯に予定していた力がかからなくなるためです。

舌で歯の表面をなぞったときに突起がない、マウスピースの装着感が変わったといった変化が気づくきっかけになります

連絡の際は、どの歯のアタッチメントがいつ取れたのかを伝えると、来院までの過ごし方を案内してもらえます。

外れた樹脂を持参する必要はなく、同じものを再び接着するのではなく新しく作り直す形になります

次の通院日が近い場合はそのまま待つよう案内されることもありますので、自己判断せずに確認しておきましょう。

そのまま放置するとどうなるか

取れたまま長期間過ごすと、治療計画にずれが生じます

アタッチメントが担っていた力が失われ、その歯だけが計画どおりに動かなくなるためです。

歯が予定の位置まで動かないと、次のマウスピースが合わなくなり、装置が浮いた状態になります

浮きが続けば全体の進行が滞り、最終的に装置を作り直して計画を組み直すことにもつながります。

作り直しが発生すると、追加の費用と治療期間が上乗せされる可能性があります

数日で大きく状況が変わるものではありませんので、慌てず、けれど先延ばしにしない姿勢が結果を守ります。

飲み込んでしまった場合の考え方

取れたアタッチメントを飲み込んでしまうことがあります

装置は小さく、外れた瞬間に気づかないまま食事や飲み物と一緒に流れてしまうためです。

大きさは米粒程度で角の丸い樹脂のため、そのまま便として排出される場合がほとんどです。

ただし飲み込んだあとに腹痛が続く、吐き気が出るといった症状があれば、医療機関を受診してください。

誤って気管に入り込んだ場合は激しくむせたり咳が止まらなくなったりすることがあり、この場合は速やかな受診が必要です。

多くは心配のいらない出来事ですが、体調に変化があれば我慢せず相談することが安心につながります。

痛みや違和感が出たときの対応

アタッチメントを付けたあとに、これまでと違う感覚が出ることがあります

痛みが続くと、このまま治療を進めてよいのか不安になりますよね。

多くは装置に慣れる過程で起こる一時的なもので、時間とともに落ち着いていきます。

一方で、我慢を続けないほうがよい変化もあります。

代表的な3つの場面について、対応の目安を確認していきます。

付けた直後に感じる違和感

装着した直後は、舌が触れるざらつきや口の中の窮屈さを感じます

これまで平らだった歯の表面に凹凸ができ、舌がその変化を敏感に拾うためです。

装置の位置を舌で何度も確かめてしまい、かえって気になってしまう方もいます。

多くの場合は数日から1週間ほどで慣れ、意識しなくなっていきます

歯そのものの痛みについては、装置の力がかかることで生じるもので、マウスピースの交換直後と同様に落ち着いていきます。

慣れるまでの期間があると分かっていれば、初日の違和感にも構えすぎずに済むでしょう。

マウスピースが外しにくくなったとき

アタッチメントが付くと、マウスピースが外しにくくなります

突起とくぼみがしっかりかみ合う構造になり、密着度が上がるためです。

外すときは奥歯側から少しずつ浮かせ、前歯に向かって順に外していく方法が基本になります

爪を立てて一気に引っ張ると、マウスピースが割れたりアタッチメントが外れたりする原因になります

市販の着脱用の器具を使う方法もありますが、扱い方は歯科医院で教わってから使うほうが確実です。

外し方は慣れの部分も大きいため、うまくいかないうちは通院時に実演してもらうと感覚をつかめます。

口内炎ができたときの対処

アタッチメントの位置によっては、頬の内側や唇が擦れて口内炎ができることがあります

歯の表面に凸部があることで、粘膜がその角に繰り返し当たるためです。

同じ場所に何度も口内炎ができる場合は、装置の角を丸く整えることで改善するケースもあります

痛みが強いときは、刺激の強い食べ物を避け、患部を清潔に保つことで治りを待ちます。

1週間以上治らない、同じ場所が繰り返し傷つくといった状況であれば、通院時に伝えておきましょう

我慢を重ねると装着時間そのものが減ってしまいますので、早めの相談が治療を守ることにつながります。

アタッチメントを付けない矯正との違い

マウスピース矯正のなかには、アタッチメントを付けない前提のプランもあります

装置が少ないほうが楽そうだと感じる方もいるのではないでしょうか。

付けるか付けないかは手軽さの違いではなく、対応できる治療範囲の違いとして現れます。

自分の歯並びがどちらに当てはまるのかを知らないまま選ぶと、期待した結果に届かないことがあります。

両者の違いと、医院を選ぶときの確認方法を整理していきます。

付けない治療が成り立つケース

アタッチメントを使わずに進められる治療も存在します

歯を動かす距離が短く、傾ける程度の単純な動きで済む場合には、マウスピース単体でも力が伝わるためです。

前歯の軽いすき間を閉じる治療や、わずかな凸凹を整える部分的な治療が、その代表にあたります

治療後に少しだけ後戻りした歯を元の位置へ戻す場合も、装置を必要としないことがあります。

期間が数か月と短く、動かす歯の本数も限られるプランでは、設計上不要と判断される場面があります。

自分の希望する仕上がりがこの範囲に収まるのかどうかが、判断の分かれ目になります。

対応できる歯並びの範囲の違い

アタッチメントの有無は、対応できる歯並びの幅に直結します

歯を沈める動きや引き出す動き、ねじれを戻す動きには、力の向きを制御する突起が欠かせないためです。

奥歯の噛み合わせまで含めて動かす治療では、支えとなる歯の固定も必要になります

装置を使わない設計では、こうした動きが計画に組み込めず、前歯の見た目を整えるところまでが対象になりやすくなります。

永久歯が生えそろった年齢で歯を並べ直す治療には、マルチブラケット装置が広く用いられている点も押さえておきたいところです[1]。

装置の少なさで選ぶのではなく、目指す仕上がりから逆算して選ぶと後悔が減ります。

医院を選ぶときに確認しておきたいこと

医院を選ぶ段階では、治療のゴールと装置の設計をあわせて確認します

同じマウスピース矯正という名称でも、対象とする範囲が医院やプランによって異なるためです。

アタッチメントを使うのか、使わない場合はどこまで動かせるのか、噛み合わせまで整える計画なのかを聞いておきます

取れた際の付け直しに費用がかかるのか、総額に含まれるのかも、確認しておきたい実務的な項目です。

マウスピース型の矯正装置には薬機法上の承認を受けていないものがあり、未承認の医薬品等を用いる自由診療の広告では、未承認である旨や入手経路、国内に承認された同様のものがあるか、諸外国での安全性に関する情報などを明示することが求められています[3]。

医院のサイトにこうした記載があるかを見ておくと、説明の丁寧さを見極める手がかりになります。

マウスピース矯正のアタッチメントに関するよくある質問

Q:アタッチメントは必ず付けなければいけませんか?

A:必須ではありませんが、多くの治療計画では使用が前提になっています

歯を沈める動きやねじれを戻す動きには、力の向きを制御する突起が必要になるためです。

付けない選択をした場合に治療結果がどう変わるのかを、担当の歯科医師に確認してください。

Q:取れてしまった場合、付け直しに費用はかかりますか?

A:医院の料金体系によって扱いが異なります

治療費に含まれている医院もあれば、1回あたり数千円程度の再設置費用が必要になる医院もあります。

契約前に、紛失や脱落時の費用がどう扱われるのかを確認しておくと安心です。

Q:アタッチメントを付けたまま食事をしてもよいですか?

A:アタッチメントは歯に固定されているため、外さずに食事をします

一方でマウスピースは必ず外してから食べてください。

装着したまま噛むと、装置の破損やアタッチメントの脱落につながります。

Q:前歯に付くと言われましたが目立ちませんか?

A:歯に近い色の樹脂のため、会話をする距離では気づかれにくい装置です。

ただし光の当たり方によっては凹凸が分かることもあります。

見た目が気になる場合は、位置の調整が可能かどうか事前に相談してみてください。

まとめ

アタッチメントは、歯の表面に接着する米粒ほどの小さな樹脂の突起です。

マウスピース単体では届きにくい力を補い、歯を沈める動きやねじれを戻す動きに対応する役割を担っています。

装着するのは歯を動かす期間のあいだで、治療の進行に合わせて位置や数が変わることもあります。

歯に近い色の材料が使われるため目立ちにくい一方、前歯に付いた場合は角度によって見えることがあります

食事のときはマウスピースを外し、装置の周りは歯間ブラシやデンタルフロスを併用して清潔に保ちましょう[2]。

取れた場合は放置せず歯科医院へ連絡し、治療計画がずれる前に対応してもらうことが大切です。

装置の役割を知ったうえで治療に臨めば、日々の不安も軽くなりますので、疑問は遠慮なく担当の歯科医師に相談してみてください。

参考文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合の治療法の概要」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-06-002.html

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「プラーク/歯垢」

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/teeth/yh-031

[3] 厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A」(平成30年8月作成)

https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

治療に関しては必ず歯科医師にご相談ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。

※歯科医師の判断により、ご希望の治療を行えない場合があります。