過蓋咬合の矯正方法は?治すとしゃくれる噂の真相と費用・期間を解説

噛み合わせが深いと言われ、「過蓋咬合の矯正をすると、しゃくれたり顔が伸びたりするのだろうか」と不安になっていませんか?

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上の前歯が下の前歯を深く覆いすぎて、下の前歯がほとんど見えない噛み合わせのことです

矯正で治すと顔が変わるという声もありますが、実際に骨が突出したり顔が伸びたりするわけではなく、多くは誤解とされています

この記事では、過蓋咬合の矯正方法や顔の変化の真相、費用や期間、保険や子どもの治療までを、一般の方にもわかりやすく解説していきます。

過蓋咬合とは?矯正の前に知っておきたい基本

過蓋咬合の矯正について知る前に、まずは過蓋咬合とはどんな状態なのかを押さえておくと、治療の話も理解しやすくなります

聞き慣れない言葉ですが、じつはめずらしくない噛み合わせのひとつです

自分やお子さんの状態がこれにあたるのか、確認する手がかりにもなります。

まずは、過蓋咬合の基本から確認していきましょう。

上の前歯が下の前歯を深く覆う噛み合わせ

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、ディープバイトとも呼ばれ、噛み合わせが通常よりも深い状態のことです

正常な噛み合わせでは、上の前歯が下の前歯を、2〜3mmほど軽く覆う程度になっています

しかし過蓋咬合では、その覆いが深く、噛んだときに下の前歯がほとんど見えなくなってしまいます。

なかには、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきに当たってしまうほど、深く噛み込んでいるケースもあります。

見た目では気づきにくいこともあり、自分では正常だと思っていても、じつは過蓋咬合だったということもあります。

まずは、過蓋咬合とは「上の前歯が下の前歯を深く覆いすぎている噛み合わせ」なのだと知っておくとよいでしょう。

主な原因(顎の成長バランス・指しゃぶりなど)

過蓋咬合は、いくつかの原因が組み合わさって起こることが多いとされています

ひとつは、上あごと下あごの成長のバランスの違いです

あごの発育のバランスが崩れると、噛み合わせが深くなることがあります。

また、乳児期の指しゃぶりなどの癖も、歯並びや噛み合わせに影響し、過蓋咬合の一因になることがあるとされています。

さらに、奥歯の高さが十分でないことや、前歯が内側に倒れていることなども、噛み合わせが深くなる原因になります。

このように、過蓋咬合には歯の傾きによるものと、あごの骨格によるものがあり、原因によって治療の考え方も変わってきます。

過蓋咬合を放置するとどうなる?矯正が必要な理由

過蓋咬合を放置することには、いくつかのリスクがあります

「過蓋咬合は問題ないのでは」「痛くないから放っておいてもよいのでは」と考える方もいるかもしれません。

矯正が必要とされる理由を知っておくと、治療を考えるきっかけになります

ここでは、過蓋咬合を放置するとどうなるのかを整理していきます。

歯の摩耗・歯ぐきへの負担

過蓋咬合を放置すると、歯や歯ぐきに負担がかかることがあります

噛み合わせが深いと、上下の前歯が強くこすれ合い、歯がすり減ったり、欠けたりしやすくなります

また、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきに当たっていると、その部分の歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。

深く噛み込むたびに歯ぐきに負担がかかり、炎症の原因になることもあります。

こうした状態が続くと、歯や歯ぐきの健康に影響が出てしまいます。

前歯の噛み合わせが深いと感じるときは、こうしたリスクにも気を配りたいところです。

顎関節症・虫歯や歯周病のリスク

過蓋咬合は、あごの関節や、口の中の健康にも関わることがあります

噛み合わせが深いと、下あごの動きが制限され、奥歯や顎関節に過度な負担がかかりやすくなります

その結果、あごの関節に痛みや音が出る顎関節症のリスクが高まることがあるとされています。

また、噛み合わせが深いと歯みがきがしにくい部分ができ、汚れがたまりやすくなることもあります。

歯ぐきへの負担とあわせて、虫歯や歯周病のリスクにつながることも考えられます。

こうしたトラブルを防ぐためにも、過蓋咬合は放置せず、気になるときは早めに相談することがすすめられます。

過蓋咬合の矯正はどうやって治す?治療の仕組み

過蓋咬合の治療には、いくつかの歯の動かし方があり、それらを組み合わせて進めていきます

過蓋咬合の矯正では、深くなった噛み合わせを、どのように整えていくのでしょうか。

治療の仕組みを知っておくと、矯正方法の話も理解しやすくなります

ここでは、過蓋咬合の矯正の基本的な考え方を見ていきましょう。

奥歯を引き出す・前歯を押し込む・前歯を傾ける

過蓋咬合の治療では、主に三つのアプローチを組み合わせて、噛み合わせの深さを調整していきます

一つ目は、沈んでしまった奥歯を上方向に引き出して、奥歯の高さを出す方法です

奥歯の高さが出ると、前歯の噛み込みが浅くなり、噛み合わせの深さが改善されます。

二つ目は、伸びすぎた前歯を歯ぐきの方向に押し込む方法です。

これは「圧下(あっか)」と呼ばれ、前歯を沈めることで、下の歯を覆う面積を減らします。

三つ目は、内側に倒れている前歯を外側に傾けて、噛み合わせの深さを調整する方法です。

実際の治療では、これらを単独ではなく、状態に応じて組み合わせて行うことがほとんどです。

深い噛み合わせは矯正の中でも難しいとされる

過蓋咬合の矯正は、じつは矯正治療のなかでも難易度が高いとされています

というのも、深い噛み合わせを浅くするためには、歯を上下方向に動かす、繊細なコントロールが必要になるためです

とくに、前歯を押し込む圧下という動きは、歯を動かすなかでも難しい動きのひとつとされています。

そのため、精密な検査で、過蓋咬合が歯の傾きによるものか、あごの骨格によるものかを正確に診断することが大切になります。

原因を正しく見きわめたうえで、その状態に合った治療計画を立てることが、良い結果につながります。

だからこそ、過蓋咬合の矯正は、経験のある歯科医師のもとで、しっかり検査を受けてから始めることが大切だといえます。

過蓋咬合の矯正方法|マウスピースとワイヤー

過蓋咬合の矯正には、いくつかの方法があります

それぞれに特徴があり、噛み合わせの状態や原因、ライフスタイルによって、向き不向きがあります

方法を知っておくと、自分に合った治療を考える手がかりになります。

ここでは、代表的な矯正方法を見ていきましょう。

マウスピース矯正(軽度〜中等度・目立たない)

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を使って歯を動かす方法です

装置が透明で目立ちにくく、取り外しができるため、食事や歯みがきがしやすいといった特徴があります

過蓋咬合の治療では、内側に倒れた前歯を外側に傾ける動きが得意とされ、軽度から中等度のケースで用いられることがあります。

一方で、歯並びの状態によっては対応できる範囲に制限があることや、装着時間を自分で管理する必要があるといった面もあります。

マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が基本とされ、これを守らないと計画どおりに歯が動かないことがあります。

自分の過蓋咬合がマウスピース矯正で対応できるかどうかは、精密な検査を受けて診断してもらう必要があります。

ワイヤー矯正(幅広い症例に対応)

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置をつけ、そこにワイヤーを通して歯を動かす方法です

矯正のなかでも一般的な方法で、歯の動きを細かくコントロールできるのが特徴です

過蓋咬合で必要となる、前歯を押し込む動きなどにも対応しやすく、軽度から重度まで幅広いケースに用いられます。

そのため、深い噛み合わせの調整にも対応しやすい方法とされています。

一方で、装置が目立ちやすいことや、装着中に違和感や痛みが出やすいこと、歯みがきがしにくいことなどがデメリットとして挙げられます。

なお、目立ちにくい裏側矯正は、噛み合わせが深いと下の歯が装置に当たってしまうことがあり、過蓋咬合では適応にならないケースもあります。

重度・骨格性は外科矯正(手術)も

過蓋咬合のなかには、歯並びだけでなく、あごの骨格そのものが大きく関わっているケースもあります

こうした骨格的な要因が強く、ずれが大きい重度のケースでは、歯を動かす矯正だけでは改善が難しいことがあります

そのようなときには、矯正治療とあわせて、あごの骨に対する外科的な治療、いわゆる手術が必要になることもあります。

この場合は、あごの骨の位置を整える手術を行い、その前後で矯正治療によって歯並びを調整していきます。

矯正歯科と口腔外科が連携しながら、治療を進めていくことになります。

手術が必要かどうかは、精密な検査をしてみないと分からないため、まずは状態を正確に把握することが大切です。

過蓋咬合を治すと「しゃくれる」「顔が伸びる」って本当?

「治すとしゃくれるのでは」「顔が伸びると聞いて不安」という声はとても多く聞かれます

治療によって顔の印象が変わることへの不安から、矯正に踏み出せない方も少なくありません

ここは多くの方が気にされるところなので、ていねいに整理していきます。

ここでは、過蓋咬合を治すと顔がどうなるのか、その真相を見ていきましょう。

実際に骨が突出・顔が伸びるわけではない

過蓋咬合の矯正によって、実際にあごの骨が前に突出したり、顔が伸びたりするわけではありません

矯正治療は歯を動かして噛み合わせを整えるもので、あごの骨を無理に伸ばしたり、突き出させたりする治療ではありません

「しゃくれる」「顔が伸びる」という不安の多くは、こうした誤解にもとづいていることが少なくありません。

実際には、矯正によって顔が長くなったり、あごがしゃくれたりするわけではないと説明されています。

そのため、これらの噂を理由に矯正をためらう必要は、必ずしもないといえます。

まずは、骨が突出したり顔が伸びたりするわけではない、という点を知っておくと安心です。

下顎が本来の位置に戻ることで印象が変わる

「しゃくれる」「顔が変わった」と感じる理由は、深い噛み合わせが改善される過程にあります

過蓋咬合では、深く噛み込むことで、下あごが本来よりも後方に押し込まれた状態になっていることがあります

矯正によって噛み合わせの深さが整うと、後方に押し込まれていた下あごが、本来の自然な位置に戻ります。

すると、これまで見慣れていた顔の印象と変わって見えることがあり、これを「しゃくれた」と感じることがあるのです。

つまりこれは、あごが異常に突き出たのではなく、本来の位置に戻った結果としての、自然な変化だと考えられています。

多くの場合、この変化によって、かえって顔全体のバランスが整うことにつながります。

変化の感じ方には個人差がある|事前シミュレーションも

顔の印象の変化の感じ方には、個人差があります

同じように噛み合わせが整っても、それを自然な変化と感じる方もいれば、印象の違いが気になる方もいます

そのため、治療を始める前に、どのような変化が起こりうるのかを、歯科医師とよく相談しておくことが大切です。

歯科医院によっては、精密検査をもとに、治療後の歯並びや噛み合わせの変化を事前にシミュレーションで確認できるところもあります。

「治療後に顔の印象がどう変わりうるか」をあらかじめ確認できると、安心して治療に進みやすくなります。

顔の変化が気になる場合は、その不安も含めて、遠慮せずに歯科医師に伝えて相談するとよいでしょう。

子どもの過蓋咬合の矯正

過蓋咬合は、子どもにも見られる噛み合わせです

子どもの過蓋咬合は、大人とは治療の考え方が少し異なります

早めに気づいて対応することで、選べる治療の幅が広がることがあります。

ここでは、子どもの過蓋咬合の矯正について整理していきます。

子どもの矯正の大きな特徴は、あごの成長をいかせるという点です。

成長期の子どもは、あごが発達していく途中のため、その成長をコントロールしながら、噛み合わせを整えていくことができます。

あごの成長を利用した治療を行うことで、将来的に外科的な手術が必要になるのを避けられる可能性もあるとされています。

そのため、骨格的な要因が関わる過蓋咬合では、早めの対応が選択肢を広げることにつながります。

また、指しゃぶりなどの癖が関わっている場合には、その癖を改善していくことも大切です。

一方で、子どもの過蓋咬合のなかには、成長にともなって様子を見ていくケースもあります。

どう対応するのがよいかはお子さんの状態によって異なるため、噛み合わせの深さが気になる、下の前歯がほとんど見えないといった様子があるときは、一度矯正歯科や小児歯科で相談してみるとよいでしょう。

一般的には、3〜5歳ごろ以降で気になる症状があれば、早めに相談しておくと安心です。

過蓋咬合は自分で治せる?

結論からお伝えすると、過蓋咬合を自分の力で治すことはできません

歯並びや噛み合わせを整えるには、歯に長時間、持続的な力をかけて、少しずつ動かしていく必要があるためです

とくに過蓋咬合の治療は、前歯を押し込むなど、繊細で難しい歯の動きをともないます。

こうした動きを、自己流でコントロールすることはできず、指で押すなどしても噛み合わせが改善することはありません。

それどころか、自己流で歯に無理な力を加えると、歯や歯の根、歯ぐきを傷めてしまうおそれもあります。

インターネットなどで見た方法を自己判断で試すのは避け、歯科での適切な治療を受けることが大切です。

過蓋咬合が気になるときは、自分で何とかしようとせず、まずは矯正歯科で相談することをおすすめします。

過蓋咬合の矯正費用と期間の目安

過蓋咬合の矯正を考えるとき、費用や期間がどのくらいかかるのかは、気になるところですよね

あらかじめ目安を知っておくと、治療を検討しやすくなります

ここでは、過蓋咬合の矯正費用と期間の考え方を整理していきます。

なお、以下の金額はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は歯科医院や症状の程度によって大きく異なる点にご注意ください。

まず、過蓋咬合の矯正は、多くの場合、保険がきかない自費診療になります。

そのため、費用は歯科医院ごとに独自に設定されており、金額に幅があります。

一般的な目安としては、装置の種類や症状の重さによって、数十万円から130万円程度とされることが多いようです。

過蓋咬合は、前歯だけでなく奥歯からの調整が必要になることが多く、部分的な矯正ではなく、全体の矯正になりやすいとされています。

そのぶん、費用も期間もかかりやすい傾向があります。

治療期間は、症状の程度によって異なりますが、おおむね1年から3年程度が目安とされることが多いようです。

正確な費用や期間は、精密検査を受けたうえで、歯科医院で見積もりや説明を受けて確認することが大切です。

過蓋咬合の矯正に保険は使える?医療費控除も

見た目や噛み合わせの改善を目的とした一般的な矯正治療は、原則として保険がきかない自費診療になります

制度を知っておくと、費用の負担を考えるうえで役立ちます

ここでは、過蓋咬合の矯正と保険、医療費控除について整理していきます。

そのため、通常の過蓋咬合の矯正費用は、全額が自己負担になるのが一般的です。

一方で、一定の条件にあてはまる場合には、保険が適用されることがあります。

たとえば、あごの骨格に大きなずれがあり、外科手術を必要とする「顎変形症」と診断された場合の治療は、保険の対象となることがあります。

また、唇顎口蓋裂など、国が定める特定の疾患にともなう場合も、保険が適用されることがあります。

ただし、これらの保険適用には、決められた条件や、指定された医療機関で受ける必要があるなどの要件があります。

自分のケースが保険の対象になるかどうかは、歯科・矯正歯科で確認することが大切です。

なお、保険がきかない自費の矯正治療でも、噛み合わせの機能を改善するための治療であれば、医療費控除の対象になることがあります[1]。

医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告をすることで所得税などの一部が軽減される制度です[1]。

対象になるかどうかは個別の状況によって異なるため、詳しくは国税庁の情報を確認したり、税務署に相談したりするとよいでしょう[1]。

支払った領収書は、申告に備えて保管しておくと安心です。

気になったら矯正歯科へ|まずは精密検査を

気になったときには、まず精密な検査を受けて、状態を正確に把握することが大切です

過蓋咬合は、矯正のなかでも難易度が高いとされ、原因によって治療の考え方も変わってきます

ここでは、受診についての考え方を整理していきます。

過蓋咬合の治療では、それが歯の傾きによるもの(歯性)か、あごの骨格によるもの(骨格性)かを正確に診断することが、治療の第一歩になります。

そのためには、レントゲンや歯型、口の中のスキャンなどの精密検査を行い、原因や状態を詳しく調べる必要があります。

この診断が正確であるほど、自分に合った治療計画を立てやすくなります。

また、これまで見てきたように、過蓋咬合の矯正では顔の印象の変化が気になる方も多いため、どのような変化が起こりうるかを、治療前に歯科医師とよく相談しておくことが大切です。

希望や不安は遠慮せずに伝え、納得できるまでカウンセリングを受けるとよいでしょう。

子どもの場合は、成長の時期をいかせるかどうかで治療の進め方が変わることがあるため、噛み合わせの深さが気になるときは、早めに相談しておくと安心です。

もちろん、大人になってから過蓋咬合が気になった場合でも、相談するのに遅すぎるということはありません。

まずは一度、矯正歯科で精密検査を受け、自分の状態や治療の選択肢について説明を受けたうえで、治療を検討していくとよいでしょう。

過蓋咬合の矯正に関するよくある質問

Q:過蓋咬合の矯正を治すとしゃくれますか?

矯正によって、実際にあごの骨が突出してしゃくれるわけではありません

深い噛み合わせが整うことで、後方に押し込まれていた下あごが本来の位置に戻り、顔の印象が変わって見えることがあります。

これは自然な変化で、多くの場合はバランスが整いますが、感じ方には個人差があるため、治療前に歯科医師と相談すると安心です。

Q:過蓋咬合はマウスピース矯正で治せますか?

軽度から中等度の過蓋咬合では、マウスピース矯正で対応できるケースがあります

ただし、歯並びの状態や重症度によっては、ワイヤー矯正や外科矯正が必要になることもあります。

自分の過蓋咬合がマウスピース矯正で対応できるかは、精密検査を受けて診断してもらう必要があります。

Q:過蓋咬合の矯正に保険は使えますか?

見た目や噛み合わせの改善を目的とした一般的な矯正治療は、多くの場合、保険がきかない自費診療です

一方で、外科手術を必要とする顎変形症や、国が定める特定の疾患にともなう場合は、保険が適用されることがあります。

保険の対象になるかは条件によって異なるため、歯科・矯正歯科で確認しましょう。

Q:過蓋咬合は自分で治せますか?

過蓋咬合を自分の力で治すことはできません

歯を動かすには長時間の適切な力が必要で、とくに過蓋咬合は繊細で難しい歯の動きをともなうため、自己流では改善できません。

自己流で力を加えると歯を傷めるおそれがあるため、矯正歯科で相談することが大切です。

まとめ

過蓋咬合(かがいこうごう)とは、上の前歯が下の前歯を深く覆いすぎて、下の前歯がほとんど見えない噛み合わせのことです

放置すると、歯の摩耗や歯ぐきへの負担、顎関節症、虫歯や歯周病などのリスクがあるため、早めの対応がすすめられます

矯正では、奥歯を引き出す・前歯を押し込む・前歯を傾けるといった動きを組み合わせて、深い噛み合わせを整えていきます。

治療方法には、軽度〜中等度に用いられるマウスピース矯正や、幅広い症例に対応するワイヤー矯正があり、重度・骨格性では手術が必要になることもあります。

「治すとしゃくれる・顔が伸びる」という不安の多くは誤解で、実際は後方に押し込まれていた下あごが本来の位置に戻る自然な変化とされていますが、感じ方には個人差があります。

過蓋咬合は自分で治すことはできず、費用や期間、保険の可否も状態によって異なるため、まずは精密検査を受けることが大切です。

噛み合わせの深さや顔の変化が気になるときは、一人で悩まず、矯正歯科で相談していきましょう。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断・治療や特定の医療機関・治療法を推奨するものではありません。過蓋咬合の治療方法や顔の変化、費用、保険適用の可否は、実際に診察してみないと判断できません。記載の費用はすべて目安です。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科・矯正歯科などの医療機関にご相談ください。

参考文献

[1] 国税庁「医療費控除の対象となる医療費(No.1122)」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康(歯並び・噛み合わせに関する情報)」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/