日常のクセが決める危険。歯の接触習慣と下顎安静位の重要性
こんにちは。渋谷道玄坂の歯医者、アンデルト歯科・矯正歯科 渋谷 道玄坂通の歯科医師、若松怜子です。
前回夜間の歯ぎしりについてご説明しましたが、今回は日中の食いしばりについてご説明していきたいと思います。
日中の食いしばりは、Tooth Contact Habit (TCH)という病名がつけられており、日常生活において無意識に歯を接触させる習慣を許容している状態をさします。
普段の生活に影響は出にくいですが、散り積もって大きな影響が出る場合があります。
❝噛んでいる状態が普通じゃないの?❞と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この病気の理解のために、下顎安静位という状態も大きく関わってくるので、一緒に説明していきますね。
Tooth Contact Habit(TCH)の概要
TCHは、覚醒時に無意識のうちに行われることが多く、特にストレスや集中していることが見られます。
これは、不安や緊張から来る身体的な反応の一部として現れます。
日中に行われるため、慢性的な顎の痛みや歯の摩耗、歯肉退縮、そして時々顎関節症の原因になります。
下顎安静位との関連
下顎安静位とは、咬み合わせず2~3㎜空いた状態の顎の位置さします。
この位置は、上下の歯が接触せずに、筋肉が最もリラックスしている状態であり、顎関節にかかるストレスが最も小さくなるのが特徴です。
理想的には、人間の顎はこの安静位置に自然と落ち着くべきなのですが、TCHを持つ人々はこの自然な姿勢を認めることが難しかったり、咬み合わさっていることが普通と思っていることがあります。
TCHの影響
筋肉や顎関節に慢性的な緊張や圧力がかかることで、顎関節症に発展する可能性があります。
これにより顎の痛み、顎の動きの制限、そして食べるときの不快感また、歯の疲労などの消耗により、歯が短くなる、敏感になる、または破損しやすいこともあります。
対策と治療
TCHの管理と治療には、意識の向上と行動の修正が必要です。
以下に、効果的なアプローチをいくつか挙げます:
1. 意識付け:かみ合わないことが通常であることを意識させ、リラックスした下顎の位置に注意を向けさせることが重要です。これは、毎日中に定期的に顎の位置をチェックする必要があります。具体的には、上の前歯の裏側に舌を添わせておくと、自動的に奥歯はかみ合わない状態にすることができます。
2. ストレス管理: ストレスが主な引き金である場合、ストレス管理技術を学ぶことが有効です。瞑想、ヨガ、深呼吸法などが有効であると報告されています。
3. 物理療法: 物理療法、顎の筋肉を強化し、リラックスさせることも推奨されます。これには、顎のストレッチや強化エクササイズが含まれます。
4. マウスピースの使用:夜間の歯ぎしりでおすすめさせていただいたマウスピースの使用は、TCHにも有効です。これは、歯の摩耗を防ぎ、顎関節への圧力を軽減します。
まとめ
いかがだったでしょうか。
このように何気ないことですが、普段の習慣が大きな症状に発展しかねないのです。
下顎安静位の理解と維持は、TCHによる悪影響を考慮して重要な鍵となります。
歯の健康を守るため、意識して過ごしていきましょう。
アンデルトでは、マウスピースの製作や、姿勢の評価など行っております。
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