歯根破折の症状は?神経のない歯に多い理由と気づきにくいサインを解説

神経を抜いたはずの歯に症状が出て、これは歯根破折なのかと気になっていませんか。
歯根破折は、神経を抜いてもろくなった歯に起こりやすく、割れ目から入った細菌によってさまざまな症状があらわれます。
とくに神経のない歯では、痛みを感じ取る働きが失われているため、初期は症状が乏しく気づきにくいのが特徴です。
噛むと痛い、歯ぐきが腫れるといった変化があると、神経がないのになぜだろうと不安になりますよね。
とはいえ、噛んだときの痛みや歯ぐきのできものなど、気づくための手がかりはいくつかあります。
この記事では、神経のない歯に歯根破折が起こりやすい理由や、あらわれやすい症状、気づきにくいサインまでをやさしく整理しますので、心当たりのある方はぜひ参考にしてください。
神経のない歯に歯根破折が起こりやすいのはなぜ?
歯根破折は、神経を抜いた歯にとくに起こりやすいトラブルです。
神経を取り除いた歯は、健康な歯に比べてもろくなるうえ、力の加減を感じ取る働きも失われるため、日々の噛む力の積み重ねで割れやすくなるためです[1]。
実際に、割れが原因で抜歯にいたった歯の多くが、過去に神経を抜いた歯だったと報告されています。
なぜ神経のない歯にこれほど多いのか、その理由を知っておくと、自分の歯を守るための意識にもつながります。
神経を抜いた歯は枯れ木のようにもろくなる
神経を抜いた歯は、枯れ木のようにもろくなり、割れやすい状態になります。
歯の神経は、痛みを感じるだけでなく、血管を通じて歯に水分や栄養を届ける役割も担っており、これを取り除くと歯が乾いて弾力を失ってしまうためです[1]。
生きた木がしなって力を逃がすのに対し、枯れた木がポキッと折れやすいように、水分を失った歯は加わった力を受け流せずに割れてしまいます。
さらに、神経を抜く治療では歯を大きく削ることが多く、残った歯質が薄くなるぶん、いっそう力に弱くなっています。
こうしたもろさが積み重なることで、健康な歯なら耐えられる力でも、神経のない歯では割れにつながってしまいます。
噛む力を感知するセンサーを失う
神経を抜いた歯は、噛む力を感じ取るセンサーの働きも失ってしまいます。
歯の神経には、噛んだときの力の強さを感じ取り、強すぎる力に対して「これ以上は危ない」と体に伝える役割もあり、これを失うと過剰な力に気づけなくなるためです。
そのため、神経のない歯では、知らないうちに強い力で噛んでしまったり、歯ぎしりや食いしばりの負担をそのまま受け止めてしまったりします。
力の加減を調整する働きが失われることで、歯にかかる負担が積み重なり、割れの引き金になっていきます。
痛みという警告も、力の感知という調整機能もない状態で使い続けることが、破折のリスクを高めていると考えられます。
金属の土台が根を内側から押し広げる
神経を抜いた歯に入っている金属の土台も、割れを招く一因になります。
神経を取った歯には、失われた部分を補うために土台を入れることが多く、これが硬い金属でできている場合、噛むたびに根を内側から押し広げるような力をかけてしまうためです。
硬い金属の土台は、しなやかさを失った根に対してくさびのように働き、その力が長い年月をかけて蓄積することで、根が割れてしまうことがあります。
近年は、こうした負担をやわらげるために、弾力のある素材の土台が用いられることも増えています。
過去に金属の土台を入れた歯がある方は、その歯が割れやすい条件を抱えていることを知っておくとよいでしょう。
神経のない歯の歯根破折で現れる症状
神経のない歯に歯根破折が起こると、割れ目から入った細菌によってさまざまな症状があらわれます。
歯の内部に神経がなくても、歯の根の周りには感覚のある組織や骨があり、そこに感染が及ぶことで、痛みや腫れ、膿といった変化が体の側にあらわれるためです。
これらの症状を知っておくと、神経のない歯に起きた異変が歯根破折によるものかを疑う手がかりになります。
ここでは、代表的な症状を見ていきましょう。
噛むと痛い・押すと痛い
神経のない歯の歯根破折でよく見られるのが、噛むと痛い、押すと痛いという症状です。
割れた部分が噛む力や圧を受けるたびにわずかに動き、その動きが炎症を起こした歯の周りの組織を刺激するため、噛んだときや押したときに痛みとして伝わるためです。
ふだんは痛みがなくても、食事でその歯を使ったときや、指で押したときにだけズキッと痛む、といった変化が繰り返しあらわれることがあります。
神経がないのに噛むと痛いのは、歯の内部ではなく、根を包む組織や周囲の骨で炎症が起きているためです。
特定の歯で噛んだときの痛みが続くなら、その裏に歯根破折が隠れている可能性を考えておくとよいでしょう。
歯ぐきの腫れ・できもの(フィステル)・膿・口臭
歯ぐきの腫れやできもの、膿、口臭も、神経のない歯の歯根破折を疑わせる症状です。
割れ目から入った細菌が根の周りで膿を作り、その膿が骨を通って歯ぐきの表面に出口を求めると、腫れやできものとしてあらわれるためです。
この膿の出口はフィステルと呼ばれ、歯ぐきにニキビのような白っぽいふくらみとしてでき、押すと膿が出たり、体調によって出たり引っ込んだりを繰り返したりします。
膿がたまると独特の嫌な臭いを感じることもあり、口の中の不快感が続く原因になります。
フィステルは痛みをともなわないことも多いため見過ごされがちですが、内側で感染が進んでいる大切なサインです。
同じ場所の腫れやできものを繰り返している場合は、その奥に歯根破折が隠れていることも多いため、早めに確かめておくことが大切です。
歯がぐらつく・何もしなくてもズキズキする
歯のぐらつきや、何もしなくてもズキズキする痛みも、進行した歯根破折の症状です。
割れによって歯を支える組織や骨が失われると歯が動きやすくなり、また炎症が強まると、噛んでいなくてもうずくような痛みが続くようになるためです。
割れが進んで歯を支える力が弱まると、その歯だけがぐらぐらと揺れ、硬いものが噛みにくくなることがあります。
炎症が強い時期には、じっとしていてもズキズキと痛み、夜眠れないほどつらくなることもあります。
こうした症状は、破折がかなり進んだ段階であらわれることが多いため、ここまで来る前の小さなサインで気づくことが望まれます。
神経のない歯の歯根破折は気づきにくい
神経のない歯の歯根破折は、初期に症状が乏しく、気づきにくいという特徴があります。
痛みを感じ取る神経が歯の内部にないため、割れや感染が始まっていても、本人が異変に気づくきっかけが少ないためです。
そのため、はっきりした症状が出たときには、すでに割れや感染がかなり進んでいることも少なくありません。
なぜ気づきにくいのかを知っておくと、小さなサインを見逃さないための意識につながります。
初期は自覚症状が乏しい
神経のない歯の歯根破折は、初期の段階では自覚症状がほとんどないことも多くあります。
割れはじめの時期は炎症がまだ広がっておらず、しかも痛みを感じ取る神経がないため、痛みや腫れといった分かりやすい変化があらわれにくいためです。
「なんとなく違和感がある」という程度の小さなサインで始まることが多く、そのまま様子を見ているうちに、知らないあいだに割れが進んでしまうことがあります。
神経のある歯なら痛みで早く気づけるところを、神経のない歯では警告が出ないまま時間が過ぎてしまうのが厄介な点です。
小さな違和感であっても軽く見ずに心に留めておくことが、早い気づきにつながると考えられます。
痛みがないまま骨吸収が進むことがある
神経のない歯では、痛みがないまま、歯を支える骨が溶ける骨吸収が進むことがあります。
割れ目から入った細菌が根の周りで炎症を起こしても、痛みとして自覚されにくいため、その裏で骨が少しずつ失われていっても気づかないことがあるためです[1]。
腫れや痛みといったはっきりした症状が出たときには、すでに骨がかなり失われ、歯を支える力が弱くなっていることも少なくありません。
骨が大きく失われると、その歯を残すことが難しくなるだけでなく、抜いたあとに補う治療の選択肢もせまくなってしまいます。
痛みがないことを安心の材料とせず、心当たりがあるなら定期的に状態を確かめてもらうことが望まれます。
神経のない歯の痛みは歯根破折とは限らない
神経のない歯に症状が出ても、その原因が必ずしも歯根破折とは限りません。
神経を抜いた歯が痛む背景には、割れ以外にも根の先の炎症や再感染などさまざまな原因があり、症状だけでは区別がつきにくいためです。
自分の判断で原因を決めつけてしまうと、対応が遅れたり、必要な治療がずれてしまったりすることもあります。
どんな原因と間違えやすいのかを知っておくと、正しく調べてもらう必要性が理解しやすくなります。
根の先の炎症(根尖病巣)や再感染との違い
神経のない歯の痛みは、根の先の炎症や再感染によっても起こり、歯根破折と見分けにくいことがあります。
根の治療をした歯でも、根の中に細菌が残っていたり、時間が経って再び感染したりすると、根の先で炎症が起きて、噛んだときの痛みや腫れとしてあらわれるためです。
こうした根の先の炎症による症状は、歯根破折の症状とよく似ているため、どちらが原因かを症状だけで判断するのは困難です。
根の治療を受けた歯が数年後に痛みだしたとき、再感染なのか割れなのかは、詳しく調べてはじめて分かることも少なくありません。
見た目の症状が似ているからこそ、原因を正しく突き止めるには専門的な検査が欠かせません。
見分けには歯科での検査が必要
神経のない歯の痛みの原因を見分けるには、歯科での検査が必要になります。
割れなのか、根の先の炎症なのか、あるいは別の原因なのかは、症状の聞き取りや画像検査などを組み合わせて総合的に判断する必要があるためです。
歯科では、痛む歯や噛み合わせを確認したうえで、歯と歯ぐきの隙間を測る検査や、レントゲン、必要に応じて歯科用CTやマイクロスコープなどを用いて原因を探っていきます。
再感染が原因であれば根の再治療で改善が見込めることもある一方、割れが原因であれば別の対応が必要になるため、原因の見極めが治療方針を左右します。
自分で原因を決めつけず、検査を受けて正しく調べてもらうことが、適切な治療への近道になります。
神経のない歯の歯根破折はどう診断する?
神経のない歯の歯根破折は、レントゲンだけでは分かりにくく、複数の検査を組み合わせて診断します。
割れ目そのものが非常に細く、歯ぐきの奥という見えない場所で起こるため、一つの検査だけで割れを言い当てるのが難しく、さまざまな角度からの情報を照らし合わせる必要があるためです。
どのように調べるのかを知っておくと、受診したときの流れをイメージしやすくなります。
ここでは、歯根破折の主な調べ方を見ていきましょう。
レントゲンでは写りにくい
歯根破折の割れ目は、レントゲンには写りにくいのが実情です。
割れはじめのひびは髪の毛よりも細いことがあり、レントゲンは歯を平面的に写す検査のため、割れの向きによってはその細い線が周囲の像に紛れてとらえきれないためです。
そのため、レントゲンで確認できるのは割れ目そのものではなく、割れによって時間をかけて進んだ骨の変化であることも多く、初期の段階では何も写らないまま経過することがあります。
「レントゲンで異常なし」と言われても割れが隠れていることは珍しくなく、写らなかったからといって割れていないとは言い切れません。
症状が続いているのに画像で異常が見えない場合は、より詳しい検査へ進むことで、隠れた割れに近づきやすくなります。
歯周ポケット・CT・マイクロスコープで調べる
レントゲンで分かりにくい割れは、歯周ポケットの検査やCT、マイクロスコープを組み合わせて調べます。
割れ目に沿って細菌が入り込むと、その部分だけ骨が失われて歯周ポケットが局所的に深くなることがあり、立体的な画像や拡大した観察と合わせることで、割れの可能性を絞り込めるためです。
歯科医師は、歯の周りを細い器具で測り、一か所だけ急に深くなっている場所がないかを確かめます。
歯科用CTは歯と骨を三次元でとらえられるため、平面のレントゲンでは分かりにくい割れや、その周りで起きた骨の変化を把握するのに役立ちます。
さらにマイクロスコープを使うと、肉眼では見えない細い割れ目を拡大して直接確かめられることがあり、これらを組み合わせることで診断の精度を高めていきます。
神経のない歯の歯根破折を放置するとどうなる?
神経のない歯の歯根破折を放置すると、痛みが乏しいまま、内側で状態が悪化していきます。
歯根破折は自然に治ることがなく、割れ目からの感染が続くかぎり、根の周りの炎症や骨の変化が少しずつ進んでいくためです。
とくに神経のない歯は痛みという警告が出にくいため、気づかないうちに進行し、対応が難しくなってしまうことがあります。
放置がどんな結果を招くのかを知っておくと、早めに受診しようという判断につながります。
骨が溶けて歯や隣の歯に影響する
放置した歯根破折は、歯を支える骨を溶かし、やがて隣の歯にまで影響を広げることがあります。
割れ目から入った細菌が炎症を起こし続けると、体がその感染から遠ざかるように骨を溶かしていき、その変化が割れた歯の周りだけでなく、隣り合う歯を支える骨にまで及ぶことがあるためです[1]。
骨が大きく失われると、割れた歯がぐらついて抜け落ちることがあり、抜いたあとに補う治療をする際にも、支えとなる骨が足りずに選択肢がせまくなることがあります。
さらに、感染が隣の歯を支える骨まで巻き込むと、もともと問題のなかった歯まで揺らいだり、歯ぐきが腫れたりすることがあります。
一本の歯の放置が周りの歯の健康まで損なう前に対応することが、結果的に多くの歯を守ることにつながります。
まだ骨が多く残っているうちに動けるかどうかが、その後を大きく左右するため、早めの受診が望まれます。
神経のない歯の歯根破折の治療法
神経のない歯の歯根破折の治療は、割れ方や骨の状態に応じて、歯を残せるか抜くかを見極めながら進めます。
割れが浅く感染を抑えられる場合と、根の深くまで縦に割れている場合とでは、残せるかどうかが変わってくるため、まずは状態を詳しく調べることが治療の出発点になるためです。
歯根破折そのものは、根の中を治療する根管治療では治せないため、割れの状態に応じた対応が必要になります。
どのような治療になるのかを知っておくと、受診後の説明を落ち着いて受け止めやすくなります。
割れ方によっては残せることもある
割れ方や骨の状態によっては、抜歯を避けて歯を残せることもあります。
割れが歯の噛む面と平行な向きにとどまっていたり、割れが浅く感染をコントロールできたりする場合は、割れ目を接着してふさぐことで、歯を機能させられることがあるためです。
割れが浅ければ口の中で直接接着し、口の中では確実に接着できない場合には、いったん歯を抜いて口の外で接着してから戻す方法がとられることもあります。
割れた部分が歯ぐきの中に及んでいる場合は、歯ぐきや骨の位置を下げて割れた部分を露出させ、被せ物ができる状態に整えることもあります。
ただし、これらの治療はどの割れにも行えるわけではなく、対応できる医療機関も限られるため、まずは精密な診断を受けることが出発点になります。
残せない場合は抜歯と補綴になる
割れが根の深くまで縦に達している場合は、残すのが難しく、抜歯をしたうえで失った歯を補います。
根が縦に割れている垂直破折では、割れ目から細菌が入り続けて炎症が治まらず、無理に残しても再び腫れたり割れたりしやすいため、抜歯によって感染源を取り除く必要があるためです[1]。
抜歯をすると、感染源となっていた歯とともに炎症の原因がなくなるため、繰り返していた痛みや腫れが落ち着いていきます。
歯を抜いたあとは、その空間を放置せず、ブリッジや入れ歯、インプラントといった方法で補い、噛む機能を回復させます。
抜歯と聞くとつらく感じるかもしれませんが、繰り返す症状から解放され、周囲の歯を守ることにもつながる選択である点を知っておくとよいでしょう。
神経のない歯の歯根破折を防ぐには
神経のない歯の歯根破折は、一度起こると歯を残すのが難しいことも多いため、防ぐ工夫が大切です。
もろくなった歯にかかる力をやわらげ、割れの兆候を早めに見つけることで、破折そのものや、進行する前の対応につなげやすくなるためです。
日ごろからできる工夫を知っておくと、神経を抜いた歯を長く保つことにつながります。
ここでは、予防のためにできることを見ていきましょう。
被せ物で補強し、歯ぎしり対策をする
神経を抜いた歯は、被せ物で補強し、歯ぎしりや食いしばりの対策をすることが予防につながります。
もろくなった歯は、全体を覆う被せ物で保護することで力を分散でき、また過剰な力の原因となる歯ぎしりや食いしばりをやわらげることで、割れる負担を減らせるためです[1]。
神経を抜いた歯には、歯全体を覆う被せ物をかぶせて強度を補うことがすすめられ、これによって噛む力から歯を守りやすくなります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、就寝時にマウスピースを装着することで、歯にかかる強い力を分散させ、割れのリスクを下げることが期待できます。
もろい歯に力を集中させない工夫が、破折を防ぐうえで大きな助けになります。
定期検診で早期に見つける
定期検診を受けることも、神経のない歯の歯根破折を早く見つけるうえで役立ちます。
神経を抜いた歯は症状が乏しいまま割れが進むことがあるため、自覚症状がなくても定期的に診てもらうことで、大きく進む前に兆候をとらえられることがあるためです。
定期検診では、歯や歯ぐきの状態を確認し、必要に応じて画像検査を行うことで、自分では気づけない小さな変化を見つけられることがあります。
とくに神経を抜いた歯や大きな被せ物が入った歯は割れやすいため、こうした歯を重点的に確認してもらうと安心につながります。
痛みが出てから動くのではなく、定期的に状態を確かめておくことが、歯を長く保つための現実的な備えになります。
神経のない歯の歯根破折に関するよくある質問
Q. 神経がないのになぜ痛むのですか?
神経を抜いた歯でも、歯の外側にある組織や周囲の骨には感覚が残っているためです。
割れ目から入った細菌が根の周りに炎症を起こすと、歯の内部に神経がなくても、噛んだときの痛みや腫れとしてあらわれます[1]。
神経がないから痛まないとは限らないため、症状があれば早めに受診しましょう。
Q. 痛くないのですが歯根破折していることはありますか?
痛みがなくても、歯根破折が起きていることはあります。
神経を抜いた歯は痛みを感じにくいため、割れていても自覚がないまま、静かに進んでしまうことがあるためです[1]。
自覚症状がなくても、定期検診で偶然見つかることもあるため、心当たりがあれば診てもらうと安心です。
Q. 押すと痛いのは歯根破折のサインですか?
押すと痛いのは、歯根破折の可能性があるサインの一つです。
割れた部分が圧を受けて動き、周囲の炎症を起こした組織を刺激することで、押したときに痛みが出ることがあるためです。
ただし、ほかの原因でも似た症状が出るため、自己判断せず歯科で調べてもらうことが大切です。
Q. 歯ぐきのできもの(フィステル)は歯根破折のサインですか?
歯ぐきのできものは、歯根破折を含む根の感染のサインであることがあります。
割れ目から入った細菌が作った膿が、歯ぐきの表面に出口を作ってできものとしてあらわれることがあるためです。
痛みがなくても内側で感染が進んでいることがあるため、繰り返すできものは早めに確かめてもらいましょう。
まとめ
歯根破折は、神経を抜いてもろくなった歯に起こりやすく、力を感じ取るセンサーや弾力を失うことが背景にあります。
神経のない歯の歯根破折では、噛むと痛い・押すと痛い・歯ぐきの腫れやできもの・膿・口臭・歯のぐらつきといった症状があらわれます[1]。
痛みを感じ取る神経がないため初期は症状が乏しく、痛みがないまま骨吸収が進むこともあります。
神経のない歯の痛みは歯根破折とは限らず、根の先の炎症や再感染との見分けには歯科での検査が必要です。
割れは細くレントゲンに写りにくいため、歯周ポケットの検査やCT、マイクロスコープを組み合わせて診断します。
割れ方によっては残せることもありますが、根まで縦に割れている場合は抜歯となり、補綴で補います。
神経を抜いた歯は割れやすいという前提で、被せ物での補強や歯ぎしり対策、定期検診によって、早めに気づき守っていくことが大切です。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
治療に関しては必ず医師にご相談ください。
※症状の現れ方や治療の結果には個人差がございます。
※歯の状態により、行える検査や治療が異なる場合があります。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/information/teeth.html
[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「むし歯の治療の流れ」(抜髄・被せ物について)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-02-004.html