歯茎の口内炎の原因と治し方|似た病気の見分け方・受診目安も解説

歯茎に白いできものや痛みが現れて、「これは口内炎なのか、それとも何かの病気なのか」と不安になっていませんか。
歯茎の口内炎は頬の内側や舌に比べてできる頻度が少なく、はじめて経験すると戸惑う方も多い症状です。
多くは1〜2週間で自然に治るアフタ性口内炎ですが、なかには口内炎とよく似た別の病気が隠れているケースもあります。
この記事では、歯茎にできる口内炎の種類と原因、自分でできる治し方、そして口内炎と間違えやすい病気の見分け方や受診の目安まで、歯科の視点でわかりやすくお伝えします。
歯茎にも口内炎はできる|基本の知識
口内炎は舌や頬の内側にできるイメージが強いものの、歯茎にも生じる症状です。
歯茎は粘膜で覆われているため、ほかの口の中の部位と同じように炎症や潰瘍が起こります。
ただし歯茎は口内炎ができる頻度が比較的低く、はじめてできたときに「病気では」と心配する方も少なくありません。
まずは口内炎がどのような状態を指すのか、そして歯茎の口内炎がなぜ珍しく感じられるのかを整理していきます。
口内炎とは口の粘膜に起こる炎症のこと
口内炎は、口の中の粘膜に起こる炎症や潰瘍をまとめて指す言葉です。
粘膜は外からの刺激や細菌、ウイルスの影響を受けやすく、体調の変化によっても状態が左右されます。
そのため口の中のいろいろな場所に炎症が現れ、歯茎もその一つに含まれます。
公的機関の情報でも、口内炎は唇の裏・歯ぐき・頬の内側・舌などにできやすいとされています[1]。
実際に現れる症状は、白っぽい潰瘍や赤み、ただれ、水ぶくれなど、種類によって幅があります。
歯茎にできた炎症も口内炎の一種と考えられるため、めずらしい場所だからと過度に身構える必要はありません。
歯茎の口内炎が珍しいと感じる理由
歯茎に口内炎ができる頻度は、舌や頬の内側に比べて少ない傾向があります。
口内炎は動きや摩擦の多い柔らかい粘膜にできやすく、歯茎は比較的かたく引き締まった組織のためです。
歯茎は歯を支える役割を持ち、ほかの部位ほど頻繁に刺激を受けにくい点も関係しています。
多くの方は口内炎というと舌や唇の裏を思い浮かべるため、歯茎にできると「これは何かの病気では」と感じやすくなります。
家族や知人に聞いてもピンとこないことが多く、不安が強まるケースもよくみられます。
歯茎の口内炎はけっして異常なものではないため、まずは落ち着いて症状の特徴を確かめることが大切です。
歯茎にできる口内炎の主な種類
ひとくちに歯茎の口内炎といっても、原因や症状によっていくつかの種類に分かれます。
代表的なのは、もっとも多いアフタ性口内炎、刺激が原因のカタル性・外傷性口内炎、ウイルスによるヘルペス性口内炎、真菌によるカンジダ性口内炎です。
種類によって見た目や経過、適した対処が異なるため、自分の症状がどれに近いかを知っておくと役立ちます。
下の表を参考に、4種類の口内炎の特徴を確認してください。
| 種類 | 主な原因 | 特徴 |
| アフタ性口内炎 | 体調の乱れ・ストレス | 白い円形の潰瘍・周囲が赤い |
| カタル性・外傷性 | 入れ歯・歯ブラシの刺激 | 境界が不明瞭・広く赤くただれる |
| ヘルペス性 | 単純ヘルペスウイルス | 水ぶくれが多発・発熱を伴うことも |
| カンジダ性 | 真菌(カンジダ菌) | 白い苔状の付着物・こすると取れる |
アフタ性口内炎(最も多いタイプ)
歯茎の口内炎でもっとも多くみられるのが、アフタ性口内炎です。
一般に口内炎と呼ばれるものの大半がこのタイプで、はっきりした原因がわからないまま現れることもあります。
ストレスや疲労、栄養の偏りなど、体調の乱れがきっかけになると考えられています。
見た目は直径数ミリから1cm未満の円形で、中心が白っぽくくぼみ、その周囲が赤く腫れたようになるのが特徴です。
触れると強い痛みがあり、食事や歯みがきのときにしみることも多くなります。
通常は1〜2週間ほどで自然に治っていきます。
痛みはつらいものの自然に治まることがほとんどのため、過度に心配せず、刺激を避けて様子をみるとよい状態です。
カタル性・外傷性口内炎(刺激が原因)
入れ歯や矯正装置、歯ブラシなどの刺激でできるのが、カタル性口内炎や外傷性口内炎です。
合わない入れ歯や被せ物が歯茎に当たり続けたり、歯みがきで強くこすったりすると、粘膜が傷ついて炎症が起こります。
頬や歯茎をうっかり噛んでしまった傷が、口内炎に発展することもあります。
アフタ性口内炎のように境界がはっきりせず、患部が広く赤くただれたように見えるのが特徴です。
刺激の原因が続くかぎり治りにくく、当たっている装置や被せ物の調整が必要になる場合もあります。
原因となる刺激を取り除けば改善に向かいやすいため、心当たりがあるときは歯科で相談すると安心につながります。
ヘルペス性口内炎(ウイルスが原因)
ウイルスの感染によって起こるのが、ヘルペス性口内炎です。
単純ヘルペスウイルスが原因で、はじめて感染したときに口の中へ小さな水ぶくれが多発します。
アフタ性口内炎と違って自然には治りにくく、発熱や強い痛みをともなう場合もあります[3]。
水ぶくれが破れて潰瘍になり、歯茎や唇の裏など複数の場所に同時に現れるのが特徴です。
とくに子どもの初感染で強い症状が出やすく、大人でも免疫が低下したときに再発することがあります。
通常の口内炎と経過が異なり市販薬では対応しにくいため、水ぶくれや発熱をともなうときは医療機関の受診を検討したい状態です。
カンジダ性口内炎(真菌が原因)
口の中の常在菌である真菌が増えて起こるのが、カンジダ性口内炎です。
カンジダはもともと口の中にいる菌で、体調が良いときは問題を起こしません。
ところが免疫が低下したり、抗菌薬の服用で口内の菌のバランスが崩れたりすると増殖し、炎症につながります。
歯茎や粘膜に白い苔のようなものが付着し、こすると取れて下に赤い面が現れるのが特徴です。
高齢の方や入れ歯を使う方、体調を崩している方にみられやすい傾向があります。
市販の口内炎薬では改善しにくく専用の治療が必要なため、白い付着物が気になるときは歯科で確認すると安心です。
歯茎に口内炎ができる主な原因
歯茎の口内炎ができる背景には、体の内側の要因と外からの刺激という2つの大きな原因があります。
体調の乱れによる免疫の低下や栄養の偏りは、口内炎ができやすい状態をつくります。
そこへ歯ブラシや入れ歯などの物理的な刺激が加わると、粘膜が傷ついて炎症が起こりやすくなります。
ここでは、歯茎に口内炎ができる代表的な原因を3つに分けてみていきます。
ストレス・疲労・睡眠不足による免疫低下
歯茎の口内炎の大きな原因のひとつが、免疫力の低下です。
ストレスや疲労、睡眠不足が続くと体の防御力が下がり、粘膜が炎症を起こしやすい状態になります。
口の中には多くの細菌が存在するため、免疫が落ちると小さな傷からも炎症が広がりやすくなります。
仕事や家事が忙しい時期、季節の変わり目、体調を崩したあとなどに口内炎ができやすいと感じる方は少なくありません。
風邪をひいたタイミングで口内炎が現れた経験を持つ方も多くいます。
生活の乱れが続くと再発しやすくなるため、まずは休養を意識することが回復への近道になります。
ビタミンB群・鉄・亜鉛などの栄養不足
栄養バランスの乱れも、歯茎に口内炎ができる原因になります。
粘膜の健康を保つはたらきを持つビタミンB群や、鉄・亜鉛などが不足すると、粘膜の再生がうまく進まなくなります。
とくにビタミンB2やB6は口の粘膜の健康維持に関わる栄養素として知られています。
食事が偏りがちな方や、ダイエットで食事量を減らしている方は、こうした栄養が足りなくなりやすい傾向があります。
貧血のある方に口内炎が繰り返しみられることもあり、背景に栄養の不足が隠れているケースもあります。
毎日の食事を整えることが粘膜の回復を助けるため、栄養面の見直しは予防にも改善にも役立ちます。
歯ブラシ・入れ歯・矯正装置などの外的刺激
外からの物理的な刺激も、歯茎の口内炎を引き起こす原因です。
歯みがきのときに歯ブラシを強く当てたり、合わない入れ歯や矯正装置が歯茎に当たり続けたりすると、粘膜が傷つきます。
食事中に歯茎を噛んでしまった傷や、かたい食べ物による傷も炎症のきっかけになります。
被せ物や詰め物のふちが歯茎に当たっている場合、同じ場所に繰り返し口内炎ができることもあります。
矯正中の方が装置の当たる部分に口内炎をくり返す例も、めずらしくありません。
刺激の原因を取り除くことが改善の第一歩になるため、当たる装置や噛み癖に心当たりがあるときは歯科での調整を検討するとよいでしょう。
口内炎と間違えやすい歯茎の病気と見分け方
歯茎にできるできものには、口内炎によく似ていても実は別の病気であるケースがあります。
なかには口内炎と思って様子をみているうちに、治療が必要な病気が進んでしまう場合もあります。
口内炎との大きな違いは、痛みの有無・治るまでの期間・しこりや出血の有無といったポイントに現れます。
ここでは、間違えやすい代表的な3つの病気と見分け方を整理していきます。
フィステル(歯の根の感染でできるできもの)
歯茎にできる白いできもので口内炎と間違えやすいのが、フィステルです。
フィステルは歯の根の先にたまった膿の出口で、歯茎の表面にニキビのような白いふくらみとして現れます。
虫歯が神経まで進んだり、過去の根の治療部分が再び感染したりすることが原因です。
口内炎との大きな違いは、痛みをほとんどともなわず、自然には治らない点にあります。
膿が出ると一時的に小さくなり、再びふくらむことを繰り返すのも特徴です。
放置すると感染が広がるため、痛みのない白いできものが歯茎に続くときは、根の治療ができる歯科への相談がすすめられます。
白板症(こすっても取れない白い病変)
歯茎の表面が白くなる症状のなかで注意したいのが、白板症です。
白板症は粘膜の表面が白く厚くなる状態で、こすっても取れないのが特徴です。
カンジダ性口内炎の白い付着物がこすると取れるのに対し、白板症はぬぐっても変化しません。
痛みがないことが多く、見た目だけでは口内炎と区別しにくい場合もあります。
白板症の一部はがんに移行する前段階の病変として知られており、経過観察や検査が必要になることがあります。
こすって取れない白い部分が歯茎に続くときは自己判断を避け、歯科口腔外科で確認すると安心につながります。
歯肉がん・口腔がん(治らない・しこり・出血)
もっとも注意が必要なのが、歯肉がんをはじめとする口腔がんです。
口腔がんは初期に口内炎とよく似た見た目をしていても、自然に治らず徐々に進行していきます[2]。
歯肉がんでは歯ぐきの腫れやただれ、進行すると潰瘍やしこり、出血などがみられます。
口内炎との見分けで重要なのは、2週間以上治らない・硬いしこりがある・出血する・大きくなるといった変化です。
初期の口腔がんは痛みが少ないことも多く、痛みの有無だけで判断できない点にも注意がいります[2]。
気になる変化が続くときは早めの受診が早期発見につながるため、迷ったときは歯科口腔外科や耳鼻咽喉科への相談が大切です。
口内炎と紛らわしい病気の見分け方(比較表)
下の表は、歯茎にできる口内炎とまぎらわしい病気の特徴をまとめたものです。
自分の症状がどれに近いかを確かめる際の目安として活用してください。
| 症状・できもの | 痛み | 治るまでの期間 | 主な特徴 |
| アフタ性口内炎 | あり(強い) | 1〜2週間で自然治癒 | 白い円形の潰瘍・周囲が赤い |
| フィステル | ほとんどなし | 自然には治らない | ニキビ状・膿が出て再発を繰り返す |
| 白板症 | ないことが多い | 自然には消えない | こすっても取れない白い病変 |
| 歯肉がん・口腔がん | 少ない場合あり | 治らず進行する | しこり・出血・大きくなる |
表からもわかるように、痛みがない・治らない・しこりや出血をともなうできものは、口内炎以外の病気を疑うサインです。
判断に迷う場合は自己判断で様子をみ続けず、歯科で確認することがおすすめです。
歯茎の口内炎の治し方・対処法
歯茎の口内炎の多くは、適切なケアを続けることで治りを早められます。
基本となるのは、口の中を清潔に保ち、刺激を避けながら粘膜の回復を助けることです。
ただし2週間以上治らない場合は別の病気が隠れていることもあるため、自己判断だけに頼らない姿勢も欠かせません。
痛みがつらいときは市販薬を上手に使い、栄養と休養で体の内側から整えることも大切になります。
ここでは、自分でできる対処法と、歯科で受けられる治療について順番にみていきます。
口の中を清潔に保つ
歯茎の口内炎を早く治すうえで土台となるのが、口の中を清潔に保つことです。
口の中には多くの細菌がいるため、不衛生な状態が続くと患部で細菌が増え、治りにくくなってしまいます。
清潔な状態を保つほど炎症が広がりにくく、回復もスムーズに進みやすくなります。
食後はこまめにうがいをして、食べかすを残さないようにすることが基本です。
歯みがきの際は、患部に歯ブラシが直接当たらないようやさしく磨くと刺激を抑えられます。
痛くて磨けないときは、水やうがい薬で口をすすぐだけでも口内を清潔に保てます。
ただしアルコールを多く含む洗口液は患部にしみやすいため、刺激の少ないタイプを選ぶと負担が減ります。
清潔を保つだけでも治りは変わってくるため、痛みがあるときこそ口の中を丁寧にケアすることが回復への近道になります。
市販薬(塗り薬・パッチ・スプレー)を使う
痛みがつらいときは、市販の口内炎薬を活用するのもひとつの方法です。
市販薬には炎症を抑える成分や患部を保護する成分が含まれ、痛みをやわらげる効果が期待できます。
治りを早めたり、食事のときのしみる感覚を軽くしたりする助けにもなります。
塗り薬は患部に直接ぬるタイプで、触れても痛みが少ないときに使いやすいものです。
パッチタイプは患部を覆って刺激から守るため、食事中の痛みが気になるときに向いています。
スプレータイプは手が届きにくい場所や、触れると強く痛む場合に使いやすい形状です。
ただしカンジダ性やヘルペス性の口内炎には市販のステロイド薬が合わないことがあるため、種類の見極めも欠かせません。
症状や痛みの程度に合わせて選ぶことが大切なため、迷うときは薬剤師に相談してから使うと安心です。
刺激物を避け栄養と休養をとる
体の内側から整えることも、歯茎の口内炎を治すうえで欠かせません。
口内炎は免疫の低下や栄養不足が背景にあることが多く、生活を整えると回復が後押しされます。
刺激の強い食べ物を避けることは、患部への負担を減らすことにもつながります。
辛いものや熱いもの、酸味の強いもの、かたいものは患部にしみやすいため、治るまでは控えると痛みが和らぎます。
食事はおかゆやうどん、豆腐など、やわらかく刺激の少ないものを選ぶと食べやすくなります。
粘膜の回復を助けるビタミンB群を意識し、十分な睡眠でストレスをためないことも大切です。
食事と休養を整えることが治りの土台になるため、薬に頼るだけでなく生活全体を見直すと再発の予防にもつながります。
長引く場合は歯科で受けられる治療
セルフケアで改善しないときは、歯科で受けられる治療という選択肢があります。
歯科では患部の状態を直接確認し、原因に合わせた処置を行えるため、長引く口内炎にも対応できます。
刺激源となっている入れ歯や被せ物の調整も、医療機関だからこそ可能なケアです。
痛みが強い場合や治りが遅い場合には、レーザーを使って患部の治りを促す治療が行われることもあります。
塗り薬や貼り薬の処方、患部を保護する処置によって、つらい症状をやわらげる対応も受けられます。
合わない装置が原因であれば、当たる部分を調整して再発を防ぐケアにつながります。
自分のケアで治らないときは専門の処置が助けになるため、長引く口内炎は我慢せず歯科に相談すると改善への道が開けます。
歯茎の口内炎が治らないときの受診目安|2週間ルール
歯茎の口内炎は多くが自然に治りますが、なかには受診が必要なケースもあります。
判断の目安として役立つのが、治るまでの期間に注目する「2週間ルール」という考え方です。
口の粘膜は約10〜14日で生まれ変わるため、通常の口内炎はこの期間内に治っていきます。
ここでは、受診を考えたいサインと、何科を選べばよいのかを整理していきます。
2週間以上治らない・しこり・出血は要注意
受診を検討する大きな目安は、口内炎が2週間以上治らないことです。
口の粘膜は10〜14日ほどで再生するため、この期間を過ぎても治らない潰瘍は、通常の炎症ではない可能性があります。
しこりや出血をともなう場合や、できものが大きくなる場合も注意したいサインです。
抜歯や噛んでできた傷が2週間以上たっても治らない、入れ歯の当たる傷がずっと残るといった状態も見逃せません。
数が増えたり、痛みが強まったりして食事がとりにくいときも、一度診てもらう目安になります。
長引く症状を自己判断で様子みするより早めに確認するほうが安心につながるため、気になる変化が続くときは受診を検討してください。
痛みがなくても油断できない理由
痛みがないからといって、安心して放置できるとは限りません。
口内炎の多くは強い痛みをともないますが、初期の口腔がんは痛みが少ないことも多いとされています[2]。
痛みの有無だけで判断すると、治療が必要な病気を見逃してしまうおそれがあります。
歯肉がんでは、歯ぐきのただれやしこり、出血などが痛みをともなわずに現れることもあります[2]。
痛みのない白いできものが続くフィステルや白板症のように、別の病気が隠れているケースもみられます。
痛みがなくても治らない症状は体からのサインのため、見た目や手ざわりの変化が続くときは早めの受診が大切になります。
受診するのは何科?(歯科口腔外科・耳鼻咽喉科)
歯茎の口内炎で受診するなら、まず歯科口腔外科が選択肢になります。
口内炎は歯や入れ歯、被せ物など口の中の環境が原因になることが多く、歯科で原因まで含めて診てもらえるためです。
歯科口腔外科では、患部を見て触れる診察に加え、必要に応じて検査でほかの病気でないかを確認できます。
耳鼻咽喉科でも口の中の症状に対応してもらえるため、のどの近くに症状が及ぶときなどは選択肢になります。
どこを受診すべきか迷う場合は、まず歯科を選んでも問題ありません。
迷ったときほど早めの相談が早期発見につながるため、長引く症状や気になる変化があるときは医療機関へ足を運んでください。
歯茎の口内炎を防ぐ生活習慣
歯茎の口内炎は、日々の生活を整えることで起こりにくくできます。
体の内側を健やかに保つことと、口の中を清潔に保つことが予防の両輪になります。
一度治っても生活習慣が乱れると再発しやすいため、ふだんからのケアが大切です。
ここでは、今日から取り入れやすい予防のポイントを2つに分けてみていきます。
規則正しい生活と栄養バランス
口内炎を防ぐ土台になるのが、規則正しい生活と栄養バランスです。
睡眠不足やストレスが続くと免疫が下がり、粘膜が炎症を起こしやすい状態になります。
栄養が偏ると粘膜の再生に必要な成分が不足し、口内炎ができやすくなります。
粘膜の健康に関わるビタミンB群や鉄、亜鉛を意識して、主食・主菜・副菜のそろった食事を心がけるとよいでしょう。
十分な睡眠をとり、趣味や入浴などでストレスをためない時間をつくることも予防につながります。
生活のリズムを整えることが再発を防ぐ近道になるため、忙しい時期こそ休養と食事を意識してみてください。
正しい歯みがきと口腔ケア
口の中を清潔に保つ習慣も、歯茎の口内炎の予防に欠かせません。
口内が不衛生だと細菌が増え、小さな傷からも炎症が起こりやすくなります。
強すぎる歯みがきはかえって粘膜を傷つけるため、力加減にも注意がいります。
毛のかたすぎない歯ブラシを選び、歯と歯ぐきの境目をやさしく磨くと刺激を抑えられます。
合わない入れ歯や被せ物が当たっている場合は、歯科で調整してもらうことで傷の予防につながります。
定期的に歯科で口の中をチェックする習慣を持つと、刺激源を早めに取り除けるため、口内炎のできにくい状態を保ちやすくなります。
歯茎の口内炎に関するよくある質問
Q:歯茎の口内炎は何日くらいで治りますか?
多くの歯茎の口内炎は、1〜2週間ほどで自然に治っていきます。
口の粘膜は10〜14日ほどで生まれ変わるため、この期間内に治まるのが一般的です。
ただし2週間以上たっても治らない場合は、別の病気が隠れている可能性があります。
長引くときは自己判断を避け、歯科口腔外科への相談を検討してください。
Q:痛くないできものも口内炎ですか?
歯茎にできるできものには、痛みをともなわないものもあります。
ただし痛みのない白いできものは、フィステルや白板症など口内炎以外の病気のことも少なくありません。
初期の口腔がんも痛みが少ない場合があるため、痛くないからと安心はできません。
治らないできものが続くときは、早めに歯科で確認すると安心につながります。
Q:口内炎は人にうつりますか?
一般的なアフタ性口内炎は、人にうつることはありません。
ストレスや栄養不足などが原因で、感染するものではないためです。
一方で、ウイルスが原因のヘルペス性口内炎は、接触などを通じてうつることがあります。
水ぶくれや発熱をともなうときは感染を広げないよう注意し、医療機関に相談すると安心です。
Q:繰り返す口内炎は病気のサインですか?
同じ場所に何度も口内炎ができる場合、背景に原因が隠れていることがあります。
合わない被せ物や入れ歯の刺激、栄養不足や貧血が関わっているケースもみられます。
まれにベーチェット病など全身の病気の初期症状として、口内炎を繰り返すこともあります[4]。
繰り返しが続くときは原因を確かめるためにも、歯科や医療機関で相談することをおすすめします。
まとめ
歯茎にも口内炎はでき、多くは1〜2週間で自然に治るアフタ性口内炎です。
歯茎の口内炎には、刺激が原因のカタル性・外傷性、ウイルス性のヘルペス性、真菌によるカンジダ性などの種類があります。
主な原因は、ストレスや疲労による免疫低下、ビタミンB群などの栄養不足、歯ブラシや入れ歯による外的刺激の3つです。
歯茎にはフィステルや白板症、歯肉がんなど口内炎と間違えやすい病気もあり、痛みの有無や治る期間が見分けの手がかりになります。
治し方の基本は、口の中を清潔に保ち、市販薬を上手に使い、刺激物を避けて栄養と休養をとることです。
2週間以上治らない・しこりや出血がある・痛みがなくても変化が続くときは、歯科口腔外科などへの受診が目安になります。
規則正しい生活と正しい口腔ケアで予防しつつ、気になる症状が続くときは早めに歯科へ相談することが、歯と口の健康を守る一歩につながります。
参考文献
[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth
[2] 国立がん研究センター がん情報サービス「口腔・口唇がん」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://ganjoho.jp/public/cancer/oral_oropharynx/index.html
[3] 国立感染症研究所「単純ヘルペスウイルス感染症」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/644-herpes.html
[4] 難病情報センター「ベーチェット病(指定難病56)」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://www.nanbyou.or.jp/entry/329
[5] 厚生労働省「歯の健康|健康日本21」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b6.html
[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯みがきを助けるもの」(最終閲覧日:2026年5月23日)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-007.html
※症状の現れ方や治り方には個人差がございます。
※歯科医師の判断により治療法が変わる場合があります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。