銀歯の値段はいくら?詰め物・被せ物の費用相場を種類別に解説

「虫歯の治療で銀歯になると言われたが、実際いくらかかるの?」「詰め物と被せ物で値段はどのくらい違う?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

銀歯(保険適用の金属製詰め物・被せ物)は健康保険が適用されるため、3割負担の場合は詰め物(インレー)で2,000〜3,500円程度、被せ物(クラウン)で3,800〜5,000円程度が目安です。

ただし、虫歯の進行度によって治療の内容が変わるため、銀歯本体の費用だけでなく虫歯治療・根管治療(神経の処置)・土台の製作費用が加算されて総額が増えることがあります。

近年は保険適用で白い被せ物(CAD/CAM冠)が選べるケースも増えているため、銀歯かどうかだけでなく素材の種類別に費用を把握しておくことが大切です。

この記事では、銀歯の詰め物・被せ物・ブリッジの保険適用時の費用相場・白い素材との費用比較・治療の総額を左右する要因まで、一般の方にわかりやすくまとめています。

ぜひ最後まで読んで、治療前の費用の見通しを立てる参考にしてください。

銀歯の値段の基本(保険適用と自由診療の違い)

歯科治療の費用を考える上で最初に理解しておきたいのが、「保険適用(保険診療)」と「自由診療」の違いです。

保険診療では健康保険が適用されるため、患者の窓口負担は治療費の1〜3割(年齢や加入している保険の種類によって異なる)で済みます[1]。

銀歯はこの保険診療の範囲内で製作できる素材のひとつで、費用を抑えながら虫歯治療後の機能を回復できる点が長く使われてきた大きな理由のひとつです。

一方、セラミックなど審美性の高い素材を選ぶ場合は保険が適用されない自由診療となり、費用は全額自己負担となります[2]。

保険診療と自由診療では、窓口で支払う費用に数倍から十倍以上の差が生じることがあるため、治療前にどちらの治療になるかを確認することが重要です。

保険診療の場合、治療費は全国の歯科医院で共通の「診療報酬点数」に基づいて計算されます

1点あたり10円として計算されるため、同じ治療内容であれば歯科医院によって費用が大きく変わることはありません[1]。

ただし、同じ「銀歯を入れる」という治療でも、虫歯の大きさ・根管治療の必要性・土台の製作が必要かどうかによって加算される費用が変わるため、銀歯本体の費用だけで治療の総額を判断するのではなく、全体の費用を歯科医師に確認することが大切です[2]。

また、保険診療には使用できる素材や部位に制限があります。

前歯(1〜3番)は審美性を考慮して白い素材が保険適用されますが、奥歯(4番以降)は原則として銀歯となるケースが多く、CAD/CAM冠が保険適用される条件も一定の制限があります[1]。

以下では、詰め物・被せ物・ブリッジのそれぞれの費用目安を順番に解説します。

詰め物(インレー)の銀歯の値段

虫歯を治療した後に歯の一部を補う「詰め物」は、専門的にはインレーと呼ばれます

虫歯の大きさが中程度の場合に使用されることが多く、歯を削った後の穴や溝を補填することで噛む機能を回復させます。

詰め物の値段は使用する素材・虫歯の大きさ・保険適用かどうかによって大きく変わるため、それぞれの費用目安を把握しておくことが大切です。

保険適用の銀歯インレーの費用目安

保険適用の銀歯インレーは、金銀パラジウム合金と呼ばれる金属素材で製作されます。

3割負担の場合の費用の目安は下の表を参考にしてください。

負担割合費用目安(インレー本体のみ)
1割負担(後期高齢者など)700〜1,200円程度
2割負担1,300〜2,300円程度
3割負担(一般的な成人)2,000〜3,500円程度

上記はインレー本体の費用の目安であり、初診料・検査料・虫歯を削る処置料などは別途加算されます[1]。

実際の窓口負担は、インレー本体以外の費用も含まれるため、治療全体では3割負担で5,000〜10,000円程度になるケースが多いとされています[2]。

保険適用の銀歯インレーは費用が安く耐久性が高い点がメリットですが、金属色が目立つ・経年劣化で隙間が生じやすく二次カリエスのリスクがある・金属アレルギーの可能性があるという点は事前に理解しておくことが大切です[1]。

白い詰め物(セラミック・CAD/CAM)との費用比較

詰め物を白い素材にする選択肢として、保険適用の「コンポジットレジン(CR)」と自由診療の「セラミックインレー」があります[2]。

コンポジットレジンは白いプラスチック素材で、比較的小さい虫歯の詰め物として保険適用で使用できます。

3割負担で1,500〜2,000円程度が目安ですが、着色・変色しやすく数年で色がくすむという特性があります[1]。

セラミックインレーは保険適用外の自由診療となり、オールセラミック(イーマックスなど)で1本あたり4〜8万円程度、ジルコニアセラミックで6〜12万円程度が相場です[2]。

3種類の詰め物の費用・特性を表でまとめます。

素材保険費用目安(3割/1本)審美性耐久性変色
銀歯(金属インレー)適用2,000〜3,500円低い高い錆・変色あり
コンポジットレジン適用1,500〜2,000円中程度低め数年で変色
セラミックインレー適用外4〜12万円高い高い変色しにくい

費用だけに着目すると銀歯が最も安く済みますが、セラミックインレーは変色しにくく二次カリエスのリスクが低いため、長期的な観点では費用対効果が高いと判断するケースもあります[1]。

どの素材を選ぶかは費用・治療する歯の部位・審美性へのこだわり・噛み合わせの強さを考慮しながら歯科医師と相談して決めることが重要です。

被せ物(クラウン)の銀歯の値段

虫歯が大きく進行して歯を大きく削った場合や、根管治療(神経の処置)を行った後の歯には、歯全体を覆う「被せ物(クラウン)」が必要になります。

詰め物(インレー)とは異なり、クラウンは歯の形を全体的に削って一回り小さくした上に被せる形で装着するため、使用する素材の量が多くなり費用も詰め物より高くなります。

クラウンの費用は保険適用の素材か自由診療の素材かによって大きく異なるため、それぞれの費用目安と特徴を把握しておくことが大切です。

保険適用の銀歯クラウンの費用目安

保険適用の銀歯クラウンは、金銀パラジウム合金を使った金属のクラウンで、奥歯(前から4番目以降)に適用されます[1]。

前歯(1〜3番)は審美性を考慮して保険適用でも白い素材(硬質レジン前装冠)が使用されますが、内側は金属のため経年で歯茎との境目に金属色が出ることがあります[2]。

3割負担の場合の費用の目安は下の表を参考にしてください。

負担割合費用目安(クラウン本体のみ)
1割負担1,300〜1,700円程度
2割負担2,600〜3,300円程度
3割負担3,800〜5,000円程度

上記はクラウン本体の費用目安であり、初診料・検査料・歯を削る処置料・土台(コア)の製作費用は別途加算されます[1]。

根管治療が必要な場合はさらに費用が加算されるため、治療全体の総額は3割負担で10,000〜20,000円程度になるケースもあります[2]。

保険適用の銀歯クラウンは費用を抑えられる点が大きなメリットですが、金属の収縮・変形による歯との隙間の発生・二次カリエスのリスク・金属アレルギーの可能性・見た目の問題は、詰め物と同様に理解しておくべきデメリットです[1]。

白い被せ物(セラミック・CAD/CAM冠)との費用比較

被せ物を白い素材にする選択肢として、保険適用の「CAD/CAM冠」と自由診療の「セラミッククラウン」があります[2]。

CAD/CAM冠(保険適用)

CAD/CAM冠はセラミックとプラスチックを混合したハイブリッドレジン素材で作られた白い被せ物で、一定の条件を満たせば保険適用で受けられます。

3割負担で5,000〜10,000円程度が目安で、銀歯クラウンより費用は上がりますが、審美性と金属フリーという点を保険診療の範囲内で実現できます[1]。

ただし、保険適用のためには「対合歯(噛み合わせの相手の歯)が天然歯またはCAD/CAM冠・硬質レジン前装冠であること」などの条件があるため、すべての歯に適用できるわけではありません[2]。

セラミッククラウン(自由診療)

セラミッククラウンは保険適用外の自由診療となり、素材の種類によって費用が異なります。

主な素材別の費用目安は下の表を参考にしてください。

素材特徴費用目安(1本)
オールセラミッククラウン透明感が高く自然な仕上がり・前歯向き8〜15万円程度
ジルコニアセラミッククラウン高強度・奥歯にも対応・審美性も高い8〜15万円程度
ジルコニアクラウンオールジルコニアで最高強度6〜12万円程度
メタルボンドクラウン内側金属・外側セラミック・耐久性高い8〜15万円程度

3種類の被せ物の特性を表で比較します。

銀歯クラウンCAD/CAM冠セラミッククラウン
保険適用ありあり(条件付き)なし(自由診療)
費用目安(3割)3,800〜5,000円5,000〜10,000円6〜15万円
審美性低い中程度高い
耐久性高いやや低い高い
二次カリエスリスクやや高い中程度低い
金属アレルギーリスクありなしなし(メタルボンド除く)

被せ物は詰め物より面積が大きく長期間使用するものであるため、どの素材を選ぶかが口腔内の健康に長期的な影響を与えることを理解した上で、費用・審美性・耐久性のバランスを歯科医師と相談しながら判断することが大切です[1]。

ブリッジの銀歯の値段

歯を失った(または抜歯が必要になった)場合の治療法として保険適用で受けられるもののひとつが「ブリッジ」です。

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って土台にし、その上に橋渡しのように連結した被せ物を装着して失った歯の噛む機能と見た目を回復する治療法です[2]。

ブリッジの費用は、欠損した歯の位置(前歯か奥歯か)・連結する歯の本数・使用する素材によって異なります。

保険適用の場合、奥歯のブリッジは強度が必要なため金属素材(銀歯)が使用されることが多く、前歯のブリッジは審美性を考慮して外側に白いレジンを貼った素材が使われます[1]。

保険適用ブリッジの費用目安(欠損歯1本・3割負担の場合)は下の表を参考にしてください。

部位費用目安(ブリッジ本体のみ)備考
奥歯(1本欠損)10,000〜15,000円程度両脇2本の銀歯クラウンを含む
前歯(1本欠損)20,000〜24,000円程度レジン貼付けの白い素材

ブリッジ本体の費用に加えて、抜歯処置料・初診料・検査料・必要に応じた根管治療費が加算されるため、治療全体の総額は奥歯で20,000〜30,000円程度、前歯で30,000〜40,000円程度になるケースが多いとされています[2]。

ブリッジ治療の注意点として、失った歯の両隣の健康な歯を大きく削って土台にする必要があるため、支台歯(両脇の歯)の寿命に影響が出ることがあります[1]。

また、ブリッジの下(失った歯があった部分)は歯茎と連結部材の間に汚れが溜まりやすく、清掃が難しいためフロスによる定期的なケアが必要です[2]。

ブリッジを入れた後も定期検診を受けて、支台歯の状態・ブリッジの接着状態・二次カリエスの有無を確認してもらうことが長期的な維持に重要です。

自由診療のセラミックブリッジを選ぶ場合は、1本あたりの費用がセラミッククラウンと同等かそれ以上になるため、欠損歯1本のブリッジ(3本分)では30〜50万円以上になるケースもあります[1]。

歯を失った場合の治療法としてはブリッジのほかにインプラント(保険適用外)・入れ歯(保険適用あり)という選択肢もあるため、費用・健康面・生活上の使いやすさを踏まえて歯科医師と相談して判断することが重要です。

銀歯の治療で総額が変わる3つの要因

「銀歯を入れるだけだと思っていたのに、思ったより費用が高くなった」という経験をされる方が少なくありません。

銀歯本体の費用は前述の通り保険適用で数千円程度が目安ですが、虫歯の進行度・治療内容・歯の状態によっては複数の処置が加算されて総額が大きく変わります

事前に総額が変わる主な要因を理解しておくことで、治療前の費用の見通しを立てやすくなり、歯科医師への確認もスムーズに行えるようになります。

ここでは、銀歯の治療で総額が変わる代表的な3つの要因について解説します。

虫歯の進行度による費用の違い

銀歯の治療費用を最も大きく左右する要因のひとつが、虫歯の進行度です[1]。

虫歯の進行度はC0〜C4の5段階で表され、どの段階にあるかによって必要な処置の内容と費用が変わります

各段階の治療内容と費用の目安は下の表を参考にしてください。

進行度状態主な治療内容3割負担の費用目安
C0初期(脱灰)経過観察・フッ素塗布1,000〜3,000円程度
C1エナメル質の虫歯削ってコンポジットレジンで修復2,000〜4,000円程度
C2象牙質まで進行削って銀歯インレーで修復5,000〜10,000円程度
C3神経まで到達根管治療+土台+銀歯クラウン10,000〜25,000円程度
C4歯の根まで進行抜歯+ブリッジ・入れ歯など20,000〜40,000円程度

C2段階で早期に治療すれば銀歯インレー(詰め物)のみで済む場合が多いですが、C3以上になると根管治療・土台の製作・被せ物の製作と複数の処置が必要になるため、総額が大幅に増えます[2]。

「痛みが出てから歯科医院に行く」という方は、気づいた時点ではすでにC3以上に進行していることが多く、治療の負担が大きくなりやすい傾向があります[1]。

痛みが出る前の定期検診でC1〜C2の段階で発見できれば、銀歯インレー1本で済む費用で治療が完結できる可能性が高いため、「今は痛みがないから大丈夫」という判断での通院先延ばしは結果的に費用を増やすリスクにつながります[2]。

虫歯の進行度は外見では判断できないケースも多く、「なんとなく気になる」という段階で受診することが費用を抑える最も実用的な方法のひとつです。

根管治療(神経の処置)が必要な場合

虫歯が歯の神経(歯髄)まで到達したC3段階や、過去に治療した歯の内部で再感染が起きた場合は、根管治療(こんかんちりょう)が必要になります[1]。

根管治療とは、歯の根の中にある神経・血管・細菌に汚染された組織を取り除き、根管を洗浄・消毒してから薬剤で封鎖する処置です。

根管治療は治療が完了するまでに複数回の通院が必要で、歯の状態・根の形状の複雑さによっては5〜10回以上の通院が必要になるケースもあります[2]。

根管治療に加算される保険適用の費用目安(3割負担)は下の表を参考にしてください。

処置内容費用目安(3割負担)
抜髄(神経を初めて取る処置)2,000〜5,000円程度
感染根管治療(再治療・再感染の処置)3,000〜8,000円程度
根管充填(根管を薬で封鎖する処置)1,500〜3,000円程度

根管治療の費用は歯の状態や治療の難易度によって異なり、上記はあくまで目安です[1]。

根管治療が完了した後は土台(コア)を製作して被せ物を装着するまでの一連の処置が続くため、根管治療から銀歯クラウン装着まで含めた総額は3割負担で15,000〜25,000円程度になるケースが多いとされています[2]。

自由診療では根管治療もマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った精密な処置を選べるクリニックがあり、その場合は1本あたり5〜15万円程度の費用になるため、治療前にどちらの治療になるかを確認することが重要です[1]。

根管治療を行わずに放置した場合は、歯の根に膿が溜まる根尖病変(こんせんびょうへん)が生じて痛みや腫れを引き起こすリスクがあるため、歯科医師から根管治療が必要と判断された場合は早めに対処することが大切です[2]。

土台(コア)の製作費用

根管治療後の歯は内部が空洞になっているため、被せ物を装着する前に歯の根の上に「土台(コア)」を製作する必要があります[1]。

土台は被せ物を安定して支えるための基礎部分で、銀歯クラウンを装着する前には必ず必要になる処置です。

土台の素材には保険適用の「金属コア(メタルコア)」と自由診療の「ファイバーコア」があり、それぞれ特性と費用が異なります[2]。

土台の種類素材保険費用目安(3割負担)
メタルコア金属適用1,000〜2,000円程度
ファイバーコアグラスファイバー適用外15,000〜30,000円程度

メタルコアは保険適用のため費用が抑えられますが、金属の硬さによって歯根に過度な力がかかり、歯根が割れる「歯根破折」のリスクがあるとされています[1]。

ファイバーコアはグラスファイバーの素材が歯の弾性に近い特性を持つため、歯根破折のリスクを抑えやすいとされていますが、自由診療のため費用が高くなります[2]。

また、前歯など審美性が重要な部位にセラミッククラウンを装着する場合、土台に金属コアを使うと金属の影色がクラウン越しに透けて見えることがあるため、ファイバーコアが推奨されるケースがあります[1]。

土台の選択は被せ物の種類・歯の状態・費用のバランスを考えて決める必要があるため、銀歯クラウンを入れる前の段階で土台の素材についても歯科医師に相談しておくことをおすすめします。

治療全体の総額を正確に把握するために、カウンセリング時に「土台の費用は別途かかりますか?」と確認しておくことが予算の見通しを立てる上で重要です[2]。

銀歯とセラミック・CAD/CAM冠の費用対効果の比較

「銀歯は安いけれど、セラミックにすると費用対効果は本当に良くなるの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。

初期費用だけを比較すると銀歯が圧倒的に安いのは事実ですが、素材の寿命・再治療のリスク・口腔内の健康への影響まで含めた「長期的な費用対効果」で考えると、判断が変わることがあります

ここでは、銀歯・CAD/CAM冠・セラミックの3種類を費用・寿命・健康リスクの観点から比較します。

寿命(耐用年数)の比較

銀歯(保険適用の金銀パラジウム合金)の寿命は約5〜7年が目安とされており、経年劣化による変形・収縮で歯との隙間が生じやすくなります[1]。

CAD/CAM冠の寿命は銀歯と同程度か若干短いとされており、強度が低いため歯ぎしりや食いしばりが強い方では割れ・欠けが起きるケースがあります[2]。

セラミック(オールセラミック・ジルコニアセラミック)の寿命は適切なケアとメンテナンスを継続することで10年以上使用できるケースが多く、変形・収縮が起きにくいため歯との適合精度が長期間維持されやすいとされています[1]。

素材寿命の目安変形・収縮二次カリエスリスク
銀歯5〜7年起きやすいやや高い
CAD/CAM冠5〜7年程度やや起きやすい中程度
セラミック10年以上起きにくい低い

再治療コストを含めた比較

銀歯やCAD/CAM冠は寿命が短く再治療が必要になるサイクルが早いため、治療を繰り返すたびに歯を削る量が増え、長期的には歯の寿命そのものに影響することがあります[2]。

たとえば、銀歯を5〜7年ごとに作り直すケースと、初回にセラミックを入れて10〜15年以上使い続けるケースを比較すると、総費用の差は想定より小さくなる可能性があります[1]。

銀歯を3割負担で3,800〜5,000円として10年間で2回再治療したとすると総額は約10,000〜15,000円程度ですが、その都度歯を削る量が増えるリスクや、二次カリエスが発生した場合の追加治療費も考慮すると、実質的な費用は想定以上になる可能性があります[2]。

セラミッククラウンは初回8〜15万円の費用がかかりますが、再治療のサイクルが長く二次カリエスのリスクが低い特性から、「長期的にはセラミックの方がコストパフォーマンスが良い」という考え方をする歯科医師も多くいます[1]。

健康リスクを含めた総合評価

費用だけでなく、口腔内の健康への影響も含めた総合的な比較をすると、選ぶ素材によって中長期的な口腔の状態が変わる可能性があります。

評価項目銀歯CAD/CAM冠セラミック
初期費用◎ 安い○ やや安い△ 高い
再治療サイクル△ 短い△ 短め○ 長い
審美性△ 目立つ○ 白い◎ 自然
金属アレルギーリスク△ あり○ なし○ なし
二次カリエスリスク△ やや高い○ 中程度◎ 低い
長期コスト

審美性や金属アレルギーのリスクを気にしない方・費用を最優先したい方にとっては銀歯が適した選択です[2]。

一方、見た目・金属フリー・再治療リスクの低減を総合的に求める方や、長期的な歯の健康を最優先したい方にとってはセラミックの費用対効果が高い選択肢になる可能性があります[1]。

CAD/CAM冠は保険適用で白い被せ物を実現できるため、「費用を抑えながら見た目も改善したい」という方の現実的な選択肢として位置づけられています[2]。

どの素材が最適かは口腔の状態・噛み合わせの強さ・年齢・予算・審美へのこだわりによって異なるため、歯科医師に自分の状況を伝えながら複数の選択肢の説明を受けた上で判断することをおすすめします。

歯科治療費の医療費控除について

「セラミックは高額だから、何か節税の方法はないだろうか」と考えている方も多いでしょう。

歯科治療費の一部は「医療費控除」の対象となるため、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される可能性があります[1]。

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合に、超えた金額を所得から控除できる制度です[2]。

控除の対象となる金額は最大200万円で、控除を受けることで還付される税額は「控除対象額×所得税率」で計算されます。

歯科治療で医療費控除の対象になるもの

虫歯治療・根管治療・歯周病治療・銀歯・セラミック治療(審美目的ではなく機能回復目的)など、治療目的の歯科治療費は医療費控除の対象となります[1]。

セラミック治療は自由診療であっても、「虫歯治療後の機能回復を目的としたもの」として歯科医師が判断する場合は医療費控除の対象になるとされています。

医療費控除の対象対象外の例
虫歯治療費審美目的のみのホワイトニング
根管治療費審美目的のみの歯のセラミック交換
歯周病治療費矯正(成人の審美目的のみ)
セラミック治療(治療目的)
通院交通費(公共交通機関)マイカー通院のガソリン代

ただし、医療費控除の対象になるかどうかは治療の目的・内容によって異なるため、不明な場合は税務署または税理士に確認することをおすすめします[2]。

医療費控除の申請方法

医療費控除は確定申告で申請します。

申請に必要なものは、歯科医院から受け取った領収書・医療費控除の明細書(確定申告書に添付)です[1]。

確定申告は毎年2月16日〜3月15日が申告期間ですが、医療費控除のみの申告は5年以内であればさかのぼって申請できるため、過去に高額な歯科治療を受けた方も申請できる可能性があります[2]。

歯科治療の領収書は治療が終了してから5年間は保管しておくことをおすすめします。

還付額の目安

医療費控除による還付額の目安として、所得税率20%の方が10万円を超えた歯科治療費が10万円あった場合、還付される税額は約20,000円(10万円×20%)となります[1]。

セラミック治療などで高額な自由診療費用を支払った年は、医療費控除を活用することで実質的な自己負担額を抑えられる可能性があるため、領収書の管理を怠らないことが大切です[2]。

確定申告が初めての方は国税庁のe-Tax(オンライン申告サービス)を活用すると手続きをスムーズに進めることができます。

よくある質問

Q:銀歯を1本入れると総額でいくらかかりますか?

銀歯の治療総額は虫歯の進行度・根管治療の必要性・土台の製作が必要かどうかによって大きく変わります[1]。

虫歯が比較的小さくインレー(詰め物)のみで済む場合は3割負担で5,000〜10,000円程度が目安ですが、根管治療と土台の製作が必要なクラウン(被せ物)まで含めた場合は15,000〜25,000円程度になるケースが多いとされています。

「銀歯を入れるだけ」と思っていても治療の進行に応じて費用が変わることがあるため、カウンセリング時に現在の虫歯の状態と想定される治療内容・費用の目安を歯科医師に確認しておくことをおすすめします。

Q:保険適用で白い歯にできますか?

前歯(1〜3番)は保険診療でも白い素材が適用される場合があります[2]。

奥歯(4番以降)については、一定の条件を満たせばCAD/CAM冠(ハイブリッドレジン素材の白い被せ物)を保険適用で入れられるケースがあり、3割負担で5,000〜10,000円程度が目安です。

ただし、CAD/CAM冠の保険適用には「対合歯が天然歯またはCAD/CAM冠・硬質レジン前装冠であること」など条件があるため、自分の歯に適用できるかどうかは歯科医師に確認することが必要です[1]。

Q:銀歯の値段はどの歯科医院でも同じですか?

保険診療の場合、診療報酬点数は全国一律で定められているため、同じ治療内容であれば歯科医院によって大きく値段が変わることはありません[2]。

ただし、自由診療(セラミックなど)の場合は各歯科医院が自由に費用を設定できるため、同じ素材・同じ治療内容でも医院によって数万円単位の差が生じることがあります。

自由診療を検討している方は複数のクリニックでカウンセリングを受けて費用と内容を比較した上で選ぶことが、後悔しない選択につながるでしょう[1]。

Q:銀歯の治療費は医療費控除の対象になりますか?

虫歯治療・根管治療・土台の製作・銀歯の装着など、治療目的で行われた歯科治療費は医療費控除の対象になります[2]。

1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計が10万円(または総所得金額の5%)を超えた場合に確定申告で申請することで、超えた金額を所得から控除して所得税の還付を受けられる可能性があります。

歯科医院から受け取った領収書は5年間保管しておくことで過去にさかのぼって申請できるケースもあるため、高額な治療を受けた年の領収書は大切に保管しておくことをおすすめします[1]。

まとめ

銀歯(保険適用の金属素材)の費用は3割負担の場合、詰め物(インレー)で2,000〜3,500円程度、被せ物(クラウン)で3,800〜5,000円程度が目安ですが、虫歯の進行度・根管治療の必要性・土台の製作によって治療の総額が大きく変わります。

詰め物・被せ物の選択肢は銀歯だけでなく、保険適用のCAD/CAM冠・コンポジットレジン・自由診療のセラミックがあり、費用・審美性・耐久性・二次カリエスリスクがそれぞれ異なるため、自分の口腔状態と優先事項を踏まえて歯科医師と相談して選ぶことが大切です。

銀歯は初期費用が最も安い一方で寿命が5〜7年程度と短く再治療のサイクルが早いのに対し、セラミックは初期費用が高いものの10年以上使用できるケースが多く二次カリエスリスクが低いため、長期的な費用対効果の観点では判断が変わる可能性があります。

歯科治療費は一定の条件を満たせば医療費控除の対象となるため、高額な治療を受けた年には領収書を保管して確定申告で申請することで、実質的な自己負担額を抑えられる可能性があります。

「今は痛みがないから大丈夫」という判断で受診を先延ばしにすると虫歯が進行して根管治療が必要になり総額が大幅に増えるリスクがあるため、定期検診で早期発見・早期治療を心がけることが費用を抑える上でも最も効果的な対策です。

銀歯の費用に関して不明な点がある方は、まずかかりつけの歯科医院でカウンセリングを受け、現在の状態と治療の選択肢・費用の内訳について歯科医師に相談することをおすすめします。

参考文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://kennet.mhlw.go.jp/

[2] 公益社団法人 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.jda.or.jp/park/

[3] 国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

[4] 厚生労働省「歯科口腔保健の推進について」(最終閲覧日:2026年4月29日)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika/index.html

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。

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