歯が折れて根元が残ってる…抜歯になる?治療法と応急処置を解説

「歯が折れて根元だけ残ってしまった…これって抜歯になるの?」と不安になっていませんか。

根元だけが残った状態は「残根」と呼ばれ、根の状態によっては抜かずに歯を残せる場合があります

一方で、放置すると細菌が入り込んで炎症が広がり、残せる可能性が下がっていくため、早めの受診が大切です

この記事では、残根とはどんな状態か、受診までの応急処置、残せるかどうかの判断や治療法、費用まで、患者さんの視点でやさしく整理します。

歯が折れて根元が残っている状態とは(残根)

鏡をのぞいて根元だけになった歯を見つけると、何が起きたのか分からず不安になってしまいますよね

歯の頭の部分が失われて根だけが残った状態には名前がついており、決して珍しいトラブルではありません

まずは自分の歯がどんな状態にあるのかを知っておくと、このあとの受診や治療の説明も理解しやすくなります。

ここでは、根元が残っている状態について、基本から整理していきます。

残根(ざんこん)とはどんな状態か

歯の頭の部分が失われ、歯ぐきの中の根だけが残っている状態を「残根(ざんこん)」といいます

虫歯が長い期間をかけて歯の頭を溶かしていったり、強い力で歯が折れたりすることで、噛む面が失われて根の部分だけが取り残されるためです[1]。

歯ぐきの中に黒っぽい根が埋まったように見える、鏡で見ると歯の高さがほとんどない、といった見え方をすることがあります。

残根と聞くと手遅れのように感じるかもしれませんが、根の状態によっては歯を残せる場合もあるため、あきらめる前に一度診てもらうことが大切です。

歯の頭が折れた場合と、根が割れた場合の違い

同じ「折れた」でも、歯の頭が欠けた場合と、歯ぐきの中の根が割れた場合とでは、その後の見通しが大きく変わります

歯の頭の部分が失われただけであれば、残った根を土台にして人工の歯を作れる可能性がある一方、根そのものが縦に割れていると、そこから細菌が入り続けるため歯を保ちにくくなるためです。

厚生労働省の資料では、抜歯となった原因のうち破折が18%を占め、その多くは神経を取った歯と考えられると示されています[1]。

自分がどちらのタイプかは見た目だけでは分かりにくいため、検査を受けて確かめてもらうことが判断の出発点になります。

差し歯や銀歯が取れて根元だけになった場合

差し歯や銀歯が外れて、根元だけがぽっかり残ってしまうこともあります

被せ物を支えていた土台ごと外れたり、内側で虫歯が進んで支えを失ったりすると、人工の部分だけが取れて根が露出した状態になるためです。

食事の最中に急に外れた、硬いものを噛んだ拍子にポロッと取れたという経験をする方も少なくありません。

外れた被せ物が手元にあれば再び使える場合もあるため、捨てずに保管して受診時に持参すると、治療の選択肢が広がります。

痛みがないこともある理由(神経のない歯)

根元だけが残っていても、痛みをまったく感じないことがあります

過去に神経を取る治療を受けた歯は、痛みを伝える神経がすでに失われているため、大きく欠けても痛みとして自覚されにくいためです[1]。

痛くないからと様子を見ているうちに、内部で炎症が進んでいたというケースも見られます。

痛みの有無は状態の深刻さと一致しないため、症状がなくても早めに歯科で確認しておくと安心につながります[2]。

まず何をすればいい?受診までの応急処置

突然歯が折れると、目の前のことに気を取られて、どう動けばよいのか分からなくなってしまうものです

受診までの過ごし方によって、そのあとの治療の選択肢が変わることもあります

正しい応急処置を知っておけば、あわてずに落ち着いて対応できます。

ここでは、歯科へ行くまでにできることを整理していきます。

折れた歯やかけらは捨てずに保存する

折れた歯やかけらが見つかったときは、捨てずに保存しておくことが大切です

折れ方によっては、そのかけらを接着して元の形に戻せる場合があり、治療に生かせる可能性が残されているためです。

乾燥すると使えなくなることがあるため、牛乳に浸けるか、歯の保存液があればその中に入れて持参するとよいでしょう。

保存の仕方ひとつで選べる治療が変わることもあるため、迷ったら乾かさない状態で持っていくと役立ちます。

患部を強く触らない・こすらない

折れた部分が気になっても、指や舌で強く触ったりこすったりするのは避けたほうが安心です

欠けた歯のふちは鋭くなっていることが多く、繰り返し触れると歯ぐきや舌を傷つけてしまい、そこから細菌が入り込む心配があるためです。

とがった部分が舌に当たって痛むときは、市販の歯科用ワックスや清潔なガーゼで一時的に覆っておくと、受診までの負担を減らせます。

自分で削ったり接着剤でくっつけようとしたりすると状態を悪くすることがあるため、応急の対応にとどめて歯科にゆだねるのが確実です。

痛みや出血があるときの対応

痛みや出血があるときは、無理をせず落ち着いて対処することが大切です

折れた勢いで歯ぐきが傷ついていたり、露出した神経が刺激を受けたりすると、強い痛みや出血をともなうことがあるためです。

出血しているときは清潔なガーゼを当てて10分ほど静かに噛み、痛みが強いときは冷たいタオルで外側から頬を冷やすと、和らぐことがあります。

痛み止めを使う場合は普段服用しているものにとどめ、腫れが強い・出血が止まらないといったときは、当日中の受診を検討してみてください[2]。

受診の目安と、伝えておくとよいこと

歯が折れて根元が残っているときは、できるだけ早く歯科を受診することがすすめられます

折れてから時間が経つほど細菌の侵入が進み、歯を残せる可能性が下がっていくため、早い段階で状態を確認してもらうことが選択肢を守ることにつながるためです[1]。

受診の際は、いつどのように折れたか、痛みや出血の有無、かけらを保存しているかを伝えると、その後の処置がスムーズに進みます。

痛みがない場合でも先延ばしにせず、早めに予約を取っておくと、落ち着いて治療を進められます。

根元が残っていれば歯を残せる?判断のポイント

いちばん知りたいのは、「残っている根で歯を作り直せるのかどうか」ではないでしょうか

残せるかどうかは根の状態によって決まり、いくつかの条件を満たすかどうかで見通しが変わってきます

判断のポイントを知っておくと、歯科での説明を理解しやすく、質問すべき点も見えてきます。

ここでは、歯を残せるかどうかを分ける条件を整理していきます。

歯ぐきより上に歯質が残っているか

歯を残せるかを判断するうえで、まず見られるのが、歯ぐきより上に自分の歯がどれだけ残っているかです

被せ物を安定させるには土台となる歯質が必要であり、歯ぐきより上に一定の高さが残っていれば、被せ物がしっかり固定されて噛む力に耐えられるためです。

折れた線が歯ぐきの上でとどまっていれば残せる見込みが立ちやすく、歯ぐきの奥深くまで達している場合は難しくなる傾向があります。

自分の目では判断しにくい部分となるため、まずは歯科で折れた位置を確かめてもらうことが第一歩になります。

根の長さや太さが十分にあるか

残った根の長さと太さも、歯を残せるかどうかを左右する大切な要素です

根は被せ物を支える柱の役割を果たすため、短すぎたり細すぎたりすると、噛む力を受け止めきれずに再び折れてしまう心配があるためです。

もともと根が長くしっかりしている歯では、多少歯質が失われていても土台を立てて再建できることがあります。

根の状態はレントゲンで確認できるため、検査の結果をもとに見通しを聞いてみると、納得して判断できます。

根に割れ(歯根破折)がないか

残った根そのものに割れが入っていないかどうかは、歯を残せるかを分ける重要な確認点です

根が縦に割れていると、そのすき間から細菌が入り続けて周りの骨まで溶かしてしまうため、被せ物を作っても長く保つことが難しくなるためです。

割れが細い場合はレントゲンに写らないこともあり、歯科用CTや拡大して観察する機器を使って確かめることがあります。

見えないところの状態こそ専門的な検査が必要となるため、詳しく調べてもらったうえで方針を決めるのが望ましいでしょう。

周りの骨や歯ぐきの状態

残せるかどうかには、根そのものだけでなく、それを支える骨や歯ぐきの状態も関わってきます

再建した歯を支えるのは周囲の骨と歯ぐきであり、歯周病などで骨が失われていると、土台を立てても安定しないためです[1]。

歯ぐきの腫れが少なく、支える骨がしっかり残っていれば、治療がうまく進む見込みが高まります。

普段からの歯ぐきのケアがいざというときの選択肢を広げることにもつながるため、日々の手入れも大切にしていきたいところです。

根元が残っている場合の治療法

歯を残せる見込みがあると分かると、次に気になるのは「どんな治療をするのか」でしょう

根元が残っている場合の治療にはいくつかの方法があり、根の状態や折れた位置によって選ばれる道が変わります

流れをあらかじめ知っておくと、説明を受けたときに理解しやすく、見通しを持って治療に臨めます。

ここでは、代表的な治療法を順番に整理していきます。

根の治療+土台+被せ物(差し歯にする方法)

もっとも基本となるのが、根の中を治療してから土台を立て、その上に被せ物をかぶせる方法です

根元だけが残った歯は内部が細菌に汚染されていることが多いため、まず根の中を消毒して清潔にし、その後で失われた頭の部分を人工的に補う必要があるためです[2]。

根の治療を終えたら根の中に土台を差し込んで強度と大きさを取り戻し、その上から被せ物を装着することで、いわゆる差し歯と呼ばれる状態に仕上げていきます。

根がしっかり残っていれば選びやすい方法となるため、多くの場合はこの流れで噛む機能と見た目を回復させていきます。

歯ぐきの位置を整える方法(歯冠長延長術)

歯ぐきより上に残った歯質が足りないときには、歯ぐきの位置を整えて土台を確保する方法が取られることがあります

被せ物を安定させるには一定の高さの歯質が必要となるため、歯ぐきとその下の骨の位置を少し下げることで、隠れていた歯の部分を使えるようにするためです。

外科的な処置をともなうため治りを待つ期間が必要になりますが、そのままでは被せ物ができない歯を活かせる可能性が広がります。

歯ぐきぎりぎりで折れていても方法があると知っておくと、抜歯と言われる前に相談してみる気持ちを持てるでしょう。

根を引き上げる方法(挺出)

歯ぐきの深い位置で折れた歯に対して、根を少しずつ引き上げて使えるようにする方法もあります

矯正の力を利用して根をゆっくり上へ移動させることで、歯ぐきの下に隠れていた部分を表に出し、被せ物を作れる状態に整えるためです。

数か月ほどかけて少しずつ動かしていくため時間はかかりますが、歯を残すための選択肢の一つとして行われることがあります。

時間をかけてでも自分の歯を残したいと考えるなら、こうした方法があるか尋ねてみるのも一つの方法です。

抜歯が選ばれるのはどんなとき

一方で、条件が整わない場合には抜歯が選ばれることもあります

根が縦に割れている、歯ぐきの深い位置まで虫歯が進んでいる、支える骨が大きく失われているといった状態では、治療をしても長く保てる見込みが立ちにくいためです。

無理に残そうとすると炎症が続いて周りの骨まで失うことがあり、その後の治療の選択肢まで狭めてしまう心配もあります。

抜歯という判断も歯ぐきや周りの歯を守るための対応となるため、理由をよく聞いたうえで納得して選ぶことが大切です。

根元を残したまま放置するとどうなる?

痛みがないと、つい「そのうち歯科へ行こう」と先延ばしにしてしまいがちですよね

根元だけが残った状態を放置すると、口の中で少しずつ変化が進み、あとから困る事態につながることがあります

何が起こりうるのかを知っておくと、受診の優先度を判断しやすくなります。

ここでは、放置した場合に起こりやすいことを整理していきます。

細菌が入り、根の先に炎症が起こる

根元だけが残った状態を放置すると、根の中を通って細菌が入り込み、根の先に炎症が起こることがあります

歯の頭を失った根は内部がむき出しになっているため、唾液や食べかすとともに細菌が奥へ進みやすく、根の先から周りの組織へ広がっていくためです。

炎症が進むと根の先に膿がたまり、噛んだときの痛みや歯ぐきの違和感として表れてくることがあります。

早い段階なら根の治療で対応できることも多いため、症状が出る前に確認しておくと選べる道が広がります。

腫れや膿、口臭の原因になることも

放置した残根は、歯ぐきの腫れや膿、口臭の原因になることがあります

根の周りで細菌が増えると炎症が起きて膿がたまり、その出口として歯ぐきが腫れたり、においのもとになる物質が発生したりするためです。

歯ぐきがぷっくり腫れて痛む、体調を崩したときに繰り返し腫れる、口の中のにおいが気になるといった変化として現れます。

腫れが引いても内部の状態は残っていることが多いため、繰り返すサインは体からの合図として受け止めておくと安心です。

周りの歯や噛み合わせへの影響

根元だけの歯をそのままにしておくと、周りの歯や噛み合わせにも影響が及びます

噛む面を失った部分では上下の歯がかみ合わなくなるため、隣の歯が傾いたり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりして、全体のバランスがくずれていくためです。

反対側ばかりで噛む習慣がついて負担がかたよる、噛み合わせがずれてあごに違和感が出るといった変化も起こりえます。

一本の問題が口全体に広がる前に対応しておくと、余計な治療を増やさずに済むでしょう。

治療が複雑になり、費用や期間が増える

放置する期間が長くなるほど、必要な治療は複雑になり、費用や通院の負担も増えていきます

早い段階なら根の治療と被せ物で対応できたものが、炎症が広がると外科的な処置が必要になったり、抜歯とその後の補う治療まで必要になったりするためです。

抜歯となればブリッジや入れ歯、インプラントといった治療が加わり、費用も期間も大きくなっていきます。

今の状態を確認しておくことが結果的に負担を減らすことにつながるため、迷っているなら早めに相談してみてください[2]。

治療にかかる費用と期間の目安

歯を残せると分かっても、費用がどれくらいかかるのかが見えないと、なかなか一歩を踏み出せませんよね

根元が残っている場合の治療は複数の段階に分かれるため、費用も期間も内容によって変わってきます

おおよその目安を知っておくと、家計の見通しを立てながら治療を進められます。

ここでは、費用と期間について整理していきます。

保険で行う場合の費用の目安

根の治療から土台、被せ物までの流れは、保険の範囲で受けられることが多く、負担は比較的抑えられます

保険診療では処置ごとの費用が全国一律に定められており、患者さんの負担は原則としてその一部で済むためです。

根の治療から銀歯の被せ物まで進めた場合、通院を重ねて合計で数千円から1万円台程度の負担におさまることが多く見られます。

まずは保険での治療内容と費用を聞いておくと、他の選択肢と比べる際の基準ができて判断しやすくなります。

自由診療を選んだ場合(セラミックなど)

見た目や耐久性を重視する場合には、自由診療の材料を選ぶこともできます

自由診療では白く自然な見た目のセラミックや、しなやかで歯にやさしい性質を持つ土台など、保険では選べない材料を使えるためです。

被せ物をセラミックにすると一歯あたり10万円前後になることもあり、土台の材料によっても費用が変わってきます。

見た目と費用のどちらを優先するかは考え方しだいのため、両方の選択肢を聞いたうえで自分に合う方法を選ぶとよいでしょう。

治療にかかる期間の目安

根元が残っている歯の治療は、一度の通院では終わらず、数回にわたって進んでいきます

根の中を清潔にする治療には時間がかかり、消毒を重ねながら状態が落ち着くのを確かめ、そのうえで土台と被せ物を作る工程へ進む必要があるためです。

根の治療に数回、型取りから被せ物の装着までにさらに数回と、全体でおよそ1か月から数か月かかることが多く見られます。

途中で通院をやめてしまうと状態が悪化してしまうため、最後まで通いきる前提でスケジュールを確認しておくと安心です。

抜歯となった場合の選択肢と費用

抜歯となった場合でも、失った歯の機能を補う方法がいくつか用意されています

歯を失ったままにしておくと噛み合わせがくずれて周りの歯にも影響が及ぶため、抜いたあとの補い方まで含めて治療計画を立てるためです。

両隣の歯を支えにするブリッジ、取り外して使う入れ歯は保険で対応できる場合があり、あごの骨に人工の根を埋めるインプラントは自由診療で数十万円ほどかかることがあります。

抜歯になっても噛む機能を取り戻す道は残されているため、その後の選択肢と費用まで聞いておくと落ち着いて判断できます。

医療費控除の考え方

治療費がまとまった金額になったときは、医療費控除によって負担が軽くなる場合があります

国税庁は、歯科医師による診療または治療の対価で、症状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費控除の対象となる医療費に該当するとしているためです[3]。

金やポーセレンといった一般的に使われる材料を用いた治療の対価も対象になるとされ、通院にかかった公共交通機関の交通費も含められる場合があります[3]。

対象になるかどうかの最終的な判断は税務署が行うため、領収書を保管し、迷うときは国税庁の案内で確認しておくとよいでしょう。

ケース別の考え方と、繰り返さないための予防

同じ「根元だけ残った」状態でも、前歯か奥歯か、差し歯だったかどうかで、気になる点は変わってきます

自分の状況に近いケースを知っておくと、受診したときの説明も理解しやすくなります

あわせて、同じことを繰り返さないための予防も押さえておきたいところです。

ここでは、ケース別の考え方と再発防止のポイントを整理していきます。

前歯が根元から折れた場合

前歯が根元から折れた場合は、見た目への影響が大きいため、仮の歯で対応しながら治療を進めることが多くなります

人と会話するときに目立つ部分であり、治療が終わるまで歯がない状態で過ごすのは負担が大きいためです。

多くの場合は治療の早い段階で仮の歯を入れてもらえるため、見た目を保ちながら通院を続けられます。

見た目の心配は遠慮せず伝えてよいことのため、不安な点を最初に相談しておくと安心して治療に臨めます。

差し歯・銀歯が根元から折れた場合

差し歯や銀歯が根元から折れた場合は、外れた部分と根の状態の両方を確かめることから始まります

被せ物が外れた背景には、内部で虫歯が進んでいた、土台が合わなくなっていたといった原因が隠れていることが多いためです。

根がしっかり残っていれば、消毒したうえで新しい土台と被せ物を作り直せる場合があります。

外れた被せ物を持参すると状態の判断に役立つことがあるため、捨てずに持っていくとよいでしょう。

折れた原因を知って再発を防ぐ

治療を終えたあとは、同じことを繰り返さないよう、折れた原因に目を向けることが大切です

歯が折れる背景には、進行した虫歯や、歯ぎしり・食いしばりによる強い力があることが多く、その原因が残ったままでは他の歯も同じ経過をたどりかねないためです[1]。

就寝時にマウスピースを使う、硬いものを噛む癖を見直す、定期健診で虫歯を早めに見つけるといった対策が挙げられます。

一本の歯のトラブルをきっかけに口全体を見直しておくと、これからの歯を守ることにつながっていきます[2]。

歯が折れて根元が残っている場合のよくある質問

Q:歯が根元から折れたら、まず何をすればいいですか?

A:折れた歯やかけらは捨てずに、牛乳などに浸けて乾燥させないように保存してください

患部は強く触らず、出血があれば清潔なガーゼを当てて静かに噛んで止血します。

痛みがなくてもできるだけ早く歯科を受診し、いつどう折れたかを伝えると処置がスムーズです。

Q:根元が残っていれば歯を残せますか?

A:歯ぐきより上に歯質が残り、根の長さや太さが十分で、割れがなければ残せる可能性があります

歯ぐきの深い位置で折れている場合も、歯ぐきの位置を整えたり根を引き上げたりする方法が検討されることがあります。

残せるかは検査で判断されるため、まず診てもらうことが第一歩です。

Q:根元だけの状態を放置するとどうなりますか?

A:根の中から細菌が入り込み、根の先に炎症が起きて腫れや膿、口臭の原因になることがあります

噛み合わせがくずれて周りの歯が動き、口全体に影響が広がることもあります。

放置するほど治療は複雑になり、費用や期間も増えていきます。

Q:治療費はどのくらいかかりますか?

A:根の治療から土台、銀歯の被せ物までを保険で進めた場合、合計で数千円から1万円台程度が目安です

セラミックなど自由診療の被せ物を選ぶと、一歯あたり10万円前後になることもあります。

条件を満たせば医療費控除の対象になる場合があるため、領収書を保管しておくと安心です。

まとめ

歯の頭が失われて根だけが残った状態は「残根」と呼ばれ、決して珍しいトラブルではありません

神経のない歯では痛みを感じないこともあり、症状の有無と状態の深刻さは一致しません。

折れた歯やかけらは乾燥させずに保存し、できるだけ早く歯科を受診することが大切です。

歯ぐきより上に歯質が残り、根に割れがなく骨の状態も良ければ、歯を残せる可能性があります。

治療は根の治療から土台、被せ物へと進み、歯ぐきの位置を整える方法や根を引き上げる方法もあります。

放置すると炎症が広がり、噛み合わせにも影響が及び、治療の負担が増えていきます。

根元だけになった歯が気になるときは、痛みがなくても早めに歯科で相談することから始めてみてください。

参考文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯の喪失の原因」(最終閲覧日:2026年7月6日)

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-04-002.html

[2] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」(最終閲覧日:2026年7月6日)

https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth.html

[3] 国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」(最終閲覧日:2026年7月6日)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm

免責事項

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。治療に関しては必ず歯科医師にご相談ください。

※症状の現れ方や治療の経過には個人差があります。

※費用や保険適用、医療費控除の取り扱いは、医療機関や税務署・国税庁の案内で最新の情報をご確認ください。