噛むと歯が痛い8つの原因|虫歯以外の可能性と対処法・受診の目安を解説

食事のたびに「特定の歯で噛むとズキッと痛む」「硬いものを噛むと響くような痛みが走る」と感じていませんか?

噛むと歯が痛い症状の原因は、虫歯だけでなく歯周病や歯根膜炎、歯のヒビ、噛み合わせのズレなど多岐にわたります[1]。

自然に治まるケースは少なく、放置すると症状が進行して抜歯につながる可能性もあるため、早めの対応が大切です。

この記事では、噛むと歯が痛い時に考えられる8つの原因、痛みのパターン別の見分け方、自宅でできる応急処置、受診の目安や治療法までをまとめてお伝えしますので、原因不明の歯の痛みに不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

噛むと歯が痛い時に考えられる原因の全体像

噛むと歯が痛い症状には、口の中のさまざまな部位や状態が関わっています。

主な原因は虫歯や歯周病といったよく知られた病気だけでなく、歯の根の周りに起こる炎症や、歯ぎしり・噛み合わせによる負担なども含まれます。

中には自分では気づきにくい歯のヒビや、歯ではない部位から痛みが伝わってくるケースもあります[2]。

ご自身の症状がどの原因に当てはまるかを知ることで、早めの対処や受診先の判断につながるでしょう。

ここからは、噛むと歯が痛い原因を4つのカテゴリに分けて整理していきます。

虫歯や歯ぐきの病気で噛むと歯が痛む原因

噛むと歯が痛い症状の中で、最も多くの方に当てはまるのが虫歯や歯ぐきの病気が原因のケースです。

虫歯は歯の表面のエナメル質が溶けることで進行し、神経に近づくほど噛んだ時の痛みが強くなります。

歯ぐきの炎症から始まる歯周病も、進行すると歯を支える骨が溶けて噛む力に耐えられず、痛みを引き起こします[1]。

これらは早期発見で治療の負担が軽くなる症状であり、痛みを感じた段階で医療機関への相談が望まれます。

虫歯や歯ぐきが原因で噛むと痛みが出る代表的な3つの状態をお届けします。

虫歯の進行による神経への刺激

噛むと歯が痛い症状で最初に疑われるのは、神経近くまで進んだ虫歯です。

虫歯はエナメル質、象牙質、歯の神経(歯髄)の順に進行し、神経に近づくほど噛んだ時の刺激が痛みとして伝わりやすくなります。

神経まで到達した状態(C3)では、噛む力で神経が圧迫されて強い痛みを感じる方が多くいらっしゃいます[1]。

軽度の虫歯では冷たいものや甘いものが一時的にしみる程度ですが、進行すると食事中にズキッとした痛みが走ったり、硬い食べ物で響くような痛みが出るケースもあります。

被せ物や詰め物の下で気づかないうちに虫歯が広がる「二次カリエス」も、噛んだ時の痛みの原因として多く見られます[2]。

虫歯による痛みは時間とともに悪化することが多く、自然に改善する見込みは少ないと考えられます。

違和感を覚えた段階で歯科医院を受診しておくと、削る範囲を最小限に抑えられる可能性があります。

歯周病による歯ぐきや骨の炎症

歯ぐきの腫れや出血を伴いながら噛むと痛みが出る場合は、歯周病の進行が原因として考えられます。

歯周病は歯垢や歯石にひそむ細菌が歯ぐきに炎症を起こし、放置すると歯を支えている骨(歯槽骨)まで溶かしてしまう病気のひとつです[3]。

骨が減ると歯がぐらつくため、正常な噛む力でも歯ぐきや歯根膜に負担がかかって痛みとなって現れます。

初期の歯肉炎では歯磨き時の出血や歯ぐきのむずがゆさが中心ですが、進行した歯周炎では噛んだ瞬間にズーンと響く感覚や、食後に歯ぐきがじんわり痛むこともあります。

歯ぐきから膿が出たり口臭が気になる方も少なくありません。

歯周病は気づかないうちに進行する病気のひとつであり、自宅のケアだけで完治させるのは難しいといえるでしょう。

違和感がある段階で歯科医院を受診し、歯石除去やブラッシング指導を受けておくと安心できます。

歯肉炎による歯ぐきの腫れ

噛むと歯が痛いと感じている部位の歯ぐきが赤く腫れている場合は、歯肉炎が背景にあるかもしれません

歯と歯の間にプラーク(歯垢)がたまり、その中の細菌が歯ぐきに炎症を起こすことで腫れや出血、噛んだ時の違和感が現れます[3]。

歯肉炎の段階では骨はまだ溶けていないため、適切なケアで改善が見込めます。

食べ物が歯と歯の間にはさまったまま長時間放置されると、歯ぐきが圧迫されて押すと痛む状態になることもあります。

噛むと痛むのは歯そのものではなく、腫れた歯ぐきが原因という方も少なくありません。

歯ぐきがブヨブヨして触ると出血する、歯と歯の間が赤いといったサインがあれば、歯肉炎が疑われるケースです。

歯肉炎は歯磨きと歯科でのクリーニングで改善しやすい状態と考えられています。

症状が軽いうちに歯間ブラシやデンタルフロスでのケアを始めておくと、歯周炎への進行を抑えられる可能性があります。

歯の根や周辺組織のトラブルで噛むと歯が痛む原因

噛むと歯が痛いのに見た目には虫歯がないという場合、歯の根や周辺組織のトラブルが疑われます

歯と骨をつなぐ歯根膜の炎症や、歯の根の先にたまった膿、目に見えにくい歯のヒビなど、外からは気づきにくいトラブルが多いのが特徴です[2]。

これらは自然治癒が期待できない状態が多く、放置すると抜歯につながる可能性もあります。

レントゲンや精密検査ではじめてわかるケースが多いため、虫歯ではないと言われた後も痛みが続く方は、根の状態を確認してもらう必要があります。

ここでは歯の根や周辺組織が関わる3つの代表的な原因をお届けします。

歯根膜炎(歯のクッション部分の炎症)

噛んだ時にズキッと痛んだり歯が浮いたような違和感がある場合、歯根膜炎が起こっていると考えられます。

歯根膜は歯と顎の骨の間にある薄い膜で、噛んだ時の力を吸収するクッションの役割を担う組織です[2]。

ここに炎症が起きると、噛む度に圧迫されて痛みを感じやすくなります。

歯根膜炎の主な原因は、虫歯の進行による細菌感染や歯ぎしり・食いしばりなどの過剰な力、被せ物の高さが合わないことによる特定の歯への負担です。

足首をひねった捻挫のように、歯根膜が炎症を起こして敏感になっている状態と考えると分かりやすいかもしれません。

軽度であれば原因の除去と安静で改善が見込めますが、重症化すると神経の治療や抜歯を検討する場合もあります。

噛むと響く感覚や歯が浮いた感じが続く方は、早めに歯科医院で診てもらうのが望ましいです。

根尖性歯周炎(歯の根の先に膿がたまる)

過去に神経を取った歯が噛むと痛む場合、根尖性歯周炎が原因として疑われます。

根尖性歯周炎は、歯の根の先に細菌が感染して膿の袋ができる病気で、根管治療の取り残しや治療後の再感染で起こることが多い状態です[2]。

膿が根の周りを圧迫することで、噛む度にズキッとした痛みや歯が浮いた感覚が生じます。

慢性の根尖性歯周炎では、疲れた時に歯ぐきが腫れたり、歯ぐきにフィステルと呼ばれるおできのような膨らみが現れることもあります。

急性に進行した場合は何もしていなくてもズキズキ痛んだり、顔が腫れて発熱を伴うケースも見られます。

根尖性歯周炎は自然治癒することはなく、再根管治療や歯根端切除術といった治療が必要になります[3]。

レントゲンやCTでの精密検査が診断の決め手になるため、神経を抜いた歯に違和感を覚えたら早めの受診を心がけてみてください。

歯のヒビ・歯根破折

レントゲンでは虫歯が見当たらないのに噛むと痛む場合、歯にヒビが入っているケースが少なくありません。

歯のヒビや歯根破折は、強い衝撃や歯ぎしり、神経を取った歯の強度低下などが原因で起こりやすいトラブルです[2]。

ヒビから細菌が入り込むと内部で炎症が広がり、噛んだ瞬間だけ痛むという特徴的な症状が現れます。

特に神経を取った歯は血流による栄養供給がなくなり、もろくなりやすい状態にあります。

硬い食べ物を噛んだ時や食いしばりが習慣化している方では、奥歯を中心にヒビが入りやすいため注意が必要です。

ヒビが浅い段階では接着剤で補強して経過観察することもありますが、根まで割れている場合は抜歯となる可能性もあります。

「特定の歯で噛むと毎回痛む」「冷たい水で響く」などのサインがあれば、マイクロスコープなどを用いた精密検査を受けるのが安心です。

噛む力や生活習慣で噛むと歯が痛む原因

噛むと歯が痛い症状の中には、歯そのものに病気がなくても噛む力や生活習慣によって引き起こされるものがあります。

歯ぎしりや食いしばりで過剰な力が長時間かかったり、噛み合わせのズレで一部の歯に負担が集中したりすると、歯や歯根膜が悲鳴を上げてしまいます[4]。

詰め物や被せ物の高さが合わずに痛むケースも見られます。

これらは無意識のうちに進行することが多く、ご自身では気づきにくいのが特徴です。

ここでは生活習慣や噛む力が関わる3つの代表的な原因をお届けします。

咬合性外傷による歯への過剰な負担

噛むと歯が痛いのに虫歯も歯周病もない場合、咬合性外傷が原因として疑われます。

咬合性外傷とは、噛み合わせのズレや過度な噛む力によって歯や歯根膜が傷ついている状態を指します[4]。

特定の歯に集中して力がかかることで、歯根膜が捻挫したような状態になり、噛む度に痛みが現れるのが特徴です。

咬合性外傷には、健康な歯に強い力がかかる「一次性」と、歯周病で弱った歯に通常の力がかかる「二次性」の2タイプがあります。

被せ物の高さが他の歯より少し高いだけでも、その歯に負担が集中して痛みにつながることがあります。

歯周病が進行している方では、軽い噛む力でも歯がぐらついて痛むこともあります。

治療では噛み合わせの調整やマウスピースの装着、原因となる歯周病の治療などを組み合わせて対応するのが一般的です。

「特定の歯だけがいつも痛む」と感じる方は、歯医者で噛み合わせをチェックしてもらうのが望ましいでしょう。

歯ぎしり・食いしばりによるダメージ

朝起きた時に顎が疲れていたり、噛むと特定の歯が痛む方は、就寝中の歯ぎしりや食いしばりが影響しているかもしれません

歯ぎしりや食いしばりでは、食事の何倍もの力(時に100kg以上)が長時間にわたって歯にかかり続けます[2]。

この異常な力が歯根膜を圧迫し続けることで、炎症や痛みを引き起こすと考えられます。

歯ぎしりはご自身では気づかないことが多く、家族から指摘されたり歯科検診で発覚するケースが大半です。

ストレスや不安、姿勢の悪さ、噛み合わせのズレなどが背景にあると言われています。

歯のすり減りや欠け、頬の内側にある噛んだ跡(白い線)、顎関節の違和感などが見られる方は要注意です。

対策としては就寝時のマウスピース(ナイトガード)の装着が代表的で、歯への負担を大きく減らす効果が期待できます[5]。

ストレス管理や生活リズムの見直しも合わせて取り入れると、改善につながることもあるでしょう。

詰め物・被せ物の不具合

歯科治療を受けた後から噛むと痛むようになった場合、詰め物や被せ物の不具合が考えられます。

詰め物・被せ物の高さがわずかでも合っていないと、その歯に噛む力が集中して歯根膜が炎症を起こすことがあります[4]。

治療直後は違和感があっても数日で慣れることが多いものの、1週間以上痛みが続く場合は調整が必要なサインといえるでしょう。

長年使用している銀歯やセラミックの下で二次的な虫歯が進行しているケースも少なくありません。

接着している部分が劣化して隙間ができると、そこから細菌が入り込んで内部で虫歯が広がります。

被せ物の中の虫歯は外側からは見えにくく、噛んだ時の痛みではじめて気づく方が多いのが実情です。

詰め物が外れた、欠けた、噛み合わせに違和感があるといった場合は、放置せず歯科医院で確認してもらうことが大切です。

その他の意外な原因で噛むと歯が痛むケース

噛むと歯が痛い症状の中には、歯そのものではなく周辺の組織や鼻の病気が原因で起こるケースもあります。

親知らずの周囲で起こる炎症や、上顎の奥にある副鼻腔の炎症、歯ぐきが下がって象牙質が露出する知覚過敏など、見落とされがちな原因もいくつか存在します[2]。

これらは一見すると歯のトラブルに見えるため、自己判断が難しい症状でもあります。

歯科医院で原因を特定してもらうことで、適切な治療科への案内が受けられるでしょう。

ここでは見落とされやすい3つの原因をお届けします。

親知らずによる周囲の炎症

奥歯の一番奥で噛むと痛みや違和感がある場合、親知らずが関係していることがあります。

親知らずは10代後半から20代前半に生えてくる最後の永久歯で、横向きや斜めに生えると周囲の歯ぐきや隣の歯に圧力をかけて痛みを引き起こします[6]。

歯ぐきの一部が親知らずを覆ったままになると、その隙間に汚れがたまって智歯周囲炎と呼ばれる炎症が起きやすくなります。

智歯周囲炎では奥歯の歯ぐきが赤く腫れ、噛んだ時にズキッとした痛みや違和感が生じます。

口が開けにくくなったり、頬がパンパンに腫れたり、発熱を伴うこともあるのが特徴です。

奥歯のさらに奥に違和感を感じたり、磨く時に歯ブラシが届きにくいと感じる方は親知らずの存在を疑ってみる必要があります。

親知らずは抜歯が必要なケースも多く、症状や生え方によって対応が変わります。

腫れや痛みが強い場合は口腔外科を扱う歯科医院での相談が安心と考えられます。

上顎洞炎(副鼻腔の炎症)の影響

上の奥歯で噛むと痛みがあり、鼻づまりや黄色い鼻水を伴う場合、上顎洞炎が原因の可能性があります。

上顎洞は上の奥歯の根の上にある空洞で、ここに炎症が起こると歯と勘違いするような痛みが生じることがあります[6]。

風邪やアレルギー性鼻炎をきっかけに発症するほか、歯の根の感染が広がって起こるケースもあります。

上顎洞炎による歯の痛みは、頭を下げた時やかがんだ時に強くなる傾向があります。

片方の鼻だけ詰まる、頬の奥に重い感覚がある、黄色や緑色の鼻水が出るといった症状が同時にある時は、副鼻腔の炎症が疑われるサインです。

歯医者では「歯に異常が見当たらない」と言われた経験のある方もいらっしゃるでしょう。

治療は耳鼻咽喉科での投薬が中心となりますが、原因が歯にある場合は歯科との連携治療が必要になります。

迷った時はまず歯科医院で歯の状態を確認してもらい、必要に応じて耳鼻科を案内してもらうのも一つの方法です。

知覚過敏による一時的な痛み

噛んだ時に冷たいものや甘いものでズキッと響く痛みがある場合、知覚過敏が関係しているかもしれません

知覚過敏は歯ぐきが下がって象牙質が露出することで起こり、刺激が神経に伝わりやすくなる状態を指します[7]。

不適切な歯磨きや歯周病の進行、歯ぎしりによるエナメル質の摩耗などが背景にあると考えられます。

噛んだ時の圧力で象牙質の細い管(象牙細管)の中の液体が動き、神経を刺激することで一過性の痛みが現れます。

冷たい飲み物を飲んだ瞬間や歯磨き時にしみる場合は、知覚過敏の可能性が高いといえるでしょう。

ただし、しみる症状が長く続いたり噛んだ時の痛みが強くなる場合は、虫歯や歯のヒビなど別の原因が隠れていることもあります。

知覚過敏自体は薬の塗布やコーティング材で対応できるケースが多く、症状が軽いうちに歯科医院で相談しておくと安心できます。

歯ぎしりが原因の場合はマウスピースの併用も検討の対象となるでしょう。

痛みの特徴から原因を見分けるポイント

噛むと歯が痛いと一言で言っても、痛み方は人によって大きく異なります。

ズキッと鋭く痛むのか、ジンジン続く鈍い痛みなのか、噛んだ時だけ痛むのか、それとも何もしなくても痛むのかによって、隠れている原因はまったく違うものになります[2]。

ご自身の痛みの特徴を整理しておくと、歯科医院での問診がスムーズに進み、適切な検査につながりやすくなります。

ここでは代表的な4つの痛み方を取り上げ、それぞれに考えられる原因の傾向をお届けします。

ご自身の症状と照らし合わせながら確認してみてください。

噛んだ時だけズキッと痛むケース

普段は何ともないのに、噛んだ瞬間にだけズキッと鋭い痛みが走る場合、歯根膜の炎症や歯のヒビが疑われます

歯根膜が炎症を起こしていると、噛む圧力で組織が圧迫されて痛みを感じる仕組みになっています[2]。

歯にヒビが入っている場合も、噛む力でヒビが開いて内部の神経を刺激するため、噛んだ瞬間だけ痛むという特徴的な症状が現れます。

このタイプの痛みは食事を終えると治まることが多く、一時的なものと思って放置されがちです。

しかし放置すると徐々に痛みが強くなったり、何もしていなくても痛む段階に進行することがあります。

特定の歯で噛むと毎回痛む、硬いものでだけ響くといったパターンに心当たりがあれば、歯のヒビや歯根膜炎の可能性を意識しておきましょう。

レントゲンで見つかりにくいケースもあるため、マイクロスコープやCTでの精密検査ができる歯科医院を選ぶと安心です。

早めの受診で歯を残せる可能性が高まるため、迷わず相談してみてください。

何もしなくてもズキズキ痛むケース

噛んだ時だけでなく、何もしていなくてもズキズキとした痛みが続く場合、虫歯が神経まで進行しているか急性の炎症が起きていると考えられます。

歯髄炎や急性根尖性歯周炎では、神経の中で強い炎症が起こり、自発痛と呼ばれる持続的な痛みが現れます[2]。

夜間や横になった時に痛みが強くなる傾向があるのも、このタイプの特徴です。

頬が腫れたり、発熱を伴ったり、ロキソニンなどの市販の痛み止めが効きにくい状態になることもあります。

我慢して放置すると、感染が広がって全身に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

口の中に温かい膿が出てきた、顔の片側がパンパンに腫れた、口が開けにくいといったサインは、急いで歯科医院を受診すべき症状といえます。

このタイプの痛みは自然に治ることがほとんどなく、根管治療や抗菌薬による処置が必要になります[3]。

夜間や休日の場合は休日歯科診療所や口腔外科のある総合病院を頼るのも一つの方法です。

歯が浮いたような違和感があるケース

歯が少し浮いたように感じる、噛むと他の歯より先に当たるような感覚がある場合、歯根膜炎や根尖性歯周炎の初期段階が疑われます

歯根膜が炎症で腫れると、その分だけ歯がわずかに押し出された状態になり、浮いた感覚として認識されます[2]。

噛むと違和感がある、上下の歯を合わせると一本だけ強く当たる、といった訴えが多いのが特徴です。

疲れた時やストレスがかかった時に症状が強くなる方もいらっしゃいます。

歯ぎしりや食いしばりが続いた朝、歯が浮いた感じと共に鈍い痛みを覚えるケースも見られます。

歯周病が進行している方では、噛むと歯が動くような感覚を伴うこともあるでしょう。

浮いた感じは比較的軽い症状に思われがちですが、歯根膜の悲鳴のサインとも言える状態です。

違和感が数日続く場合は、原因の特定と早めの対処が望ましいといえるでしょう。

冷たいものや熱いものでもしみるケース

噛むと痛むだけでなく、冷たい水や熱い飲み物でしみる症状を伴う場合、虫歯の進行や知覚過敏が考えられます。

冷たいものでズキッとしみる症状は虫歯の中期から後期、知覚過敏、歯のヒビなどで起こりやすい状態です[7]。

熱いものでしみる場合は、虫歯がより深く進行して神経が炎症を起こしている可能性が高くなります。

刺激を取り除いた後にすぐ痛みが治まる場合は知覚過敏の傾向が強く、しばらくジンジンと続く場合は神経の炎症が進んでいるサインといえるでしょう。

甘いものや酸っぱいものでもしみる場合は、虫歯の可能性がより高くなります。

噛んだ時の痛みとしみる症状の両方がある場合、歯のヒビが入って細菌が内部に侵入しているケースも疑われます。

このタイプの痛みでは、原因を見極めるためにレントゲンや知覚過敏のテストが行われるのが一般的です。

放置すると神経を取る治療が必要になることもあるため、早めの相談が望まれます。

噛むと歯が痛い時の自宅でできる応急処置

噛むと歯が痛い症状が出ても、夜間や休日ですぐに歯科医院に行けないこともあります。

そんな時は自宅でできる応急処置で、痛みを和らげながら受診のタイミングを待つのも一つの選択肢です[8]。

応急処置はあくまで一時的な対応であり、根本的な治療には歯科医院での診察が必要となります。

痛みが落ち着いたとしても症状が解決したわけではないため、なるべく早めの受診を心がけましょう。

ここでは自宅で取り入れやすい3つの応急処置をお届けします。

患部を冷やして炎症を抑える

噛むと歯が痛い時に最も取り入れやすい応急処置が、患部を外側から冷やす方法です。

歯の痛みの多くは炎症によって起こるため、冷やすことで血流を抑えて痛みが軽くなることが期待できます[8]。

タオルで包んだ氷のうや保冷剤を、痛む側の頬の外側に当てて10分ほど冷やしてみてください。

氷を直接当てたり長時間冷やしすぎたりすると、低温やけどや血流の悪化につながる恐れがあります。

冷やしすぎたと感じたら一度休んで、肌の感覚が戻ってから再開するのが望ましいです。

口の中に直接氷を含むのは、知覚過敏のある歯にしみたり神経を刺激したりする可能性があるため避けたほうがよいでしょう。

冷やすのが向いているのは炎症や腫れによる痛みの場合で、神経が壊死しているケースでは効果を感じにくいこともあります。

冷やしても痛みが強い時や、しばらくしても症状が変わらない場合は、無理に続けず別の対処法に切り替えてみてください。

市販の痛み止めを服用する

冷やしても痛みが治まらない場合は、市販の痛み止めを服用するのも有効な方法です。

ロキソプロフェンやイブプロフェン、アセトアミノフェンなどを含む市販薬は、歯の痛みに対して一時的な鎮痛効果が期待できます[8]。

ドラッグストアで購入できる鎮痛剤の用法・用量を守って服用すると、数十分から1時間程度で痛みが和らぐ方が多くいらっしゃいます。

痛み止めはあくまで一時的な対症療法であり、原因そのものを治す薬ではありません。

服用しても痛みが引かない場合や、効果が短時間で切れてしまう場合は、急性の炎症や強い感染が起きているサインの可能性があります。

その時は無理に飲み続けず、早めに歯科医院を受診することが大切です。

過去に薬で発疹やかゆみが出たことがある方や、持病で服用中の薬がある方は、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。

妊娠中や授乳中の方も、使える薬の種類が限られるため確認が必要となります。

ぬるま湯で口の中を清潔に保つ

歯と歯の間に食べ物のカスが詰まって痛みが出ている時は、ぬるま湯で口をすすいで清潔に保つことが応急処置になります。

口の中の細菌が増えると炎症が悪化することもあるため、清潔を保つだけでも症状が和らぐ場合があります[8]。

冷たい水でうがいをすると痛みが響くことがあるため、体温に近いぬるま湯を使うと安心です。

熱いお湯は血行を良くして痛みを増す原因になるため、避けたほうがよいでしょう。

歯と歯の間に挟まったものは、デンタルフロスを優しく通して取り除いてみてください。

爪楊枝や硬い棒で無理に取ろうとすると、歯ぐきを傷つけて状態を悪化させる恐れがあります。

軽く塩を溶かしたぬるま湯ですすぐと、口の中の殺菌効果が高まると言われています。

ただし強くうがいをしたり頻繁にすすぎ過ぎたりするのは、かえって粘膜を刺激することもあるため、優しく数回程度にとどめておくのが望ましいでしょう。

噛むと歯が痛い時にやってはいけない3つの行動

噛むと歯が痛い時に、よかれと思ってした行動が実は症状を悪化させているケースもあります。

体を温める入浴や運動、患部を指で押したり舌で触ったりする行為、自己判断での放置などは、痛みを強める原因になりかねません[8]。

応急処置と合わせて、避けるべき行動も知っておくと安心です。

これからお伝えする3つのNG行動を頭に入れておくと、症状の悪化を防ぎながら受診のタイミングまで過ごせるでしょう。

ここではそれぞれの理由と注意点を順にお届けします。

体を温める行為を控える

噛むと歯が痛い時は、入浴や運動、飲酒など体を温める行為を控えるのが基本です。

体が温まると全身の血流が良くなり、炎症を起こしている部分の血流も増えて痛みが強くなる傾向があります[8]。

特に湯船にゆっくり浸かったり、激しい運動をしたりすると、ズキズキとした痛みが急に増すことも少なくありません。

入浴はシャワーのみで短時間に済ませるのが望ましく、湯船はなるべく避けたほうがよいでしょう。

飲酒は血行を促進するうえに、薬を服用している場合は鎮痛剤の効果に影響することもあります。

激しい運動も同様に控えて、できるだけ安静に過ごすのが安心です。

睡眠不足やストレスも痛みを感じやすくする要因のひとつといわれています。

歯の痛みがある時は無理せずに早めに休み、体への負担を減らして過ごしてみてください。

患部を指や舌で刺激しない

痛みのある場所が気になっても、指や舌で何度も触ったり押したりするのは避けたほうが安心です。

患部に直接触れることで、雑菌が入り込んで炎症が悪化する恐れがあるからです[8]。

舌で押したり頬の内側から触ったりするだけでも、刺激が加わって痛みが強くなることがあります。

歯を強くこすって磨いたり、爪楊枝で歯ぐきの間を突いたりするのも控えましょう。

特に親知らず周辺の腫れや、フィステルと呼ばれる歯ぐきのおできのような膨らみがある場合は、潰してしまうと感染が広がる可能性があります。

気になる気持ちはあっても、できるだけ触らずそっとしておくのが望ましい対応といえます。

歯磨きをする時は、痛む部分を避けて柔らかいブラシで丁寧に磨くようにしましょう。

口の中の清潔を保ちながらも患部への刺激を最小限にすることが、応急処置中の大切なポイントです。

自己判断で放置しない

「そのうち治まるだろう」と自己判断で放置するのは、噛むと歯が痛い症状で最も避けたい対応です。

歯の痛みは口の中で何らかの異常が起こっているサインであり、時間が経つほど治療の負担が大きくなる傾向があります[2]。

一時的に痛みが治まった場合でも、内部で症状が進行していることが多くあります。

特に虫歯や歯周病、根尖性歯周炎などは自然治癒が期待できない病気のひとつです。

放置すると神経が壊死したり、膿が広がって抜歯が必要になったりするケースも珍しくありません。

痛みが消えたから治ったと思って放置した結果、数か月後に大きく腫れて来院される方もいらっしゃいます。

我慢する期間が長くなるほど、治療回数や費用、心身の負担も増えていきます。

少しでも違和感を覚えた段階で歯科医院に相談しておくと、軽い処置で済む可能性が高まるでしょう。

噛むと歯が痛い症状は自然に治る?

噛むと歯が痛い症状が自然に治るかどうかは、原因によって大きく異なります

歯と歯の間に食べ物が挟まっただけのケースや、軽い歯肉炎であれば、丁寧な歯磨きとフロスのケアで改善することもあります[3]。

ただし虫歯や歯周病、歯根膜炎、根尖性歯周炎、歯のヒビといった原因の場合、自然治癒は基本的に望めないと考えられます。

これらは細菌感染や物理的な損傷が背景にあり、時間とともに進行する性質を持つ病気だからです。

一時的に痛みが消えることはあっても、内部で病変が広がり続けているケースが少なくありません。

「痛みが治まった=治った」ではないことを意識しておきましょう。

特に神経が壊死した歯では痛みを感じなくなりますが、これは治癒ではなく炎症が深部に進んだサインです。

違和感が消えたからといって油断せず、一度は歯科医院で状態を確認してもらうのが望ましいといえるでしょう。

放置による悪化を防ぐためにも、早めの受診を心がけてみてください。

噛むと歯が痛い時に受診すべきタイミングと診療科

噛むと歯が痛い症状が出た時、すぐに歯科医院に行くべきか様子を見るか迷う方は少なくありません。

軽い違和感程度なら数日様子を見ても大きな問題はありませんが、強い痛みや腫れ、発熱を伴う場合は早急な受診が必要となります[2]。

迷った時は、痛みの強さや継続時間、他の症状の有無を一つの判断基準としてみてください。

受診先も症状によって変わるため、一般歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科の使い分けを知っておくとスムーズです。

ここでは受診の目安と診療科の選び方を順にお届けします。

早めに受診すべき症状のサイン

噛むと歯が痛い症状の中でも、以下のようなサインが現れた場合は早めの受診が望まれます

具体的には、市販の痛み止めが効かない強い痛み、頬や歯ぐきの目に見える腫れ、発熱、口が開けにくい、噛んだ時にグラグラ動く歯の感覚などが該当します[6]。

これらは炎症が広がっていたり、感染が進行している可能性が高いサインといえるでしょう。

何もしていなくてもズキズキ続く自発痛や、夜間に痛みで眠れないほどの症状も急性の炎症が疑われます。

歯ぐきから膿が出ている、顔の片側だけパンパンに腫れているといった状態は、放置で全身に影響する恐れもあります。

普段とは違う強い症状を感じたら、無理せず当日または翌日には歯科医院を頼ってみてください。

軽い違和感や数日で治まる程度の痛みでも、繰り返す場合は内部で病気が進行しているケースがあります。

「いつか治る」と先延ばしにせず、症状が落ち着いている時に予防的な検査を受けるのも一つの選択肢です。

一般歯科・口腔外科・耳鼻科の使い分け

噛むと歯が痛い症状の受診先は、まず一般歯科を選ぶのが基本となります。

虫歯や歯周病、歯根膜炎、根尖性歯周炎、被せ物の不具合など、ほとんどの原因は一般歯科で診断と治療が可能です[6]。

レントゲンやCTでの精密検査を行っている歯科医院であれば、見えにくい歯のヒビや根の問題まで対応してもらえます。

親知らずによる強い腫れや発熱、抜歯が必要なケース、顎関節の問題が絡む症状などでは、口腔外科を扱う歯科医院や大学病院が適切な選択肢です。

蜂窩織炎と呼ばれる感染が広がった状態では、入院治療が必要になることもあります。

迷った時は、まず一般歯科に電話で症状を伝え、口腔外科に行くべきかを確認するのも安心できる方法です。

上の奥歯の痛みに鼻づまりや黄色い鼻水を伴う場合は、上顎洞炎が疑われるため耳鼻咽喉科の受診が望まれます。

歯科と耳鼻科の連携が必要なケースもあるため、最初の受診先で判断に迷う場合は症状を詳しく伝えて相談してみてください。

噛むと歯が痛い症状の主な治療法

噛むと歯が痛い症状の治療は、原因によって内容が大きく異なります

虫歯であれば削って詰める治療、歯周病であれば歯石除去や歯周ポケットの洗浄、神経まで進んだ虫歯では根管治療が選ばれることが多くなります[3]。

噛み合わせや歯ぎしりが原因の場合は、マウスピースや噛み合わせの調整で対応するケースもあります。

歯根破折や進行した根尖性歯周炎では、抜歯を検討する場面もあるでしょう。

ここでは代表的な3つの治療パターンを順にお届けします。

ご自身のケースに当てはまる治療を知っておくと、受診時の不安が和らぎやすくなります。

虫歯・歯周病・根管治療

虫歯が原因で噛むと歯が痛む場合、進行度に応じて治療内容が変わります

軽度の虫歯ではレジンと呼ばれる白い樹脂で詰める治療が中心となり、1〜2回の通院で終わるケースが多く見られます[1]。

中等度から重度に進行している場合は、神経を残せるかどうかの判断のうえで根管治療や被せ物の作製が検討されます。

歯周病による痛みでは、歯石除去(スケーリング)と歯周ポケットの洗浄が基本的な治療として行われます。

進行している場合は歯ぐきを切開して深い部分の歯石を取り除く処置(フラップ手術)が必要になることもあります。

ブラッシング指導とセットで継続的なケアを行うことで、症状の改善が期待できるでしょう。

神経まで達した虫歯や根尖性歯周炎では、根管治療と呼ばれる歯の根の中をきれいにする処置が選ばれます[3]。

数回の通院で根の中を消毒し、薬を詰めてから被せ物を装着する流れが一般的で、1〜2か月ほどかかることもあります。

マウスピース・噛み合わせ調整

歯ぎしりや食いしばり、咬合性外傷が原因で噛むと歯が痛む場合は、マウスピースや噛み合わせの調整が有効な治療となります。

就寝時に装着するナイトガードと呼ばれるマウスピースは、歯にかかる過剰な力を分散させて歯根膜への負担を軽くする効果が期待できます[5]。

歯科医院で型取りをしてご自身の歯に合ったものを作製することで、装着時の違和感も少なくなります。

被せ物の高さが合わない場合は、ごく少量を削って噛み合わせを調整する処置で対応できることが多いでしょう。

矯正治療が必要な噛み合わせのズレでは、ワイヤーやマウスピース矯正での改善が選択肢に入ります。

ご自身の症状や生活スタイルに合わせて、歯科医師と相談しながら方針を決めていくのが望ましいです。

ストレスマネジメントや姿勢の改善といった生活習慣面のアプローチも、再発防止に役立つと考えられます。

マウスピースは半年から数年で交換が必要になるため、定期的なメンテナンスも合わせて受けるのが安心です。

抜歯が必要になるケース

すべての治療を尽くしても歯を残せない場合、抜歯が選択されることもあります

歯根が大きく割れている歯根破折、進行が深く根管治療でも改善しない根尖性歯周炎、歯を支える骨がほとんど残っていない重度の歯周病などが該当します[3]。

歯ぐきの中にまで虫歯が進んだ場合も、抜歯せざるを得ないケースがあります。

抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯などで歯の機能を補う治療が必要となります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、費用や治療期間、見た目、噛む力などを比較しながら選んでいくとよいでしょう。

歯科医師としっかり話し合い、ご自身の希望に合った方法を見つけることが大切です。

抜歯は最終手段ではあるものの、感染源を残したまま放置するよりも全身への悪影響を防ぐ意味で必要な処置となる場面もあります。

「歯を抜きたくない」という気持ちに寄り添ってもらえる歯科医院でセカンドオピニオンを取るのも、納得して進めるための一つの方法です。

噛むと歯が痛い症状を再発させないための予防習慣

噛むと歯が痛い症状を治療しても、生活習慣を見直さなければ再発するリスクは残ります

毎日のセルフケアと定期的な歯科検診を組み合わせることで、虫歯や歯周病、咬合性外傷などの再発を抑えやすくなります[3]。

歯ぎしり対策やストレス管理など、口の中だけでなく生活全体を整える視点も大切です。

予防は治療よりも体への負担が少なく、費用面でも結果的に経済的といえるでしょう。

ここでは日常生活で取り入れたい2つの予防習慣をお届けします。

毎日のセルフケアのポイント

噛むと歯が痛い症状を防ぐ第一歩は、毎日の歯磨きを丁寧に行うことです。

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを6割程度しか落とせないと言われており、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が望ましいとされています[3]。

特に奥歯の歯と歯の間は虫歯や歯周病が起こりやすいため、フロスを通す習慣をつけてみてください。

歯磨きは食後30分以内を目安に1日2〜3回、優しい力で2〜3分かけて行うのが基本となります。

歯ブラシを強く当てすぎると歯ぐきが下がって知覚過敏の原因になるため、毛先を歯と歯ぐきの境目に45度の角度で当てて細かく動かすのがコツです。

フッ素入りの歯磨き粉を選ぶと、虫歯予防の効果が期待できるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりがある方は、日中も意識して歯を離す習慣をつけることが大切です。

ストレッチや深呼吸でリラックスする時間を取り入れ、ストレスを溜め込まない工夫も合わせて意識してみてください。

定期的な歯科検診の重要性

セルフケアと並んで欠かせないのが、3〜6か月に1度の定期的な歯科検診です。

定期検診ではご自身では気づきにくい初期の虫歯や歯周病、噛み合わせの変化などを早期に見つけてもらえます[3]。

歯科衛生士によるクリーニング(PMTC)で、自宅では落としきれない歯石やバイオフィルムを除去してもらうことも可能です。

検診を続けている方は、虫歯や歯周病による抜歯のリスクが大きく減るというデータも報告されています。

歯のヒビや被せ物の不具合といった見つけにくいトラブルも、検診の場で早期発見につながりやすくなります。

「痛くなってから行く場所」ではなく、「予防のために通う場所」として歯科医院を捉え直してみてください。

費用面が気になる方も、定期検診で初期の段階で対応できれば、結果的に治療費を抑えられる可能性が高くなります。

ご自身の歯を長く健康に保つために、まずは半年に1度の検診から始めてみるのも一つの方法でしょう。

噛むと歯が痛いに関するよくある質問

Q1. 神経を取った歯が噛むと痛むのはなぜですか?

神経を取った歯が噛むと痛む場合、根尖性歯周炎が原因として疑われます[2]。

神経を取った歯の根の先に細菌が再感染して膿の袋ができると、噛む圧力で膿が圧迫されて痛みが生じます。

レントゲンやCTでの精密検査が必要となるため、早めに歯科医院で診てもらうことが望ましいでしょう。

Q2. 噛むと痛いけど虫歯じゃないと言われた時はどうすれば?

虫歯がないのに噛むと痛む場合、歯根膜炎や歯のヒビ、咬合性外傷などが考えられます[2]。

レントゲンに映りにくい歯のヒビや、噛み合わせのズレが原因となるケースも少なくありません。

マイクロスコープやCTでの精密検査ができる歯科医院でセカンドオピニオンを取ると、原因の特定につながりやすくなります。

Q3. 噛むと歯が痛い症状を放置すると抜歯になりますか?

原因によっては放置で抜歯につながる可能性があります[3]。

特に根尖性歯周炎や歯根破折、進行した歯周病は自然治癒が望めず、症状が悪化すると歯を残せなくなることがあります。

違和感を覚えた段階で歯科医院を受診すれば、軽い処置で歯を残せる可能性が高まるでしょう。

Q4. 痛み止めを服用しても痛みが引かない時は?

市販の痛み止めが効かない場合、神経の急性炎症や強い感染が起きている可能性があります[8]。

放置すると顔の腫れや発熱に進む恐れもあるため、早めの歯科受診が安心です。

夜間や休日であれば、休日歯科診療所や口腔外科のある総合病院を頼るのも一つの方法となります。

まとめ

噛むと歯が痛い症状の原因は虫歯や歯周病だけでなく、歯根膜炎や根尖性歯周炎、歯のヒビ、咬合性外傷など多岐にわたります。

痛み方の特徴を整理することで、ご自身のケースに近い原因を絞り込みやすくなります。

夜間や休日に痛みが出た時は、患部を冷やす・痛み止めを服用する・ぬるま湯で口の中を清潔に保つといった応急処置で乗り切る方法があります。

体を温める行為や患部への刺激、自己判断での放置は症状を悪化させる恐れがあるため避けたほうがよいでしょう。

噛むと歯が痛い症状の多くは自然治癒が期待できないため、早めの歯科受診が歯を守る近道となります。

毎日のセルフケアと半年に1度の定期検診を組み合わせれば、再発のリスクを大きく減らせるでしょう。

違和感を覚えた段階でかかりつけの歯科医院を頼り、ご自身の歯を長く健康に保っていきましょう。

参考文献

[1] 公益社団法人 日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.jda.or.jp/park/

[2] 一般社団法人 日本歯内療法学会「歯内療法の知識」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.jea.gr.jp/

[3] 特定非営利活動法人 日本歯周病学会「歯周病の知識」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.perio.jp/publication/guideline.shtml

[4] 公益社団法人 日本補綴歯科学会「咬合異常診療ガイドライン」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.hotetsu.com/

[5] 一般社団法人 日本顎関節学会「歯ぎしり(ブラキシズム)について」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://kokuhoken.net/jstmj/

[6] 公益社団法人 日本口腔外科学会「口腔外科シリーズ」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.jsoms.or.jp/public/

[7] 一般社団法人 日本歯科保存学会「知覚過敏症(象牙質知覚過敏症)」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://www.hozon.or.jp/

[8] 公益社団法人 日本口腔顔面痛学会「口腔顔面痛について」(最終閲覧日:2026年5月22日)

https://orofacialpain.jp/

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

お薬の服用に関しては必ず医師にご相談ください。

※症状の現れ方や治療経過には個人差がございます。

※医師の判断により治療内容や受診先が変わる場合があります。