治療時の試練?型取りの材料の秘密

こんにちは。渋谷道玄坂の歯医者、アンデルト歯科・矯正歯科 渋谷 道玄坂通の歯科医師、若松怜子です。

みなさんは虫歯の治療をしたあとや、マウスピースを作る際にピンクの冷たい材料で歯の型取りをしたことはありませんか?
つらい方は❝おえっ❞となってしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

型取りは、みなさんのお口の形態や、歯列の配置を正確に記録するために行われるプロセスです。
この型取りを行い治療に必要な情報を記録し、石膏模型などに置き換えることで、必要な技工物を製作したり、歯科医師が適切な治療計画を立てるのに役立ちます。
型取りには様々な材料が使用されますが、一般的にはアルジネート印象剤、寒天印象剤、シリコーン印象剤などが使われます。
今回は、材料の特性や固まる時間について詳しく説明します。

1.アルジネート印象剤

アルジネート印象剤は、一般にピンク色のゴム状で、歯科治療において最も一般的に使用される型材料の一つです。
ですので、まずみなさんがイメージした中で出てくる型取りの材料はこれかと思います。

全体を採りたいマウスピースや、治療歯の反対側の歯の型取りする際などに用いられます。

  • 使用方法:アルジネート印象剤は、粉末を水に混ぜてペースト状にし、その後口腔内に入れて硬化を待ちます。
  • 固まる時間:アルジネート印象剤は、混合されてから口腔内に注入されるまでの作業時間数分です。
    注入後は、温度変化で通常1〜3分程度で固まります。

2.寒天印象剤

寒天印象剤は、口腔内の形態を記録するための型取り材料の一つです。
アルジネート印象材より精密な型取りが行えるため、アルジネート印象材と組み合わせて使用されます。
寒天のようなジェルであり、特殊な注射器を使用して口腔内に注入されます。

治療歯の型取りに多く用いられます。

  • 使用方法:寒天印象剤は、温めて溶かした液体状の材料を特殊な注射器に充填し、口腔内に注入します。
  • 固まる時間:寒天印象剤は、通常2〜5分程度で固まります。
    固まる速度は材料の種類や温度によって異なりますが、一般的にはアルジネートよりも早く固まる傾向があります。

3.シリコーン印象剤

シリコーン印象剤は、高度な精度と耐久性を備えた型材料の一つです。
アルジネート印象材に比べ、経時的な変形も少ないです。

精密さが求められるインプラントの型取りや、数回模型を作りたいときなどに使用します。

  • 使用方法:シリコーン印象剤は、二成分の液体やパテを混合して、特殊な注射器で口腔内に注入します。
    注入時の材料の流れやすによって、使う材料を組み合わせます。
    材料が固化するまでの時間を利用して、口腔内の形態を正確に記録します。
  • 固まる時間:シリコーン印象剤は、通常3〜5分程度で固まります。
    アルジネート印象材に比べて硬化は少し時間がかかります。

まとめ

いかがでしょうか?
実は型取りといっても、様々な材料があるんです。

それぞれの材料は特性や固まる時間が異なりますが、患者の状態や治療内容に応じて適切な材料を選択し、正確な型取りを行うことが重要です。

最近はカメラでスキャンをして、ゴムの材料を使わずに型取りを行うデジタル化も進んでいます。
ゴムの材料でえずきやすい方も、経験豊富な歯科医師や衛生士に相談してみましょう。

歯科医院・カフェ・ジムの共同施設「アンデルト」。心身ともに健康になること(Wellness)を目的とした施設です。 口腔環境を整え、体に良いものを食べ、適切な運動を行う。個別の目標に合わせたアプローチとコンディショニングを通して、一人ひとりの「なりたい自分」へ。自分らしく前向きに、自信をつけるサポートを行います。