2024/5/15
恐怖を忘れて快適な歯科治療へ…静脈内鎮静麻酔のメリットとデメリット
こんにちは。渋谷道玄坂の歯医者、アンデルト歯科・矯正歯科 渋谷 道玄坂通、歯科医師の若松怜子です。
大きな抜歯や、手術と聞いて怖くなる方がほとんどだと思います。
そんな方におすすめの治療が、静脈内鎮静麻酔です。
静脈内鎮静麻酔は、患者の恐怖心や不安感を和らげるために使用される麻酔方法です。
術中は眠ったかのような状態になり、全身麻酔に比べて数時間で覚め、リスクも少なく、基本的には当日帰宅できる処置です。
歯科治療においては、特定のケースで効果的に使用され、行っている歯医者さんも少数います。
今回は、静脈内鎮静麻酔がどのような状況で行われるのか、そのメリットとデメリットについて詳しく説明します。
静脈内鎮静麻酔が適用されるケース
- 歯科恐怖症の患者: 歯科治療に対する恐怖心や不安感が強い患者に適用されます。恐怖症の患者は、通常の治療でも強いストレスを感じ、治療を受けることが難しいため、静脈内鎮静麻酔を用いることでリラックスさせ、治療をスムーズに進めることができます。
- 複雑な歯科手術: インプラント手術や抜歯など、長時間にわたる複雑な手術に適用されます。手術中の不快感を軽減し、患者の体と精神を安定させるために使用されます。
- 過剰な嘔吐反射のある患者: 嘔吐反射が強い患者は、通常の治療中に嘔吐してしまうことがあります。静脈内鎮静麻酔を使用することで、この反射を抑え、治療を円滑に行うことができます。
- 特別なニーズを持つ患者: 身体的、精神的な特別なニーズを持つ患者(例:知的障害のある患者)に対しても静脈内鎮静麻酔が適用されることがあります。これにより、治療中のストレスを軽減し、安全に治療を進めることができます。
静脈内鎮静麻酔のメリット
- 不安と恐怖の軽減: 静脈内鎮静麻酔は、不安感や恐怖心を大幅に軽減します。患者はリラックスした状態で治療を受けることができ、ストレスが少なくなります。
- 治療の効率化: 患者がリラックスしているため、歯科医師は治療に集中でき、治療がスムーズに進みます。特に複雑な手術や長時間の治療では、このメリットが顕著です。
- 快適な治療経験: 患者は治療中の出来事をほとんど覚えていないため、治療後のストレスが少なくなります。これにより、将来的な治療への恐怖心も軽減されます。
- 嘔吐反射の抑制: 嘔吐反射が強い患者にとっては、鎮静状態により嘔吐反射が抑えられるため、治療がスムーズに進みます。
静脈内鎮静麻酔のデメリット
- 費用: 静脈内鎮静麻酔は追加の費用がかかるため、通常の治療よりも高額になることがあります。保険適用の有無によっても費用負担が異なります。
- リスク: 麻酔にはリスクが伴います。例えば、呼吸抑制や血圧の低下など、麻酔に関連する副作用が発生することがあります。適切なモニタリングと緊急対応が求められます。
- 回復時間: 鎮静麻酔からの回復には時間がかかることがあります。治療後しばらくは意識がぼんやりし、車の運転や重要な判断をすることが難しいため、治療後に付き添いが必要です。
- 適用範囲の制限: 全ての患者に適用できるわけではありません。例えば、重篤な心疾患や呼吸器疾患を持つ患者には適用が難しい場合があります。事前に詳細な健康状態の確認が必要です。
まとめ
静脈内鎮静麻酔は、歯科治療における恐怖心や不安感を軽減し、快適な治療を提供するための有効な手段です。
特に歯科恐怖症の患者や複雑な手術を受ける患者にとって、大きなメリットがあります。
しかし、費用や麻酔に伴うリスク、適用範囲の制限などのデメリットも存在します。
患者さんの個々の状況に応じて、静脈内鎮静麻酔の適用を慎重に判断することが重要です。
アンデルトでも気軽に相談にのりますので、気になる方はご連絡くださいね。
歯科医院・カフェ・ジムの共同施設「アンデルト」。心身ともに健康になること(Wellness)を目的とした施設です。 口腔環境を整え、体に良いものを食べ、適切な運動を行う。個別の目標に合わせたアプローチとコンディショニングを通して、一人ひとりの「なりたい自分」へ。自分らしく前向きに、自信をつけるサポートを行います。