マウスピース矯正中のホワイトニング|アタッチメントと色ムラ

マウスピース矯正のアタッチメントが付いたまま、ホワイトニングをしてもよいのか迷っていませんか?

アタッチメントが付いている部分には薬剤が届かないため、その状態でホワイトニングを行うと色ムラが生じる可能性があります

ただしアタッチメントは治療の過程で必ず除去されるため、除去後に改めてホワイトニングを行えば、色を均一に整えられます

この記事では色ムラが起こる仕組み、矯正前・矯正中・矯正後という3つのタイミングの比較、アライナーをトレーとして使えるかどうか、薬剤の違いまで整理しますので、歯並びと白さの両方を叶えたい方はぜひ参考にしてください。

アタッチメント装着中にホワイトニングはできる?

歯並びが整っていく過程で、今度は歯の色が気になり始めたという方は少なくありません

せっかく矯正を頑張っているのだから、白さも一緒に手に入れたいと考えるのは自然なことですよね。

結論からお伝えすると、アタッチメントが付いている状態でのホワイトニングは、色ムラが生じる可能性があります

樹脂の突起で覆われている部分には薬剤が触れられず、その部分だけ色の変化が起こらないためです。

ただし、それが取り返しのつかない結果になるわけではありません。

アタッチメントは治療が進めば必ず外れるため、その後に整えるという道が残されています。

ここではアタッチメントとホワイトニングの関係を、4つの視点から整理していきます。

アタッチメントの下には薬剤が届かない

色ムラが生じる理由は、とてもシンプルな構造にあります

ホワイトニングの薬剤は歯の表面に触れることで作用するため、何かに覆われている部分には届かないためです。

アタッチメントは歯の表面に接着されており、その真下の歯面は完全に隠れた状態になります。

薬剤が触れた部分だけ色が変化し、覆われていた部分は元の色のまま残るという結果が生まれます。

前歯にアタッチメントが付いている場合、正面から見える位置に色の差が出る可能性も考えられます。

薬剤が触れられるかどうかという単純な理由のため、装置が付いている間は避けるという判断が基本になります。

色ムラは除去後のホワイトニングで整えられる

色ムラができると聞くと、一生残ってしまうように感じてしまいますよね

アタッチメントは治療の過程で必ず除去されるため、その後は歯の表面全体に薬剤が届く状態になるためです。

除去したあとに改めてホワイトニングを行えば、色の差は目立たない状態まで整えられると考えられています。

矯正中にホワイトニングを行った方が、治療完了後にもう一度施術を受けて仕上げるという進め方もあります。

一時的に差が出ても、最終的な仕上がりで揃えられるという見通しがあれば、判断もしやすくなるでしょう。

色ムラは永続的なものではないという前提を知っておくと、必要以上に不安を抱えずに済みます。

歯が大きく重なっている時期も薬剤が行き渡りにくい

薬剤が届かないのは、アタッチメントの部分だけではありません

歯が重なっていたりねじれていたりする状態では、隠れている歯面に薬剤が触れられないためです。

矯正を始めたばかりの時期は、まだ歯並びが整っておらず、こうした部分が多く残っています。

重なりの奥に隠れていた面が、矯正が進んで表に出てきたときに色の差として見えることも考えられます。

歯並びがある程度整うのを待ってからのほうが、均一な仕上がりを得やすいという考え方もあります。

自分の歯並びがどの段階にあるかを踏まえて、時期を判断していくと納得のいく結果につながります。

実施の可否は歯科医師の判断による

最終的にいつ行うかは、担当の歯科医師と相談して決めてください

アタッチメントの位置や本数、歯並びの状態、治療の進み具合によって、適したタイミングが変わってくるためです。

医療機関によっては、アタッチメントを併用している期間中のホワイトニングを控えるよう案内している場合もあります。

治療計画に影響する可能性もあるため、自己判断で始めてしまうのは避けたいところです。

矯正治療は一部の例外を除いて公的医療保険の対象外である自由診療にあたり、方針は医療機関ごとに異なります[1]。

希望を伝えたうえで判断を仰げば、自分の治療計画に合った進め方を提案してもらえるでしょう。

アタッチメントとはどんな装置か

そもそもアタッチメントが何のために付いているのか、詳しく説明を受けていない方もいるかもしれません

役割を知っておけば、なぜ簡単に外せないのか、いつ外れるのかという見通しも立てやすくなります。

アタッチメントは歯の表面に接着する小さな突起で、マウスピースの力を狙った方向へ伝えるために使われます

すべての歯に付くわけではなく、動かしたい歯の種類や動かし方に応じて必要な場所に配置されます。

治療の段階によって追加されたり、役目を終えて除去されたりすることもあります。

装置の性質を理解しておくと、ホワイトニングのタイミングも考えやすくなるでしょう。

ここではアタッチメントについて4つの角度から見ていきます。

歯の動きを助ける樹脂製の突起

アタッチメントは、マウスピース矯正の効果を高めるための装置です。

マウスピースは歯の表面を滑らかに覆う形状のため、そのままでは力が滑ってしまい、狙った方向へ伝わりにくい場合があるためです。

歯の表面に突起を作ることで、マウスピースが引っかかる部分が生まれ、力を確実に伝えられるようになります。

歯を回転させる、根元から傾ける、引き上げるといった複雑な動きを実現するために配置されます。

素材には歯科用の樹脂が使われ、専用の器具で歯の表面に接着される仕組みです。

治療の精度を支える重要な役割を担っているため、自己判断で外すことはできません。

歯と同じ色で作られていて目立ちにくい

見た目への影響を心配される方も多いのではないでしょうか

アタッチメントには歯の色に近い樹脂が使われており、離れた位置からは気づかれにくいためです。

大きさも数ミリ程度と小さく、正面から見て強く主張するものではありません。

とはいえ光の当たり方によっては、表面の凹凸が影として見えることもあります。

ホワイトニングで周囲の歯が白くなると、アタッチメント部分との差が目立ちやすくなる可能性も考えられます。

装着中の見た目が気になる場合は、その点も含めて相談してみてください。

治療の途中で追加や除去が行われる

アタッチメントは、治療開始から終了まで同じ状態で付き続けるとは限りません

治療の段階によって必要な動きが変わり、それに応じて配置も見直されるためです。

途中で新たに追加されることもあれば、役目を終えて除去されることもあります。

治療の後半に入ってから前歯のアタッチメントが外れ、見た目が変わったと感じる方もいます。

いつ外れるかは治療計画によって異なるため、気になる場合は通院時に確認しておくとよいでしょう。

除去の時期が分かれば、ホワイトニングの計画も立てやすくなります。

除去したあとの歯の表面

装置を外したあとの状態も、知っておきたいポイントです。

アタッチメントは専用の器具で削り取るように除去され、その後に歯の表面を研磨して整えるためです。

適切に処置されれば、表面は元の滑らかな状態に戻ります。

除去した直後は歯の表面がざらつくように感じることもありますが、研磨によって整えられていきます。

除去が済めば歯の表面全体に薬剤が届くようになり、ホワイトニングの条件がそろいます。

装置が外れるタイミングを一つの区切りとして考えておくと、進め方が明確になります。

ホワイトニングを行うタイミング3つの選択肢

いつ行うのが正解なのか、答えが一つに定まらないから迷ってしまいますよね

矯正とホワイトニングを組み合わせるタイミングには、矯正前、矯正中、矯正後という3つの選択肢があります

どれが適しているかは、歯並びの状態、白くしたい理由、そして急いでいるかどうかによって変わってきます。

早く白くしたいという気持ちと、きれいに仕上げたいという希望は、必ずしも同じ答えにならない場合もあります。

それぞれの利点と留意点を比べたうえで、自分の優先順位に合うものを選んでいきましょう。

ここでは3つのタイミングを、順に見ていきます。

矯正を始める前に行う

装置を装着する前に白くしておくという方法があります

まだ何も歯に付いていない状態のため、アタッチメントによる色ムラの心配がないためです。

矯正期間が数年に及ぶことを考えると、その間ずっと白い歯で過ごせるという利点も生まれます。

ただし歯並びが整っていない段階では、重なっている部分に薬剤が行き渡りにくいという課題が残ります。

歯の重なりが大きい場合、自宅用のトレーがうまく装着できないというケースも考えられます。

矯正前に行う場合は、歯並びの状態を踏まえてどの方法が適しているかを相談しておくと安心です。

矯正中に並行して行う

治療を進めながら白さも整えていくという選択肢もあります

矯正が終わるまで待たずに済むため、見た目の変化を早く感じられるという点が魅力になります

歯並びがある程度整ってきた段階であれば、薬剤も行き渡りやすくなっています。

一方でアタッチメントが付いている間は、その部分に色の差が出る可能性を受け入れる必要があります。

矯正の痛みとホワイトニングによる知覚過敏が重なり、負担が大きくなる時期も生じ得ます。

並行して進めたい場合は、担当の歯科医師に希望を伝えて計画を立ててもらいましょう。

矯正が終わってから行う

最も仕上がりが安定するのは、治療をすべて終えてから行う方法です。

歯並びが整ってアタッチメントも除去されているため、薬剤が歯の表面全体に均一に届く状態になっているからです。

色ムラの心配がなく、一度の施術で満足のいく結果を得やすいという利点があります。

保定期間に使うリテーナーがマウスピースタイプであれば、自宅用のトレーとして活用できる場合もあります。

その間ずっと待つことになるため、白さを早く手に入れたい方には物足りなく感じられるかもしれません。

仕上がりの美しさを最優先するのであれば、この選択肢が最も確実といえるでしょう。

矯正中にホワイトニングを行う場合の5つの注意点

並行して進めたいと考えている方は、押さえておきたい点がいくつかあります

知らないまま始めてしまうと、思っていた結果と違ったと感じることになりかねません。

注意点は見た目に関わるもの、身体の負担に関わるもの、そして治療の進行と費用に関わるものに分かれます

いずれも事前に知っていれば対策を立てられるものばかりです。

判断材料をそろえたうえで進めれば、後悔のない選択ができます。

ここでは矯正中に行う場合の5つの注意点を確認していきます。

色ムラが生じる可能性がある

最も大きな注意点は、すでに触れた色の差です。

アタッチメントで覆われた部分には薬剤が届かず、周囲との間に色の違いが生まれる可能性があるためです。

歯が重なっている部分についても、隠れた面に薬剤が触れられず同じことが起こります。

前歯にアタッチメントが集中している場合は、目立つ位置に差が出ることも考えられます。

治療完了後に改めて施術を受けることで整えられるため、二段階で考えておくと納得しやすくなります。

一度で仕上げたいのか、途中経過を受け入れられるのかという観点で判断してみてください。

知覚過敏と矯正の痛みが重なる

身体への負担という点でも、注意が必要な場面があります

ホワイトニングでは施術後に一時的に歯がしみることがあり、矯正による痛みと重なると負担が大きくなるためです。

新しいマウスピースに交換した直後は歯が敏感になっており、そこに刺激が加わる形になります。

冷たいものがしみて食事がつらい、集中しづらいといった状態が数日続くことも考えられます。

交換直後を避けて施術日を設定するといった調整で、重なりを避けられる場合もあります。

もともと知覚過敏がある方は、その点も含めて事前に伝えておきましょう。

装着時間の確保に影響する

矯正の進行そのものに関わる点も見落とせません

自宅で行うホワイトニングでは専用のトレーを一定時間装着する必要があり、その間はマウスピースを外すことになるためです。

マウスピース矯正は1日20〜22時間の装着を前提に計画が組まれています。

ホワイトニングに時間を割いた分だけ装着時間が削られ、歯の動きに影響する可能性があります。

装着時間が不足すれば治療期間が延び、結果的に白さを保つ期間も長くなってしまいます。

自宅で行う場合は、装着時間との兼ね合いを歯科医師に確認しておくことが欠かせません。

費用が二重にかかることがある

金銭的な面での見通しも立てておきたいところです。

矯正中に施術を受け、治療完了後に色ムラを整えるために再度施術を受ければ、費用は2回分かかるためです。

ホワイトニングは自由診療にあたり、費用は各医療機関が独自に設定しています[1]。

色戻りが起きて追加の施術が必要になれば、さらに支出が重なる可能性もあります。

矯正の費用に加えての負担になるため、総額を把握したうえで判断したいところです。

いつ行うかを決める前に、複数回の施術を想定した見積もりを確認しておくと計画が立てやすくなります。

薬剤とアライナーの組み合わせ

装置と薬剤の関係についても知っておいてください

薬剤を塗った直後にマウスピースを装着すると、薬剤が装置の内側に付着してしまう可能性があるためです。

装置に残った薬剤が長時間歯や歯茎に触れる状態は、想定された使い方ではありません。

施術後にどのくらい時間を空けて装着すればよいかは、使う薬剤によって変わってきます。

自己判断で組み合わせると、思わぬ刺激や装置の変質につながることも考えられます。

使用の手順は歯科医師の指示に従い、疑問があればその都度確認しておきましょう。

アライナーをホワイトニング用のトレーとして使える?

手元にあるマウスピースをそのまま使えば、費用も手間も省けるのではと考えたことはありませんか

形状が自宅用のホワイトニングトレーとよく似ているため、代用できそうに見えてしまうのは無理もありません。

しかし治療中のアライナーとホワイトニング用のトレーは、目的も設計もまったく異なる装置です。

自己判断で兼用すると、治療計画そのものに影響が及ぶ可能性があります。

一方で、治療が終わったあとのリテーナーであれば活用できる場合もあります。

使えるケースと避けたいケースを分けて理解しておけば、判断を誤りません。

ここでは4つの視点から整理していきます。

治療中のアライナーを使うのは避けたい

現在使用している矯正用のマウスピースを、トレーとして使うことは控えてください

アライナーは歯を動かすために精密に設計されており、薬剤を保持するための構造にはなっていないためです。

歯の表面にぴったり密着する形状のため、薬剤を入れるだけの空間が確保されていません。

無理に薬剤を入れれば、装着したときに外へ押し出され、歯茎に流れ込んでしまう可能性があります。

薬剤が歯茎に長時間触れると、粘膜への刺激につながることも考えられます。

歯を動かすための装置と薬剤を保持する装置は別のものだと理解しておきましょう。

適合が変わると治療計画に影響する

装置そのものへの影響という問題もあります

薬剤の成分によっては樹脂に作用し、装置の透明感や質感が変わってしまう可能性があるためです。

変質や変形が起これば、歯に加わる力の伝わり方も変わってしまいます。

浮きが生じたまま治療を進めると、歯が計画どおりに動かず、期間が延びる原因になります。

追加のマウスピースを作り直すことになれば、費用も期間も余分にかかってしまいます。

矯正の進行を守るという観点からも、兼用は避けておくのが確実です。

保定期間のリテーナーは活用できる場合がある

治療を終えたあとであれば、状況が変わってきます

矯正が完了して保定期間に入ると、リテーナーという装置を装着して歯の位置を安定させるためです。

マウスピースタイプのリテーナーであれば、ホワイトニング用のトレーとして活用できる場合があります。

歯を動かす段階が終わっているため、装置に薬剤を入れても治療計画に影響しにくいという事情もあります。

アタッチメントも除去されているため、薬剤が歯の表面全体に届く状態になっています。

ただし装置の形状や素材によっては適さない場合もあるため、事前の確認が欠かせません。

使用の可否は必ず歯科医師に確認する

いずれの場合も、自分だけで判断しないでください

装置の素材、薬剤の種類、歯や歯茎の状態によって、適した組み合わせが変わってくるためです。

医療機関によっては、ホワイトニング専用のトレーを別に作製する方針をとっている場合もあります。

専用のトレーは薬剤を保持するための空間が設けられ、歯茎にかからないよう縁が調整されています。

同じように見える装置でも、目的に応じて設計が違うという点は押さえておきたいところです。

希望を伝えたうえで判断を仰げば、自分の状態に合った方法を提案してもらえます。

ホワイトニングの種類と薬剤の違い

ホワイトニングと呼ばれるものには、いくつかの種類があります

価格も場所もばらばらで、何がどう違うのか分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。

大きくは歯科医院で行うもの、自宅で行うもの、その両方を組み合わせるものに分かれます

さらに歯科医院以外の施設で提供されているサービスもあり、これらは仕組みが根本的に異なります。

違いを生んでいるのは、使用できる薬剤に制度上の区分があるためです。

仕組みを知っておけば、価格の差が何を意味するのかも見えてきます。

ここでは4つの種類を、順に確認していきます。

歯科医院で行うオフィスホワイトニング

歯科医院で歯科医師や歯科衛生士が施術する方法です。

高い濃度の薬剤を扱えるため、比較的短い期間で変化を実感しやすいという特徴があるためです。

薬剤を歯の表面に塗布し、専用の光を当てて反応を促す方法が広く行われています。

1回の来院で施術が完了する形式もあり、予定に合わせて計画しやすい点も利点といえます。

濃度が高い分、施術後に一時的に歯がしみることもあります。

短期間で結果を求める場合や、自己管理が続かないと感じる場合に向いている方法です。

自宅で行うホームホワイトニング

歯科医院で作製したトレーを使い、自宅で薬剤を装着する方法です。

自分の生活リズムに合わせて進められ、通院の負担が少ないという利点があるためです。

歯型をとって作られたトレーに薬剤を入れ、指示された時間装着するという流れになります。

数週間かけてゆるやかに進めるため、色戻りしにくいという見方もあります。

歯科用漂白材については厚生労働省がガイドラインを定めており、患者が自宅で使用する漂白材は、過酸化水素濃度6.0%または過酸化尿素濃度17%という毒物及び劇物取締法の管理濃度を超えられないと示されています[2]。

自宅で使えるのは、そうした基準の範囲内で管理された薬剤に限られるという点を知っておいてください。

2つを組み合わせる方法

歯科医院での施術と自宅でのケアを併用する方法もあります

短期間で変化を出しやすいオフィスと、色を保ちやすいホームの利点を組み合わせられるためです。

最初に歯科医院で施術を受け、その後は自宅で継続していくという流れが一般的です。

結婚式や面接など、目標とする日が決まっている場合に選ばれることもあります。

2つの方法を行うため費用は高くなり、通院と自宅でのケアの両方が必要になります。

どこまで求めるかによって適した方法が変わるため、希望を伝えて相談してみましょう。

サロンのセルフホワイトニングとの違い

歯科医院以外の施設で提供されているサービスもあります

これらの施設では、歯の内部を漂白する作用のある薬剤を扱えないという制度上の違いがあるためです。

利用者自身が機器を操作し、歯の表面の着色を落とすことを目的とした製品が使われます。

価格が手頃で気軽に利用できる一方、期待する内容と実際の効果が異なる場合も考えられます。

独立行政法人国民生活センターは、セルフホワイトニングに関する相談が増えているとして注意を呼びかけています[3]。

矯正治療中は歯や歯茎の状態が変化しているため、施術を受ける場合は歯科医師に相談してから判断してください。

矯正後のホワイトニングをきれいに仕上げるために

長い治療を終えて歯並びが整ったあとは、いよいよ白さを整える段階に入ります

せっかく時間をかけたのだから、仕上がりにも納得したいと考えるのは当然のことですよね。

矯正後のホワイトニングをきれいに仕上げるには、施術そのものより準備と後のケアが結果を左右します

歯の表面に汚れが残っていれば薬剤の働きが妨げられ、詰め物がある部分は色が変わりません。

こうした条件を先に把握しておけば、思っていた仕上がりと違ったという事態を避けられます。

施術前に確認しておきたい点を知っておけば、納得のいく結果に近づけるでしょう。

ここでは仕上がりを左右する4つのポイントを見ていきます。

先にクリーニングを受ける

ホワイトニングの前には、歯の清掃を済ませておくことが基本になります

歯の表面に着色や歯石が付着していると、薬剤が歯に届きにくくなってしまうためです。

矯正期間中は装置の影響で清掃が行き届きにくく、汚れが蓄積している場合も少なくありません。

クリーニングによって表面の着色を落とすだけで、歯の印象が変わることもあります。

汚れを落とした状態から始めれば、薬剤の働きも均一になりやすくなります。

矯正が終わった段階で一度クリーニングを受けておくと、そのまま次の段階へ進めます。

詰め物や被せ物は白くならない

仕上がりを想像するうえで、必ず知っておきたい点があります

ホワイトニングの薬剤が作用するのは自分の歯であり、人工の材料には効果が及ばないためです。

過去に治療した詰め物や被せ物は、施術を受けても色が変わりません。

周囲の歯が白くなることで、これまで気にならなかった詰め物の色が浮いて見えることも考えられます。

前歯に詰め物がある場合は、ホワイトニング後に色を合わせて作り直すという選択肢もあります。

自分の口の中にどこまで人工の材料があるかを、施術前に確認しておくと計画が立てやすくなります。

色戻りと再施術の考え方

白さがずっと続くわけではないという点も、理解しておきたいところです。

日々の飲食によって新たな着色が付着し、時間の経過とともに色は少しずつ戻っていくためです。

戻り方には個人差があり、生活習慣や飲食の内容によっても変わってきます。

一定期間ごとに追加の施術を受けて維持していくという方法が一般的です。

自宅用のトレーを持っていれば、気になったときに短期間だけ行うという使い方もできます。

一度で終わりではなく、続けて維持していくものだと考えておくと期待とのずれが生まれません。

着色しやすい飲食物を知っておく

日々の飲食も、白さの持続に関わってきます

色素の濃い飲食物は歯の表面に着色として残りやすく、白さが失われる原因になるためです。

コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどが、着色しやすいものとして挙げられます。

施術の直後は歯の表面が着色を受けやすい状態になっているため、当日は特に控えておきたいところです。

飲んだあとに水で口をゆすぐ習慣をつけるだけでも、色素が残りにくくなります。

完全に避ける必要はなく、飲み方とケアを工夫することで無理なく続けられます。

ホワイトニングを受けられない・注意が必要なケース

すべての方がホワイトニングを受けられるわけではありません

体質や口の中の状態によっては、施術を控えたほうがよい場合や、事前の治療が必要な場合があります

まず確認しておきたいのは、むし歯や歯周組織のトラブルがないかという点です。

むし歯がある状態で薬剤を使うと、しみる症状が強く出る可能性があります。

歯茎に炎症がある場合も、薬剤の刺激によって症状が悪化してしまうことが考えられます[4]。

矯正期間中は装置の影響で清掃が行き届きにくく、こうしたトラブルが起きやすい環境にあります。

施術を検討する段階で、口の中全体を診てもらうところから始めてください。

体質面では、無カタラーゼ症という体内で過酸化水素を分解できない疾患がある方は施術を受けられません。

妊娠中や授乳中の方についても、安全性が確認されていないという理由から施術を控える医療機関が一般的です。

歯の状態によっても、期待できる変化に差が生まれます。

生まれつき歯の色が濃い方や、過去の治療によって内部から変色している歯では、薬剤による変化が限られる場合があります。

神経を取った歯は通常の方法では白くなりにくく、別の手法が検討されることもあります。

エナメル質に亀裂がある場合は、しみる症状が強く出る可能性も考えられます。

年齢についても、歯の成長が続いている時期は施術を控える方針をとる医療機関が多く見られます。

いずれのケースも、診察を受けたうえで判断されるものです。

自分が該当するかどうかを気にして相談をためらうより、一度診てもらったほうが確実な答えが得られます。

ホワイトニングは自由診療にあたるため、方針や対応できる範囲は医療機関によって異なります[1]。

事前のカウンセリングで気になる点を伝えておけば、自分の状態に合った方法を提案してもらえるでしょう。

マウスピース矯正とホワイトニングに関するよくある質問

Q1. アタッチメントが付いたままホワイトニングはできますか?

施術自体は可能ですが、アタッチメントで覆われた部分に薬剤が届かないため、色ムラが生じる可能性があります

医療機関によっては、アタッチメント併用中の施術を控えるよう案内している場合もあります。

実施の可否は担当の歯科医師に確認してください。

Q2. 色ムラは後から直りますか?

アタッチメントは治療の過程で除去されるため、その後に改めて施術を受けることで整えられると考えられています

除去後は歯の表面全体に薬剤が届く状態になります。

一時的な差であり、永続的に残るものではありません。

Q3. 矯正用のマウスピースにジェルを入れてもいいですか?

治療中のアライナーをトレーとして使うことは避けてください

薬剤を保持する構造になっておらず、歯茎に流れ込む可能性があります。

装置の変質によって治療計画に影響が出ることも考えられます。

Q4. 矯正前と矯正後ではどちらがよいですか?

仕上がりの均一さを重視するなら、矯正後が最も確実です

歯並びが整いアタッチメントも外れているため、薬剤が全体に届きます。

早く白くしたい場合は矯正前という選択肢もありますが、歯の重なりによる差が出る可能性があります。

Q5. リテーナーをホワイトニングに使えますか?

マウスピースタイプのリテーナーであれば、トレーとして活用できる場合があります

歯を動かす段階が終わっているため、治療計画への影響も生じにくくなります。

装置の形状や素材によっては適さないこともあるため、事前に確認してください。

Q6. 矯正中はしみやすくなりますか?

矯正による痛みとホワイトニング後の知覚過敏が重なると、負担が大きく感じられることがあります

新しいマウスピースへ交換した直後は特に歯が敏感になっています。

施術日を交換直後から離して設定するといった調整も検討してみてください。

まとめ

アタッチメントが付いている部分には薬剤が届かないため、装着中のホワイトニングでは色ムラが生じる可能性があります

アタッチメントは治療の過程で必ず除去されるため、その後に改めて施術を受けることで色を整えられます。

ホワイトニングを行うタイミングには矯正前、矯正中、矯正後の3つがあり、仕上がりを重視するなら矯正後が最も確実です。

矯正中に並行する場合は、知覚過敏との重なり、装着時間への影響、費用が二重にかかる点を踏まえて判断してください。

治療中のアライナーをトレーとして使うのは避け、保定期間のリテーナーであれば活用できる場合があります。

自宅で使う漂白材には国が定めた濃度の基準があり、歯科医院以外の施設では歯の内部を漂白する薬剤を扱えません[2][3]。

歯並びと白さの両方を叶えるには、治療計画に合わせた進め方を歯科医師と相談しながら決めていきましょう。

参考文献

[1] 厚生労働省「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html

[2] 厚生労働省「歯科用漂白材等審査ガイドラインについて」(令和5年4月21日 薬生機審発第421001号)

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7616&dataType=1&pageNo=1

[3] 独立行政法人国民生活センター「『セルフエステ』の契約トラブルに注意!-特に『セルフホワイトニング』に関する相談が増えています-」

https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240731_1.html

[4] 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-001.html

免責事項

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

※施術の可否や進め方については必ず歯科医師にご相談ください。

※効果の現れ方や持続期間には個人差がございます。

※医療機関によって対応できる範囲や方針が異なる場合があります。