マウスピース矯正で抜歯するデメリットは?抜かない場合のリスクと判断の基準

「マウスピース矯正で抜歯を勧められたけれど、健康な歯を抜いて大丈夫なの?」「抜かずに治す方法はないのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

抜歯には、健康な歯を失う、治療期間が長くなる、費用が上乗せされるといったデメリットがあり、抵抗を感じるのは自然なことです。

ただし抜かない選択にも、口元の突出感が残る、歯列が外側に広がるといったリスクがあり、どちらか一方だけを見て決めると後悔につながります。

この記事では、抜歯のデメリットと隙間が閉じるまでの流れ、マウスピース矯正ならではの注意点、抜かない場合に起こること、抜歯を避けられる可能性がある方法まで詳しくお伝えしますので、判断に迷っている方はぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正で抜歯をするデメリット

抜歯を勧められたとき、すぐに受け入れられる方は多くありません

むし歯でもない健康な歯を抜くと聞けば、ためらうのが当然です。

抜歯には確かにいくつかの負担がともない、それらを知らないまま進めると後悔につながります

何がどこまで負担になるのかを具体的に把握しておけば、判断の材料がそろいます。

まずは、抜歯によって生じるデメリットから整理していきましょう。

健康な歯を失うことになる

抜歯の最も大きなデメリットは、健康な歯を失うという事実そのものです。

矯正で抜く歯は、むし歯でも歯周病でもない正常な歯であることがほとんどだからです。

一度抜いた歯は元に戻せません。

矯正で抜かれるのは、前から数えて4番目の第一小臼歯か、5番目の第二小臼歯が中心になります。

小臼歯は前歯と奥歯の中間にあり、噛み切る役割と、すりつぶす役割のどちらにも大きく関わらない位置にあるという理由から選ばれます。

抵抗を感じるのは自然な反応ですから、なぜその歯なのかを聞いたうえで納得して進めることが大切です。

抜歯後に痛みや腫れが生じる

抜歯のあとには、痛みや腫れが数日続きます

歯を支える骨から歯を取り出す処置であり、周囲の組織に負担がかかるためです。

体の回復を待つ期間が必要になります。

処置の当日から2〜3日は痛みや腫れが出やすく、痛み止めを服用しながら過ごすことになります。

複数本を一度に抜く場合は左右に分けて行うこともあり、そのぶん通院の回数も増えます。

痛みは日を追って引いていくものですから、抜歯後の過ごし方を事前に確認しておくと不安が和らぎます。

治療期間が長くなる

抜歯をともなう治療では、期間が長くなる傾向があります

抜いてできた隙間へ歯を大きく移動させる必要があり、その距離が期間に直結するためです。

装置の枚数も増えていきます。

抜歯をともなうマウスピース矯正の期間は、およそ2〜3年が目安になります。

抜歯をしない軽度の症例が数か月から1年程度で終わることを考えると、差は小さくありません。

期間の長さは負担に感じられますが、それだけ大きく歯並びを変えられる治療だと受け止めてみてください。

費用が上乗せされる

抜歯には、矯正の費用とは別に処置代がかかります

矯正のための抜歯は自由診療にあたり、全額自己負担になるためです。

本数が増えるほど負担も大きくなります。

抜歯代は1本あたり5,000〜15,000円程度が目安で、上下で4本を抜く計画であれば数万円が上乗せされます。

矯正を専門とする医療機関では、抜歯を別の歯科医院へ依頼するため紹介状の費用が加わることもあります。

矯正費用と抜歯代を合算した金額で見積もりを確かめておけば、想定とのずれを防げます。

抜歯した隙間が閉じるまでの見た目と生活

抜歯を迷う理由として、抜いたあとの見た目を心配する声は少なくありません

歯が1本なくなった状態で人前に出ることを想像すると、気が重くなるでしょう。

隙間は治療の進行とともに閉じていきますが、その間の過ごし方は知っておきたいところです。

いつ、どの程度目立つのかが分かれば、予定も立てやすくなります。

ここでは、抜歯後の見た目と生活への影響を整理します。

一時的に隙間が目立つ期間がある

抜歯の直後から数か月間は、隙間が見える状態が続きます

歯を移動させて隙間を閉じていく治療のため、埋まるまでに時間がかかるためです。

抜いた位置によって、目立ち方は変わってきます。

前から4番目の歯を抜いた場合、正面から見ると笑ったときにわずかに隙間が見えることがあります。

5番目の歯であればさらに奥に位置するため、正面からはほとんど分かりません。

透明な装置を装着していれば隙間も目立ちにくくなりますから、想像しているほど気にならないという方も多くいます。

食事や発音への影響

抜歯後しばらくは、食事や話し方に変化を感じることがあります

歯が1本抜けたことで、噛む位置と舌の当たる場所が変わるためです。

多くは一時的なもので、時間とともに慣れていきます。

抜いた直後は傷口を避けて反対側で噛むことになり、硬いものを避けるよう指示される期間もあります。

サ行やタ行の発音がしづらいと感じる方もいますが、数日から数週間で気にならなくなるケースがほとんどです。

不便を感じるのは限られた期間ですから、心配しすぎずに過ごしてみてください。

隙間が閉じるまでの期間の目安

抜歯でできた隙間が閉じるまでには、半年から1年半ほどかかります

1枚の装置で動かせる量は0.25mm前後とごくわずかで、隙間の幅は7〜8mm程度あるためです。

少しずつ動かしていく設計になっています。

前歯を後ろへ下げる計画では、まず前歯を移動させ、その後に奥歯を前へ寄せて隙間を埋めていく流れになります。

隙間が完全に閉じたあとも、かみ合わせを整える工程が続きます。

途中で変化が見えにくい時期もありますが、装置を積み重ねていけば確実に埋まっていくと考えておくとよいでしょう。

マウスピース矯正で抜歯する場合の注意点

抜歯をともなう治療は、どの矯正方法でも同じというわけではありません

マウスピース矯正には得意な動きと苦手な動きがあり、抜歯症例はその特性が表れやすい領域だからです。

ワイヤー矯正との違いを知っておけば、方法を選ぶ際の判断材料になります。

対応できないという意味ではなく、条件が変わるという理解が正確です。

ここでは、押さえておきたい4つの注意点を整理します。

抜歯でできた隙間を閉じる動きが苦手

抜歯した隙間へ歯を移動させる動きは、マウスピース矯正が苦手とする領域です。

歯の根まで含めて平行に動かす必要があり、着脱式の装置では力を伝えにくいためです。

装置は歯の頭の部分を覆う形で力をかけます。

そのため歯の頭だけが先に動き、根が元の位置に残って倒れ込んでしまう可能性があります。

倒れた状態では見た目が整っても、かみ合わせの安定を欠くことになります。

対応できる医療機関はありますから、抜歯症例の実績を確かめたうえで相談してみるとよいでしょう。

装着時間の管理がより重要になる

抜歯をともなう治療では、装着時間を守ることの重要性がいっそう高まります

動かす距離が長いぶん、装置の枚数も多く、計画からのずれが積み重なりやすいためです。

1枚ごとの遅れが、最終的に大きな差となって現れます。

1日20〜22時間という条件を下回る日が続くと、隙間を閉じる工程が予定どおりに進まなくなります。

抜歯という負担を引き受けたにもかかわらず、期間だけが延びるという事態にもなりかねません。

装着時間を守れる生活かどうかを、治療を始める前に確かめておくと安心につながります。

装置の作り直しが必要になることがある

抜歯症例では、途中で装置を作り直す工程が入ることがあります

歯が計画どおりに動かず、その時点での歯型を採り直して新しい装置を作る対応です。

移動距離が長い治療ほど、この必要性は高まります。

作り直しの際は装置が届くまで数週間かかり、追加される枚数によっては期間がさらに延びます。

治療計画に含まれている医療機関と、追加費用として設定している医療機関があります。

作り直しの可能性と費用の扱いを契約前に確かめておけば、想定外の負担を避けられます。

ワイヤー矯正で抜歯する場合との違い

抜歯をともなう治療では、ワイヤー矯正が選ばれることもあります

歯の表面に接着した装置から、根まで届く力をかけ続けられる仕組みだからです。

大きな移動を管理しやすいという特性があります。

抜歯した隙間を閉じる工程だけワイヤー矯正で進め、その後をマウスピース矯正に引き継ぐという組み合わせも取られています。

装置が見える期間を短くしつつ、確実性も確保できる方法にあたります。

どちらか一方に絞る必要はありませんから、組み合わせという選択肢があるかも聞いてみてください。

それでも抜歯が勧められる理由

デメリットがこれだけあるのに、なぜ抜歯が提案されるのか疑問に感じるかもしれません

歯科医師が安易に勧めているのではないか、と疑ってしまう方もいるでしょう。

抜歯は、歯を並べる条件を整えるための手段として選ばれています

その理由を知ることは、提案を受け入れるかどうかを判断する材料になります。

ここでは、抜歯によって得られる4つの利点を整理します。

歯を並べるスペースを確保できる

抜歯の最大の目的は、歯を並べるためのスペースを作ることです。

歯並びの乱れの多くは、あごの大きさに対して歯が並びきらないことで生じているためです。

不正咬合の成り立ちは、精密な検査によって明らかになります[1]。

小臼歯を1本抜くと、その位置に7〜8mm程度の隙間が生まれます。

上下左右で4本を抜けば、歯列全体で大きな余裕を確保できる計算になります。

スペースが足りないまま無理に並べる方法と比べれば、抜歯は歯に無理をさせない選択でもあると考えられます。

口元の突出感を改善しやすい

前歯を後ろへ下げるには、抜歯によるスペースが有効に働きます

歯を移動させる余地がなければ、前歯を引っ込めることができないためです。

口元の印象は、前歯の位置によって大きく変わります。

上下の小臼歯を抜いて前歯を後退させる計画では、横顔の突出感がやわらぐ変化が見込めます。

口を閉じたときにあごに力が入っていた状態が、自然に閉じられるようになるケースもあります。

見た目の変化を重視している方にとっては、抜歯が目標に近づく手段になり得ます。

後戻りしにくくなる

十分なスペースを確保して並べた歯並びは、安定を保ちやすくなります

歯が無理なく収まっている状態では、元へ戻ろうとする力が働きにくいためです。

かみ合わせまで整えられる点も、安定に寄与します。

スペースが不足したまま並べた場合、歯は押し合う力を受け続け、時間とともに元の位置へ戻りやすくなります。

後戻りが生じれば再矯正が必要になり、費用と期間があらためてかかります。

長い目で見れば、抜歯が結果的に負担を減らす選択となる場合もあります。

対応できる症例の幅が広がる

抜歯を選択肢に入れることで、治療できる歯並びの範囲が広がります

スペースを確保できなければ、そもそも計画を立てられない症例があるためです。

抜歯なしでは対応が難しいと判断される場合もあります。

前歯の重なりが大きい症例や、上下の前歯がともに前方へ出ている症例では、抜歯を前提とした計画が組まれます。

抜歯を避けようとした結果、治療そのものを断られるという事態も起こり得ます。

治療の可能性を広げる手段として提案されていると理解すると、受け止め方も変わってくるでしょう。

抜歯しない場合に起こりうること

抜きたくないという気持ちから、非抜歯での治療を希望する方は多くいます

歯を残せるならそれに越したことはない、と考えるのは自然なことです。

ただし、スペースが足りないまま並べた場合には別の負担が生じます

抜歯のデメリットと並べて比べてはじめて、納得のいく判断ができます。

ここでは、抜かない選択にともなう4つのリスクを整理します。

口元の突出感が残る

抜歯をしない場合、前歯を後ろへ下げる余地が限られます

歯を移動させるスペースがなければ、位置を大きく変えられないためです。

歯並びのでこぼこは整っても、口元の印象は変わりにくくなります。

歯並びをきれいにしたのに横顔が変わらなかった、口を閉じにくい状態が続いたという結果につながる可能性があります。

見た目の改善を期待していた方ほど、この差は落胆につながります。

何をゴールにしたいのかを先に伝えておけば、方針のずれを防げます。

歯列が外側に広がる

スペースが足りない状態で歯を並べると、歯列全体が外側へ広がります

限られた幅に歯を収めるため、外へ押し出す形で余地を作ることになるためです。

結果として、口元がかえって前に出ることもあります。

歯を支える骨には限りがあり、その範囲を超えて広げれば歯ぐきが下がる可能性も生じます。

歯の根が骨から出てしまう状態は、長期的な安定を損ないます。

無理のない範囲かどうかは検査で判断されますから、その説明を受けたうえで選ぶことが大切です。

かみ合わせが安定しにくくなる

抜歯を避けた計画では、かみ合わせの調整に制約が生じることがあります

上下の歯の位置関係を整えるには、動かす余地が必要になるためです。

前歯だけを並べても、奥歯との関係は変わりません。

上の前歯が前に出たまま並んだ状態では、食べ物を噛み切りにくさが残ることがあります。

特定の歯に力が集中すれば、その歯の負担が大きくなります。

見た目と機能の両方を求めるのであれば、スペースの確保は避けて通れない条件になります。

後戻りが起こりやすくなる

無理に並べた歯並びは、元へ戻ろうとする力を受け続けます

歯が押し合っている状態では、外側へ広がった歯が内側へ戻ろうとするためです。

保定を丁寧に行っても、変化が生じることがあります。

治療後に下の前歯が再び重なってきた、上の前歯にすき間が開いたという後戻りが起こる可能性があります。

再矯正となれば、費用と期間があらためて必要になります。

抜かない選択にもこうした側面があると知ったうえで、比べて決めていきましょう。

抜歯を避けられる可能性がある方法

抜歯以外にスペースを作る方法があるなら、まずそちらを検討したいと考えるのは自然です

実際に、抜かずに余地を生み出す手段はいくつか存在します

ただし、それぞれ確保できる量には限りがあり、どんな症例にも使えるわけではありません。

方法と限界の両方を知っておけば、提案を受けたときに理解しやすくなります。

ここでは、代表的な3つの視点から整理します。

歯を薄く削ってスペースを作る

歯と歯の間をわずかに削り、並べるための余地を作る方法があります

歯の側面のエナメル質を薄く削ることで、歯列全体に少しずつ隙間を生み出す考え方です。

抜歯と比べて、失うものは大幅に少なくなります。

削る量は1か所あたり0.2〜0.5mm程度とごくわずかで、痛みを感じることはほとんどありません。

麻酔を使わずに数分で終わる処置であり、削った部分がむし歯になりやすくなるという報告も一般的には示されていません。

歯を大きく失わずに済む方法ですから、抜歯に抵抗がある場合は可能性を尋ねてみるとよいでしょう。

奥歯を後ろへ動かす

奥歯を後方へ移動させ、その分だけ前方に余地を作るという方法もあります

歯列全体を後ろへずらすことで、前歯を下げるスペースが生まれるためです。

マウスピース矯正が比較的得意とする動きにあたります。

左右の奥歯を動かすことで、5mm前後のスペースを確保できるとされています。

この方法では親知らずを抜くことが前提になる場合が多く、一般に非抜歯と呼ばれる治療でも親知らずは抜くという点は知っておきたいところです。

小臼歯を残せる可能性がある方法ですから、選択肢として説明を受けてみてください。

それぞれの方法には限界がある

これらの方法で確保できるスペースには、上限があります

歯を削る量にも、奥歯を動かせる距離にも、体の構造による制約があるためです。

必要な量に届かなければ、抜歯以外の選択肢は残りません。

歯を薄く削る方法で歯列全体に作れる余地は数mm程度にとどまり、奥歯の後方移動も骨のある範囲を超えては動かせません。

必要なスペースが7〜8mmを超えるような症例では、これらを組み合わせても足りない計算になります。

自分の場合に何mm必要なのかを聞いておけば、抜歯の提案にも納得しやすくなります。

抜歯を勧められたときに確認したいこと

抜歯を提案されたその場で、即答する必要はありません

一度持ち帰って考えたいと伝えることは、何ら失礼にあたらないためです。

確かめておきたい項目を整理しておけば、限られた時間でも要点を押さえられます。

納得したうえで進めた治療は、途中で迷いが生じにくくなります。

ここでは、聞いておきたい3つの視点をお伝えします。

なぜ抜く必要があるのかを聞く

まず確かめたいのは、抜歯が必要と判断された理由です。

必要なスペースの量と、それを他の方法で確保できない理由が説明の中心になるためです。

数値で示してもらえれば、判断の根拠が見えてきます。

何mmのスペースが不足しているのか、どの歯を何本抜く計画なのか、歯を薄く削る方法では足りない理由は何かという3点を聞いておくと理解が進みます。

検査結果を示しながら説明してくれるかどうかも、信頼できる判断材料になります。

疑問をその場で解消しておけば、抜歯当日に迷わずに済みます。

抜かない場合の仕上がりと比較する

抜いた場合と抜かない場合で、仕上がりがどう変わるかを比べてみてください

同じ歯並びでも、選ぶ方法によって到達できる状態が異なるためです。

比較して初めて、自分が何を優先したいかが見えてきます。

完成予想のシミュレーション画像を両方の計画で見せてもらえれば、横顔の変化まで確認できます。

前歯が何mm下がるのか、口元の印象がどう変わるのかを数値と画像で確かめておくと、期待とのずれを防げます。

見比べたうえで選んだという実感があれば、治療中の迷いも少なくなるでしょう。

判断に迷うときは別の医療機関にも相談する

説明を聞いても決めきれないときは、別の医療機関の意見を聞くという方法があります

抜歯の要否は歯科医師によって考え方が分かれることがあり、提案される計画も変わってくるためです。

複数の見立てを聞けば、共通点と相違点が見えてきます。

前の医療機関で受け取った診断書やエックス線写真のデータを持参すると、話が早く進みます。

相談だけなら無料という医療機関も多く、費用の負担なく比較できます。

急かされて決める必要はありませんから、納得できるまで話を聞いてから判断してみてください。

マウスピース矯正の抜歯に関するよくある質問

Q:矯正ではどの歯を何本抜くことが多いですか?

A:前から数えて4番目の第一小臼歯か、5番目の第二小臼歯を抜くケースが中心になります。

小臼歯は前歯と奥歯の中間にあり、噛み切る役割ともすりつぶす役割とも大きく関わらない位置にあるためです。

本数は症例によって変わり、上下左右で4本を抜く計画もあれば、上の2本にとどめる計画もあります。

Q:抜歯した隙間はいつ閉じますか?

A:半年から1年半ほどかかるのが一般的な目安です。

1枚の装置で動かせる量は0.25mm前後とごくわずかで、隙間の幅は7〜8mm程度あるためです。

前から4番目を抜いた場合は正面から見えることもありますが、透明な装置を装着していれば目立ちにくくなります。

Q:抜かずに矯正することはできますか?

A:歯を薄く削る方法や、奥歯を後ろへ動かす方法でスペースを作れる場合があります

ただし確保できる量には上限があり、必要なスペースが7〜8mmを超えるような症例では足りない計算になります。

自分の場合に何mm不足しているのかを聞いておくと、判断しやすくなります。

Q:抜歯を勧められたら断ってもいいですか?

A:その場で即答する必要はなく、持ち帰って考えたいと伝えて構いません

抜いた場合と抜かない場合で仕上がりがどう変わるかを比べ、納得したうえで決めることが大切です。

判断に迷うときは、診断書やエックス線写真のデータを持参して別の医療機関にも相談してみてください。

まとめ

マウスピース矯正の抜歯には、健康な歯を失う、痛みや腫れが生じる、期間が長くなる、費用が上乗せされるというデメリットがあります。

抜歯でできた隙間が閉じるまでには半年から1年半ほどかかり、その間は隙間が見える期間が続きます。

抜歯した隙間へ歯を根ごと動かす動きは着脱式の装置が苦手とする領域のため、装着時間の管理がいっそう重要になります。

一方で抜歯には、歯を並べるスペースを確保でき、口元の突出感を改善しやすく、後戻りしにくくなるという利点もあります。

抜かない選択にも、口元の突出感が残る、歯列が外側に広がる、後戻りが起こりやすくなるというリスクがともないます。

歯を薄く削る方法や奥歯を後方へ動かす方法で避けられる場合もありますが、確保できるスペースには上限があります。

どちらを選ぶかは検査結果に基づいて決まりますので、必要なスペースの量と両方の仕上がりを確かめたうえで判断していきましょう。

参考文献

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「不正咬合の治療法の概要」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-06-002.html

免責事項

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。

治療の適否や方法については必ず歯科医師にご相談ください。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。

※歯科医師の判断により治療をお受けいただけない場合があります。