歯科矯正で下の歯だけの費用はいくら?相場とできるケースを解説

下の歯のガタガタだけを治したい、下の歯だけの矯正なら費用はいくらなのか気になっていませんか。
下の歯だけの矯正は部分矯正にあたり、自由診療でおよそ10万〜50万円が一つの目安ですが、噛み合わせを考えて対応できるかは診断しだいで変わります。
下の歯だけを動かすと噛み合わせが悪くなる場合もあり、歯並びによっては全体矯正が必要になることもあるため、費用の安さだけで決めるのは注意が必要です。
この記事では、下の歯だけの矯正の費用相場、装置別の値段、下だけで対応できるケースと難しいケース、追加費用や抑える方法まで整理しているので、費用と可否が気になる方はぜひ参考にしてみてください。
歯科矯正で下の歯だけの費用はいくら?まず相場を確認
下の歯だけの矯正は部分矯正にあたり、費用はおよそ10万〜50万円が一つの目安になります。
「上下そろえるより安く済むのかな」と期待する方もいますよね。
下の歯だけは動かす本数が少ないぶん、全体矯正より費用をおさえやすい傾向があります。
ただし歯科矯正は多くの場合が自由診療のため、同じ治療でも医療機関によって値段は変わります。
下の歯だけの一般的な矯正は保険適用外ですが、顎変形症など限られた条件では保険が使え、その場合は地方厚生局に届け出た医療機関での治療になります[5]。
ここからは、下だけで本当にできるのか、装置別の費用はどのくらいかを順番に整理していきます。
そもそも「下の歯だけ」の矯正はできるの?
下の歯だけの矯正は、軽い乱れであればできることもありますが、すべての歯並びに対応できるわけではありません。
「下だけ治したいけれど、本当に大丈夫なのかな」と不安になりますよね。
無理に下だけを動かすと、上下の噛み合わせが崩れてしまう場合があります。
ここでは、下の歯だけで対応できるケースと難しいケース、そして噛み合わせのリスクを整理していきます。
下の歯だけの矯正ができるケース(軽度の乱れ)
下の歯だけの矯正ができるのは、前歯の軽いガタつきやすき間など、乱れが小さいケースです。
動かす範囲が限られ、噛み合わせへの影響が少ない場合は、下の歯だけの部分矯正で対応できることがあります。
歯を動かすスペースが足りているかどうかも、対応できるかを左右します。
下の前歯が少しだけ重なっている、わずかにすき間があるといった軽度の乱れは、部分矯正に向いていることが多いです。
こうしたケースでは、費用や期間も全体矯正よりおさえやすくなります。
軽い乱れなら下の歯だけで整えられることもあるので、まずは部分矯正で対応できるか診断を受けてみると見通しが立ちます。
下の歯だけでは難しく全体矯正が必要なケース
噛み合わせや骨格に関わる乱れがある場合は、下の歯だけでは難しく、全体矯正が必要になります。
受け口や開咬のように骨格が関係するケースや、重度のガタつき、ねじれが強い歯並びは、部分矯正では十分に整えられません。
歯を並べるスペースが大きく足りない場合も、奥歯を含めた移動が必要になります。
下の前歯を無理に並べようとすると、歯が前に倒れて出てしまうなど、別の問題につながることがあります。
こうした歯並びでは、上下のバランスまで考えた全体矯正がすすめられることが多いようです。
下だけでは難しい歯並びもあるので、全体矯正が必要かどうかは自己判断せず、検査で確かめておくのが安心です。
下だけ動かすと噛み合わせが悪化することがある理由
下の歯だけを動かすと噛み合わせが悪くなることがあるのは、歯は上下がセットで噛み合っているためです。
上の歯はそのままに下の歯だけ動かすと、噛んだときの上下の接触がずれてしまう場合があります。
噛み合わせがずれると、食べづらさや、一部の歯への負担につながることもあるようです。
見た目だけを優先して下だけ整えても、噛む機能の面で不具合が残るケースがみられます。
だからこそ、下の歯だけの矯正でも、上下のバランスを見て計画を立てることが大切になります。
噛み合わせは見た目と同じくらい大切な要素なので、下だけ治す場合も上下を含めて診てもらうと安心して進められます。
下の歯だけで多い歯並びの悩みと費用の目安
下の歯だけの矯正は、悩みの種類によって費用の目安が変わります。
「自分のガタガタはいくらで治るのだろう」と気になりますよね。
ここでは、下の歯で多い3つの悩みについて、費用の目安を整理します。
いずれも軽度であれば部分矯正の範囲で対応できることが多く、程度が大きいほど費用も上がりやすくなります。
下の前歯のガタガタ(叢生)
下の前歯のガタガタ(叢生)を部分矯正で整える場合、費用はおよそ30万〜50万円が目安です。
ガタつきは下の歯で多い悩みで、軽度なら動かす範囲が小さく、部分矯正で対応しやすい乱れです。
重なりが強い場合は、歯を並べるスペースづくりが必要になり、費用や期間が増えることがあります。
下の前歯が数本だけ少し重なっている程度なら、部分矯正でおさえやすい傾向です。
一方で、ガタつきが広い範囲におよぶと、全体矯正が必要になるケースもあります。
下の前歯のガタつきは部分矯正で整えられることも多いので、まず程度を診てもらうと費用の見当がつきます。
下の歯のすきっ歯
下の歯のすきっ歯を部分矯正で閉じる場合、軽度なら10万円台から対応できることもあります。
すき間を寄せる治療は動かす量が少なく済むことが多く、部分矯正に向いた乱れのひとつです。
すき間の大きさや本数によって、費用や必要な期間は変わってきます。
前歯のわずかなすき間なら、マウスピースの部分矯正でおさえやすいケースがみられます。
すき間が大きい、複数の歯にまたがるといった場合は、費用も上がりやすくなります。
軽いすきっ歯は比較的おさえやすい乱れなので、まず部分矯正で対応できるか相談してみるとよいでしょう。
下の歯が1本だけ気になる場合
下の歯が1本だけ気になる場合は、整える範囲が狭いぶん、費用をおさえやすい傾向です。
動かす歯が1本や数本に限られると、装置も小さく済み、治療にかかる手間や期間も少なくなります。
ただし、1本の乱れでも、その奥の歯並び全体が関係していることがあります。
1本だけ少し飛び出している、軽くねじれている程度なら、部分矯正で整えられるケースが多いです。
周りの歯を動かすスペースが必要な場合は、見た目より治療が複雑になることもあります。
1本だけの悩みでも背景に全体の歯並びが関わることがあるので、まず診断で原因を確かめておくと安心です。
【装置別】下の歯だけの矯正費用の相場
下の歯だけの矯正は、選ぶ装置によっても費用が変わります。
「目立たない方法だと高くなるのかな」と気になりますよね。
下の歯はワイヤーかマウスピースで整えるのが一般的で、それぞれに費用の目安があります。
ここでは、装置ごとの相場を整理していきます。
| 装置の種類 | 費用の目安(下の歯の部分矯正) | 特徴 |
|---|---|---|
| ワイヤー(表側) | 30万〜60万円 | 幅広い乱れに対応・調整しやすい |
| ワイヤー(裏側) | 40万〜70万円 | 目立ちにくいが費用は上がりやすい |
| マウスピース | 10万〜60万円 | 透明で目立ちにくく取り外し可能 |
| 全体矯正(参考) | 60万〜120万円 | 上下すべてを動かす |
ワイヤー部分矯正(表側・裏側)の費用
下の歯のワイヤー部分矯正の費用は、表側でおよそ30万〜60万円、裏側で40万〜70万円ほどが目安です。
ワイヤーは幅広い乱れに対応でき、細かい歯の動きを調整しやすい方法として使われています。
裏側に装置をつけると目立ちにくい一方で、技術がいるぶん費用は上がりやすくなります。
下の歯は笑っても見えにくいため、表側のワイヤーでも気になりにくいと感じる方もいます。
見た目をより重視する方は、裏側を選んで費用が上がるケースもみられます。
ワイヤーは対応範囲が広く調整もしやすい方法なので、見た目と費用のバランスで選ぶとよいでしょう。
マウスピース部分矯正の費用
下の歯のマウスピース部分矯正の費用は、およそ10万〜60万円が目安です。
マウスピースは透明で目立ちにくく、取り外しもできる方法で、軽度から中程度の乱れに向いています。
対応できる範囲やマウスピースのブランドによって、費用には幅があります。
国内向けの部分矯正用ブランドでは、20万〜45万円ほどとおさえやすいものもみられます。
数万円のお試しプランは枚数が限られ、整いきらないと追加費用がかかる場合があるため注意が必要です。
マウスピースは見た目と使いやすさのバランスがよい方法なので、適応できるかを相談しながら選ぶと安心です。
下の歯だけ(部分矯正)と全体矯正の費用の違い
下の歯だけを整える部分矯正は、動かす歯の本数が限られるぶん、上下すべてを動かす全体矯正よりも費用をおさえやすいのが大きな特徴です。
「上下まとめて治すのと比べて、どのくらい安くなるのだろう」と気になる方も多いのではないでしょうか。
一般的に、部分矯正の費用は全体矯正のおよそ半額程度になることが多く、下の歯だけにしぼればさらに動かす範囲が狭くなるため、負担はより軽くなる傾向があります。
具体的な目安としては、全体矯正が60万〜120万円ほどなのに対し、下の歯だけの部分矯正は10万〜50万円ほどでおさまるケースもみられます。
ただし、費用が安いからと部分矯正を選んでも、噛み合わせに問題がある歯並びでは十分に整わず、結果として全体矯正をやり直すことになる場合もあるため、安さだけで判断するのは避けたいところです。
費用の差はもちろん大切ですが、それ以上に「自分の歯並びにどちらの方法が向いているのか」をあわせて考えることが、満足できる結果につながります。
下の歯だけの矯正でかかる追加費用
下の歯だけの矯正では、最初に提示される装置代だけでなく、治療の前後でいくつかの費用が加わることを知っておくと安心です。
「見積もりに書かれた金額だけで本当に終わるのかな」と、あとからの出費が不安になる方も少なくありません。
医院によって料金に含まれる範囲は異なるため、何が装置代に含まれ、何が別料金になるのかを、最初の段階で確認しておくことが大切です。
ここからは、下の歯だけの矯正でかかりやすい追加費用を、項目ごとに具体的に見ていきます。
検査・診断料
矯正を始める前には、歯並びの状態を正確に把握するための検査・診断料として、数千円から5万円ほどがかかるのが一般的です。
下の歯だけを動かす場合でも、レントゲンや歯型、口腔内の写真をもとに、上下の噛み合わせまで含めて状態を詳しく調べる必要があります。
こうした検査の結果から、そもそも部分矯正で対応できるのか、それとも全体矯正がふさわしいのかという治療方針も判断されます。
最初のカウンセリングは無料でも、その先の検査・診断には費用がかかる医院が多く、装置代に含まれる場合と別料金になる場合に分かれます。
検査・診断料は治療の入り口で必ず関わる費用なので、見積もりにあらかじめ含まれているかどうかを確かめておくと、あとで戸惑わずに済みます。
調整料・保定(リテーナー)の費用
治療の途中でかかる調整料と、治療が終わったあとの保定にかかる費用も、装置代とは別に必要になることがあります。
ワイヤー矯正では月に一度ほど通院して装置を調整するのが一般的で、その調整料は1回あたり3千〜1万円ほどが目安となり、治療が長引くほど総額に積み重なっていきます。
一方でマウスピース矯正は通院の回数が少なく済むことが多いため、調整にかかる負担をおさえやすいという違いがあります。
治療を終えたあとは、動かした歯が元の位置へ戻る「後戻り」を防ぐために、リテーナーという装置を使って歯を安定させる期間が続きます。
リテーナーの費用は数千円から数万円ほどが目安ですが、破損や紛失で作り直しが必要になると、その都度あらためて費用がかかる点にも注意が必要です。
調整料も保定も見落とされがちな費用なので、月々の負担と治療後まで含めた総額で考えておくと、資金の見通しを立てやすくなります。
抜歯が必要になる場合の費用
下の歯を並べるためのスペースがどうしても足りない場合には、抜歯が必要になり、その費用が別に発生することがあります。
歯を動かす余地をつくる方法としては、歯を抜くほかに、歯の側面をごくわずかに削ってすき間を生み出すやり方がとられます。
矯正を目的とした抜歯は自由診療となることが多く、費用の目安は1本あたり数千円から1万円ほどとされています。
下の歯だけの部分矯正では、もともと動かす量が少ないため、抜歯をせずに整えられるケースも少なくありません。
ただし重なりが強い歯並びでは、抜歯やスペースづくりが避けられず、その分の費用が総額に加わることになります。
抜歯が必要かどうかは歯並びによって大きく変わるので、検査のときにあわせて確認しておくと、総額の見通しが立てやすくなるはずです。
下の歯だけの矯正にかかる期間の目安
下の歯だけの部分矯正は、動かす範囲がしぼられるぶん、全体矯正よりも短い期間で治療を終えられることが多い方法です。
「どのくらいの期間、通い続ければ終わるのだろう」という見通しも、費用と同じくらい気になるところですよね。
実際の期間は、歯並びの乱れの程度や選ぶ治療方法によって変わってくるため、おおよその目安を先に知っておくと予定を立てやすくなります。
ここからは、部分矯正にかかる期間の目安と、期間が延びやすいケースについて整理していきます。
部分矯正の期間の目安
下の歯だけの部分矯正にかかる期間は、乱れが軽いケースであれば、おおよそ数か月から1年ほどが一つの目安になります。
動かす歯の本数が少なく、移動させる距離も小さくて済むことが多いため、全体矯正に比べて治療が早く進みやすい点が特徴です。
全体矯正では1年半から3年ほどかかることもあるため、それと比べると下の歯だけの矯正は、体への負担も時間の負担も軽い傾向にあります。
下の前歯のわずかな重なりやすき間を整える程度であれば、半年ほどで仕上がりが見えてくるケースもみられます。
なお、歯を動かし終えたあとは、後戻りを防ぐためのリテーナーを使う保定の期間が別に続く点もおさえておきましょう。
治療そのものは比較的短く終わることが多いので、保定まで含めた全体の流れを最初に聞いておくと、見通しを持って取り組めます。
期間が延びやすいケース
歯の重なりが大きい場合や、歯を並べるためのスペースづくりが必要な場合には、治療の期間が延びやすくなります。
歯を動かす距離が大きくなるほど、安全に少しずつ移動させる必要があるため、その分だけ治療に時間がかかります。
抜歯をしたり歯の側面を削ったりする処置を行う場合も、治療の段階が一つ増えることで、全体の期間が長くなりやすい傾向です。
下の前歯のガタつきが強いケースでは、当初の見込みよりも治療が長引くことがあり、途中で計画が見直されることもあります。
また、通院の間隔があいたり、マウスピースの装着時間を守れなかったりすると、その影響で期間が延びてしまうこともあるでしょう。
期間は歯並びだけでなく日々の通い方によっても左右されるので、無理のない通院計画を立てておくと、予定どおりに進めやすくなるはずです。
下の歯だけの矯正費用を抑える方法
下の歯だけの矯正はもともと費用をおさえやすい方法ですが、さらに負担を軽くするための工夫もいくつかあります。
「自由診療で高くなりがちだからこそ、少しでも費用をおさえたい」と考える方は多いはずです。
代表的なのは、納めた税金の一部が戻る医療費控除を活用する方法と、月々の支払いに分けられる分割払いやデンタルローンを使う方法です。
なお、顎変形症など限られた条件に当てはまる場合は、保険や育成・更生医療といった公的な仕組みで負担が軽くなることもあります[4]。
ここからは、下の歯だけの矯正で使いやすい2つの方法を、具体的に見ていきます。
医療費控除を活用する
噛み合わせの改善など、機能を回復することを目的とした矯正は、医療費控除によって負担を軽くできる場合があります。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定の額を超えたときに、納めた税金の一部が戻ってくる制度です[2]。
発育段階にある子供の不正咬合を整える矯正のように、治療の必要性が認められるケースは、その対象に含まれることがあります[1]。
一方で、見た目を美しくすることだけを目的とした矯正は、医療費控除の対象にはならないとされています[3]。
控除の対象には、装置代や検査料に加えて、公共交通機関を使って通院した際の交通費まで含められる場合があります[3]。
自分の矯正が対象になるかどうかは状況によって変わるので、確定申告の前に税務署や歯科医師に確認しておくと、無駄なく手続きを進められます。
分割払い・デンタルローンを使う
まとまった費用を一度に用意するのが難しい場合は、分割払いやデンタルローンを利用して、月々の負担を平らにする方法があります。
多くの医院では、院内での分割払いや、提携する信販会社のデンタルローンに対応しており、毎月決まった額を払いながら治療を始められます。
一度の出費を小さくできるため、費用がネックで矯正に踏み出せなかった方でも、無理のない範囲で計画を立てやすくなります。
ただし、分割払いやローンには手数料や金利が上乗せされることが多く、一括で払うよりも総支払額が増える点には注意が必要です。
何回払いにするか、金利はどのくらいかによって最終的な負担は変わるため、契約の前に総額を確認しておくと安心です。
分割やローンは支払いの負担をならせる便利な方法なので、毎月の額と総支払額の両方を見比べたうえで選ぶと、納得して続けられます。
費用の安さだけで「下の歯だけ」を選ぶときの注意点
下の歯だけの矯正は費用をおさえられる魅力がある一方で、安さだけを基準に選ぶと、あとで後悔につながることがあります。
「とにかく安く、下だけ手早く治したい」という気持ちは自然なものですが、価格の裏にある条件にも目を向けておきたいところです。
大切なのは、目先の金額ではなく、噛み合わせまで含めて自分の歯並びに本当に合っているかという視点です。
ここからは、費用で選ぶ前に知っておきたい注意点を、2つの角度から整理していきます。
噛み合わせの悪化とやり直しのリスク
下の歯だけを安く整えようとした結果、噛み合わせが崩れ、かえって治療をやり直すことになるケースには注意が必要です。
歯は上下がかみ合って機能しているため、下の歯だけを無理に動かすと、上の歯との接触のバランスが変わってしまうことがあります。
噛み合わせがずれたまま見た目だけを整えても、食べづらさや特定の歯への負担といった問題が残ってしまう場合も少なくありません。
安さを優先して部分矯正だけで進めた結果、最終的に全体矯正へ切り替えることになり、費用も期間も余計にかかってしまうこともあるようです。
こうしたやり直しを防ぐためにも、最初の段階で噛み合わせまで含めた診断を受けておくことが欠かせません。
安さの先にあるリスクを知っておくと、目先の金額だけに引っぱられず、長い目で見て損のない選択をしやすくなります。
総額と治療範囲を確認する
費用を比べるときは、表示された金額ではなく、検査料や調整料、保定まで含めた「総額」で確認することが大切です。
医院によって料金に含まれる範囲は異なり、装置代だけが安く見えても、追加費用を合わせると総額では高くなることがあります。
また、「下の歯だけ」と聞いていても、実際にどこまでの歯を動かすのか、治療範囲の説明にあいまいさが残ると、あとから認識のずれが生まれかねません。
数万円ほどのお試しプランは枚数や対応範囲が限られていることが多く、希望の歯並びにするには追加が必要になる場合がみられます。
見積もりをもらう際には、料金に何が含まれ、どこまでの仕上がりを目指せるのかを具体的にたずねておくと安心です。
総額と治療範囲の両方をはっきりさせておくと、あとからの想定外を防げるので、落ち着いて納得のいく選択ができます。
下の歯だけの矯正に関するよくある質問
- 下の歯だけの矯正はいくらかかりますか?
-
下の歯だけの部分矯正は、乱れが軽いケースであれば、およそ10万〜50万円が一つの目安になります。
ただし歯科矯正は自由診療のため、選ぶ装置や歯並びの状態、医療機関によって金額は変わってきます。
装置代だけでなく、検査料や調整料といった追加費用も含めて、総額で確認しておくと安心です。
- 下の歯だけでも矯正できますか?
-
前歯の軽いガタつきやすき間など、乱れが小さいケースであれば、下の歯だけの部分矯正で対応できることがあります。
一方で、噛み合わせや骨格に関わる乱れがある場合は、奥歯を含めた全体矯正が必要になることも少なくありません。
下だけで対応できるかどうかは歯並びしだいのため、まず検査と診断を受けて確かめておくと確実です。
- 下の歯だけと全体矯正では費用がどれくらい違いますか?
-
全体矯正がおよそ60万〜120万円なのに対し、下の歯だけの部分矯正は10万〜50万円ほどと、半額程度におさまることも多いです。
動かす歯の本数が少ないぶん、費用だけでなく治療期間の負担も軽くなる傾向があります。
ただし噛み合わせに問題があると全体矯正が必要になるため、費用の差だけで選ばないことが大切です。
- 下の歯だけの矯正は医療費控除の対象になりますか?
-
噛み合わせなど機能の改善を目的とした矯正であれば、下の歯だけでも医療費控除の対象になる場合があります。
一方で、見た目を整えることだけが目的の矯正は、医療費控除の対象にはなりません[3]。
対象になるかは状況によって変わるので、確定申告の前に税務署や歯科医師に確認しておくと確実です。
まとめ
下の歯だけの矯正は部分矯正にあたり、乱れが軽ければおよそ10万〜50万円が一つの目安になります。
全体矯正の半額程度におさまることも多く、動かす範囲が狭いぶん、費用と期間の負担をおさえやすいのが魅力です。
ただし、下の歯だけを動かすと噛み合わせが崩れることもあり、骨格に関わる乱れや重度のガタつきでは全体矯正が必要になります。
装置別ではワイヤーで30万〜70万円、マウスピースで10万〜60万円ほどが目安で、ここに検査料や調整料、保定などの追加費用が加わります。
機能の改善を目的とする場合は医療費控除を、まとまった支払いが難しい場合は分割払いやデンタルローンを活用すると、負担を軽くできます。
安さだけで選ぶと噛み合わせの悪化ややり直しにつながることもあるため、総額と治療範囲を確認したうえで決めることが大切です。
下の歯だけで治せるのか、いくらかかるのかが気になる場合は、まず医療機関で検査と見積もりを受けて相談してみましょう。
参考文献
[1] 国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」(最終閲覧日:2026年5月)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm
[2] 国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」(最終閲覧日:2026年5月)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
[3] 国税庁「質疑応答事例 歯列を矯正するための費用」(最終閲覧日:2026年5月)
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/05/08.htm
[4] 厚生労働省「自立支援医療制度の概要」(最終閲覧日:2026年5月)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000699182.pdf
[5] 関東信越厚生局「歯科診療所に係る定例報告等について(施設基準届出受理医療機関名簿)」(最終閲覧日:2026年5月)
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iryo_shido/teirei-shika.html
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、医療アドバイスではありません。
治療内容や費用、対応の可否に関しては必ず歯科医師や医療機関にご相談ください。
※本記事の費用はすべて目安であり、自由診療のため医療機関によって異なります。
※医療費控除や保険適用の可否は、症状や制度の改定により変わる場合があります。